2013年2月18日月曜日

住み慣れた場所で最期を 在宅ひとり死を考えるフォーラム 上野千鶴子さん

千葉@藤田敦子です。
2月17日に行われた千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムは、500名の会場が満席となり、3分の2が一般市民の参加により、無事、成功裏に終了しました。

基調講演に「おひとりさまの老後」を書かれた社会学者・東大名誉教授の上野千鶴子さんをお迎えし、「在宅ひとり死は可能か?」と問いていきました。そのせいか、いつもの、医療・福祉従事者やがん患者・家族だけでなく、高齢者や地域包括ケアの関係者などが多くご参加でした。

当日、NHK全国ニュースとして放映されました。

住み慣れた場所で最期を 在宅ひとり死 考えるフォーラム NHK

動画はすぐ見れなくなりますのでテキストも張り付けときますね。

「在宅ひとり死」は、会場に来られた多くの市民が、そんなこと無理だと思い、 そして、フォーラム後に、「できる」と確信されていました。
中でも、ご発表された遺族の方が、発表の中で、「自分は夫を家で看取ったけど、自分の時は子供に迷惑をかけるから無理だと思う」と言われていたのですが、パネルディスカションの中で、「こんなにすてきな専門職の人たちがいることがわかりました。子どもたちに自分も家で死にたいと言います」と語られ、企画者として、とても嬉しかったです。

後、薬剤師もチームの一員として、しっかり入れられたのも良かったです。

私は会場に呼びかけました。「私たち、市民にできることが二つあります。一つは、在宅ひとり死をしたいと望み、そして、それを声に出していくことです。二つ目は、インフォーマルサービスとして、「手」になることです。たすけあいという形でなくても、隣近所助け合っていけば、そこは、最期まで住み続けられる場所になっていきます」

「在宅ひとり死』伝道師の上野千鶴子様、そして、パネリストの皆様に感謝申し上げます。私たち、市民でも、できることがある。それがとっても嬉しかったです。

このフォーラムの中で語られましたが、在宅を全員が選ぶ必要はないのです。在宅療養をして病院や緩和ケア病棟、施設を望んでもいいのです。大事なことは、自分の大切な人生を、どう最期まで生ききるのか、家族や周りとの関係も含め、そればあなた自身の人生であり、自分自身で決めるしかないのです。そして、その決めたことが叶えられるように、選択権のある環境を作っておくことが、千葉県の役割になるわけですから。

*****NHKニュース「住み慣れた場所で最期を 平成25年2月17日*****

65歳以上の1人暮らしの人が高齢者世帯のおよそ3分の1に達し、今後10年でさらに100万人以上増えると見込まれるなか、がんなどの病気になっても、住み慣れた自宅や地域で最期まで暮らすにはどうすればよいかを考えるフォーラムが17日、千葉市で開かれました。

このフォーラムは千葉市のNPO法人が開いたもので、「おひとりさまの老後」などの著書で知られる社会学者の上野千鶴子さんが、在宅医療の現場で行った調査に基づいて講演しました。
この中で上野さんは、末期がんの高齢者を医師が往診して薬で痛みを和らげたり、訪問介護などのサービスをうまく組み合わせたりして支えている取り組みを紹介し、「病気になっても1人暮らしはできるという手応えを得た。病院の医師や離れて暮らす家族は『1人住まいなんて無理だ』と反対するが、実態を知らないためだ」と指摘しました。
また、1人暮らしの70代の末期がん患者を看取った経験がある訪問看護師は、「家で死にたいという本人の強い希望に家族も動かされた。自分の最期についてしっかり考えておくことが大切だ」と話しました。
講演を聞いた女性は、「自分も独り身なのでひと事ではない。できれば自宅がよいと思っているので、参考になった」と話していました。