2012年6月18日月曜日

エンド・オブ・ライフケア講座①7月8日(日)

NPO法人ピュアの会員の皆様

7月8日(日)に下記の「エンド・オブ・ライフケア講座①」を開催します。今回は、会員限定の催しです。お友達やご夫婦一緒に参加できるように、同伴者は可にしました。皆様、7月8日にお会いしましょうね \(^o^)/

エンド・オブ・ライフケア講座①
~あなたは、どこで、誰と、最後を過ごしたいと思いますか~

日時:7月8日(日)13:00~16:00(開場12:45)
場所:千葉大学福祉環境交流センター
社会科学研究科棟 3階)
話題提供
「病院で死ねない!って本当なの?」
NPO法人ピュア代表 藤田敦子

「サービス付き高齢者施設と地域拠点について」
生活クラブいなげビレッジ虹と風 施設長 日下直人

参加:ピュア会員限定 会員:無料 同伴者:1,000円
申込:ピュア事務局 メール npo.pure#gmail.com (#を@にしてくださいね)
FAX  047-448-7689
*当日、1階のカギが閉まっていたら、事務局TEL070-5554-3734へ連絡ください。

さて、NHKクローズアップ現代で話題になった「もう病院で死ねない。~医療費抑制の波紋~」をご覧になりましたか?この番組を見た私(藤田)は激怒しました。どうしてかというと、説明があまりにも少なくて、まるで国や医療者がすべて悪いみたいな印象を持たせますし、そもそも論、高齢化で医療費がどんどん膨れ上がっていくのは確かですし、退院支援という考え方が間違っていて在宅療養支援になっていないこと、救急車の扱いが極端すぎて誤解を与えること、そして何より、病院か、在宅か、それも急性期病院か、在宅かの二者選択になっていたことです。訪問看護師の紹介もありませんね。他にも、もっとたくさんあります。少し前の放送ならともかく、今、流す内容なのか・・・・・・と言い出したら、きりがありません。
それで、少しずつでも、会員の方に、「現状の理解」と「備えあれば憂いなし」を持って頂きたく、エンド・オブ・ライフケア講座の開催を始めます。今、話題になっている「社会保障と税の一体改革」でも、もっと正しい理解が必要だと思います。

今回は、今後、主流になっていく「ケア付き高齢者住宅」に焦点を当てました。ここに住みながら、医師や看護師、ヘルパーの訪問を受けていく形です。こういう複合拠点は、高齢者住宅の住人だけでなく、周辺に住む人にも、在宅医療とケアが届けられていきますから、その辺の仕組みをしっかりと学んでほしいと思います。この形は全国に広がっていきます。

せっかく大学院へ行き、修士「医療福祉学」を修め、わかりやすい情報発信力に磨きをかけてきました。ブログの中での「公」で発信するのとは違う形で、講座の中で会員の皆様限定につぶやいていきますね(笑)。

エンド・オブ・ライフケアについては、千葉大学看護学のホームページを参照ください。「最後の日々の痛みや苦しみが十分治療され、本人の望むとおりに過ごせ、遺族にはよい思い出が残るようなケア」と私は理解しています。専門的にはいろいろありますが、患者も家族も、「いい人生で良かった」と思えることは大事ですよね。

会員の皆様、7月8日に千葉大学でお会いしましょうね。

2012年6月13日水曜日

質の高い終末期を 生活の場で

NPOピュアの藤田敦子です。ちょっとだけ院生モードです。

昨年10月10日に、東京大学公共政策大学院 医療政策教育・研究ユニット(略称 HPU)の「医療政策実践コミュニティー」(Health Policy Action Community、略称 H-PAC)で発表させて頂きました。

パート2 地域医療計画編 ~高齢化時代の地域に根差した医療とケアをどう構築するか~
1. 新しい地域医療体制構築のための政策課題  武藤 正樹 氏 (国際医療福祉大学大学院教授,医療計画の見直し等に関する検討会座長)
2.超高齢化社会の地域医療ビジョン 高橋 泰 氏(国際医療福祉大学大学院教授)
3.実践から見る地域医療の課題  武藤 真祐 氏(医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック理事長)
【パネルディスカッション】
『新しい地域医療建設への工程表』
岩崎 賢一 氏(朝日新聞社記者)〔メディア〕
高橋 泰 氏〔政策立案者〕
藤田 敦子 氏(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)〔患者・市民〕
武藤 真祐 氏〔医療提供者〕
武藤 正樹 氏〔政策立案者〕
コーディネーター:本田 麻由美 氏 (読売新聞社記者)


その時に発表した内容が、ホームページで公開されていた。

緩和ケア病棟の現状と課題
終末期医療の現状と未来
質の高い終末期を 生活の場で

この3つは、私の研究テーマでもありますので、詳細は書きませんが、ほんのさわり程度の解説を入れます。

緩和ケア病棟については、やっと医療計画の中に数値目標は入りましたが、その医療圏の人の受診の動向やケアへ移行するときの動きなどが分析されているわけではありません。がん登録の法制化が進まず、敵もわからず、計画を作っているわけで、今後の高齢者の増加に伴い、地域の中に、どれだけの資源が必要なのかも示さず、ただ数字合わせをしているだけです。
今後、急速な高齢化が起こる首都圏は、人口比に対し、圧倒的に支える医療が不足しています。まして、現状の緩和ケア病棟が、診療報酬の通りに、在宅療養の補完やレスパイト機能、地域ケア支援を行っているのか疑問があります。
デンマークへ行ったとき、緩和ケア医が言っていたのは、「どれだけ、地域訪問看護師を知っているかが大事」というでした。デンマークでは、看護師は民間の参入がないからかもしれませんが、緩和ケア医はケア付き住宅へも往診へ行ったり、アドバイスをしたり、とても重要な役割を持っていました。まあ、緩和ケア病棟自体が、病院の一部でない、地域の中に別建てでホスピスとしてありましたけど。

終末期医療の現状と未来では、がん診療連携拠点病院から同じような機能をもつ病院へ行っていて、何もわからないまま、救急車で病院へ運ばれている現状を伝えました。今は、救急を受けられるけど、これから、高齢者の数が増えれば、脳こうそくや心疾患など、一刻も争う人たちの数も増えてきます。救急を行う医師の数もベッド数も救急車も限られている中、救急と、患者側にとっては一大事だけどほかのやり方で問題を解決できるケースを考えなければいけない時代が来ると思います。未来を作るのは、医療と介護と行政と市民が、同じ目標を持って、自分たちの役割を果たすことだと私は思います。医療計画だけでは語れないけど、エンド・オブ・ライフケア計画とか、まあ、地域包括ケア計画とか、支える機能の充実のため、大きな視点が必要なんだと考えます。

質の高い終末期を 生活の場で と最後に語りました。デンマークへ行って感じたこと、見てきたことを話しました。日本では、緩和ケアというと、がんが主流になりますが、緩和ケアが大切にしている「チームケア」「患者の意思の尊重」「コミュニケーション」「家族ケア」が、認知症やほかの疾患の高齢者のために活かされていて、『国民が望む、自分らしい暮らしを最後まで守る』ことが実践されていました。「国民の75%が望んでいるのに、、まだまだです」と言われた緩和ケア医の言葉が印象に残りました。また、多職種をつなぐために、ITが重要な役割を持っていて、本人もそのデーターを見ることができることに、「患者の意思の尊重」の精神を見た思いでした。
個人主義だと誤解をしていましたが、ターミナル期には、家族が動揺するので、家族をしっかりと支えるのも、緩和ケアの役目ですという言葉に、「そうそう」とうなずいていました。

『自分らしく最後まで生きたい、暮らしたい」。その願いの実現のためには、何が必要なのか、答えを見つけられるよう、院生として研究をがんばります。そして、ピュア代表としては、少しずつでも、ケア従事者の皆様と一緒に、実践していきます。


2012年6月6日水曜日

【日本在宅ホスピス協会】第15回船橋全国大会分科会速報

在宅ホスピスケアに従事している医療・介護関係者の皆様

2012年9月1日(土)2日(日)に開催します第15回日本在宅ホスピス協会全国大会in船橋の続報です。
9月1日は、医療・福祉従事者の方向けに、研修・講演会・分科会を企画しております。
お申込等は、日本在宅ホスピス協会のホームページより、お願い致します。
(一般の方は、9月2日の市民公開講座のみのご参加となっておりますので、ご了承下さいませ)

分科会についてのご連絡です。まだ、変更がでるかもしれませんが、申込をされるときの目安にしてくださいませ。会場の定員数が限られていますので、なるべく事前申込をお願い致します。分科会によって、進行が違いますが、ただ講演を聴くのではなくて、会場と一体となって、討論をしたいと思っています。日頃、悩みを抱えている方にとって、役に立つようにと願いを込めて、企画しました。

分科会① 一人暮らしや介護力の低い人を地域の力で支える
座   長 三浦正悦(穂波の郷クリニック院長・宮城県)

事例紹介 
田實 武弥(自治医科大学 医師・栃木県)
安岡しずか(訪問看護ステーションあたご・高知県)
萩田 均司(薬局つばめファーマシー・宮崎県)
船橋市ケアチーム

2日報告者   大石春美(緩和ケア支援センターはるか・宮城県)
総合司会 藤田敦子(NPO法人ピュア代表・千葉県)

分科会② 医療的ケアのある方を支える~法制化を踏まえて~
座   長 土橋 正彦(土橋医院 院長・千葉県医師会副会長)

基調講演 高木 憲司(厚生労働省障害保健福祉課 障害福祉専門官)

医師の立場            鵜澤龍一(鵜澤医院 院長・千葉県)
ヘルパーの立場          伊藤佳世子(りべるたす・千葉県)
看護師・在宅コーディネーターの立場 木村久美子(小笠原内科看護部長・岐阜県)
*一部、発表者を変更しました(6月30日)

2日報告者 杉山宏之(ミヤマ薬局・千葉県)

分科会③ がんターミナル期の褥瘡ケアのあり方を考える
座   長 吉澤 明孝(要町病院副院長・東京都)

永谷 計(板倉訪問クリニック院長・千葉県)
大津眞由美(船橋市立医療センター、WOC認定看護師・千葉県)
平野綾子(セントケア㈱訪問看護統括係長・東京都)
鈴木ひとみ(アースサポート㈱本町在宅介護センター・千葉県)

2日報告者 発表者から

分科会④ 在宅ホスピスにおけるリハビリテーション
座長&講演 安部 能成(千葉県立保健医療大学准教授・千葉県)

西尾 玲子(のぞみの花クリニック理学療法士・千葉県)
佐治 暢 (東大宮訪問看護ステーション作業療法士・埼玉県)
岩城 基 (要町病院 理学療法士・作業療法士・千葉県)

2日報告者 松川 基宏(船橋市訪問看護ステーション理学療法士・千葉県)
*発表者を変更しました(7月21日)

以上です。

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日本在宅ホスピス協会全国大会に関するすべての投稿はこちらから

5月23日 会概要は、地域包括で支える在宅ホスピスケアを参照ください。

7月22日 大会長挨拶を追加しました。大会チラシ、市民公開講座チラシ、申込方法も記載してあります。