2011年9月30日金曜日

特別枠で在宅医療・介護の推進に127億円厚労省来年度概算要求

特別枠で在宅医療・介護の推進に127億円-厚労省来年度予算概算要求
医療介護CBニュース 9月28日(水)8時17分配信
YAhoo!ニュース

 厚生労働省の来年度予算概算要求の概要が9月28日、明らかになった。一般会計の総額は29兆5882億円で、今年度当初予算の28兆3767億円から1兆2114億円増額した。このうち、「日本再生重点化措置」(特別枠)の要望額は1059億円。在宅医療・介護の推進に127億円、ライフ・イノベーションの一体的な推進に388億円などを要望する。

 一般会計総額のうち年金・医療などに関する経費は、28兆3512億円で今年度当初予算比1兆1559億円増。自然増の1兆1600億円分を確保した形だ。

 在宅医療・介護の推進では、在宅チーム医療を担う人材の育成を目的とした研修を実施。在宅サービス拠点の基盤整備のため、医療機関の連携体制の推進や拠点薬局の整備、「複合型サービス事業所」の普及や「訪問看護ステーション」の大規模化なども図る。また、個別の疾患などに対応したサービスの充実・支援も盛り込んだ。
 ライフ・イノベーションの推進では、国際水準の臨床研究などを行う「臨床研究中核病院」(仮称)を10か所整備する。また、がんやB型肝炎などの個別重点分野の研究開発・実用化を支援する。技術の進歩に対応する薬事承認審査・安全対策の向上や、費用対効果を勘案した医療技術の評価に関する研究・調査も実施する。

 このほか、▽小児がん拠点病院の整備に5.4億円▽新型インフルエンザ対策の強化に134億円▽災害など非常時のバックアップとなる医療情報連携・保全基盤の整備に20億円―などが特別枠に盛り込まれた。

 東日本大震災の復旧・復興対策には計2209億円を要求。災害医療体制の強化や災害時の心のケア支援体制の整備、子どもの心のケアの支援体制の構築などを盛り込んだ。一方、B型肝炎ウイルス感染者への給付金の支給経費については、要求額を明示しない「事項要求」とした。

 今年度末で終了する介護職員処遇改善交付金の取り扱いや、来年度の診療報酬・介護報酬同時改定への対応などについては、予算編成過程で検討する。

■税制改正要望、診療報酬への消費税見直しを
 一方、厚労省の来年度税制改正要望の概要も明らかになった。医療・介護関連では、▽診療報酬に対する消費税の在り方の検討▽医業継続に関する相続税・贈与税の納税猶予の特例措置の創設▽診療報酬にかかる非課税措置の存続▽医療法人の社会保険診療以外部分の軽減措置の存続▽研究開発税制の恒久化▽たばこ税率の引き上げ―を求めた。

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がん対策では、小児がんや研究に概算要求をしていますね。
これから、12月までの戦いが繰り広げられる。
元気出して、がんばらなくっちゃ、と思います。
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2011年9月20日火曜日

日本初!がんサロン開設のための手引書


『緩和ケア』Vol.21 No.5 Sep 2011 でがんサロンの手引書が紹介されました。今月号の特集は、「患者の語りがケアを紡ぐ」で患者の語りからみえてくるものとしてDIPExジャパンの紹介や患者、医療者、ジャーナリストからの体験談などが収められています。その中で、ピュアが作った「がんサロン手引書」が紹介されました。


紹介
がんサロン開設のための分かりやすい手引書

 千葉県に住む患者から「自分の住む地域に患者同士が語り合える場がほしい」という要望に応える形で、船橋がんサロン「ここにおいでよ」を開設するにあたり、がんサロンを利用してみたい、作ってみたいと考える患者や家族、支援者にとって参考にできるがんサロンの手引書を作成しました。
この手引書は、3部で構成し、がんサロンの理解を深め、実際に作る時のノウハウや他サロンの内容を参照できるように作成しました。
①「がんサロンを知ろう」では、島根県の患者や行政、看護教員が、がんサロンの力や運営、機能と役割について述べ、また院内がんサロン運営の際の医療者の意識や千葉県柏と三重県の「地域統括相談支援センター」の紹介を行っています。
②「がんサロンを作ろう」では、船橋がんサロン一年の成果と地域がんサロン開設のノウハウを紹介しました。
③「がんサロンを使おう」では、千葉県内患者会や支援団体の紹介、院内&地域がんサロンの詳細がわかる内容としています。
がんの疑いを持った時から、多くの不安や悩み、孤独を抱えて患者は生きています。家族や周辺の人も、がんに向き合う患者にどのように接したらいいのか、どんなサポートが自分にできるのかと悩んでいます。がんサロンは「あなたは一人じゃない。ここにおいでよ!」と呼びかけ、互いが深め合い、高め合い、そして医療や地域を変えていく原動力にもなっていく場でもあります。この手引書により、日本全国に「がんサロン」が作られていくことを願っています。
藤田敦子(NPO法人「ピュア」)


「がんサロン~がん患者と家族が明日を生きるために~」 
定価・500円 送料・実費 A5版52頁 
購入方法・氏名、郵便番号、住所、電話番号、希望数を書いて、FAXかメールにて下記へ申し込みください。
申込先・NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア
FAX: 047-448-7689 E-mil:npo.pure@gmail.com TEL043-290-3029(火・金)

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お申し込みが3冊までの場合、事前に郵便振替で、500円×冊数+送料80円をお振込み頂く方法もございます。
備考欄に希望冊数をお書きください。
振込先:郵便振替口座 00150-8-54634 NPOピュア

2011年9月18日日曜日

リレーフォーライフ千葉2011に参加しました

NPOピュアの藤田敦子です。
今年も9月17日、18日に千葉県八千代市で開催された「リレーフォーライフ千葉2011」にチーム『NPOピュアここにおいでよ』で参加しました。



朝、準備のために早く着いた会場で大粒の雨。一時はどうなるかと思いましたが、それ以降は真夏日でした。
12:05 サバイバーによるファーストランから始まり、ピュア隊は後に続きました。




今回、チャリティとして準備したのは、エコたわしとタオル草履、両方とも船橋がんサロン「ここにおいでよ」に集うがんサバイバーのお二人が心を込めて作ってくださった物で、たくさんお買い上げいただきました。




いつしか夜になり、ピュアメンバーのSさんがおでんを30人分仕入れて持ってきてくださり、五目いなりとセットで300円で販売しまたした!Tさんはたくさんのおにぎりとおだんごを持って来てくださり、翌日の朝ごはんにしました。私も梨や漬物やいわし煮、スポーツドリンク、テーブルや座布団、テント、手動ライトなど今回はしっかりと準備していきました。
夜、思いがけず、昨年ご両親が参加してくださり、残念ながら8月に亡くなったご兄弟が写真を持って訪ねて下さいました。写真の中の彼女は聡明で輝いていて、ご家族の無念を思うといたたまれない気持ちでいっぱいでした。でもこうやって訪ねて来てくださったことに「ここにおいでよ」を作って本当に良かったと思いました。私たち「思い」をつなげていきますね。


夜、アグネスちゃんの訪問があったり、13年前にもらった花火で遊んだり、みんなでお話をいっぱいしました。ピュアの副代表とのつながりがわかったり、『縁』は不思議だな~と思いました。今年は仮眠1時間のみで、ずっとタスキをつないでいきました。




今年も誰一人けがをすることなく、リレーフォーライフは無事に終了しました。昨年は20代前半の参加があり、400週でしたが、今回は夜中も学生に頼むことなく321週つなぐことができました。数の多さでなく、みんなで「つないだ」ことに意義があります。

リレーフォーライフでドラマが生まれ、リレーフォーライフでチカラをもらいました。一年、きっといろいろなことがあると思うけど、また来年、笑顔でみんなで参加しましょうね。

2011年9月15日木曜日

【H-PAC】医療政策の喫緊の問題を考える

NPOピュアの藤田敦子です。
10月10日に下記の公開シンポジウムがあります。
定員130名ですので、お早めにお申し込みください。
申込み区分を見ると、東京大学生中心みたいですが、他大学生も区分にありました。
私は所要があり、自分のパートからとなります。会場でお会いしましょう。

東京大学公共政策大学院「医療政策教育・研究ユニット」(HPU)主催
~医療政策実践コミュニティー(H-PAC)公開シンポジウム~

「医療政策の喫緊2テーマを考える」
(テーマ1:診療報酬 テーマ2:地域医療計画)

チラシはこちら
日時:2011年10月10日(月・祝)13:00~17:00(12:30開場)
会場:東京大学本郷キャンパス内 小柴ホール

東日本大震災を経て医療問題への国民の関心がさらに高まる中、診療報酬・介護報酬、医療計画という日本の医療の根幹を形成してきた2つの仕組みが改定され、今後の医療のあり方が方向づけられる局面にあります。患者支援者・医療提供者・政策立案者・メディアという4つのステイクホルダーが集い、認識共有の上、多様な観点からの意見を集約し、実践の方向性を共に考える場とすべく、本シンポジウムを企画しました。

*** プログラム ***
開会挨拶 東京大学公共政策大学院院長 田辺 国昭 13:00-13:05
パート1 診療報酬編 ~いま必要な診療・介護報酬改定を考える(同時改定に向けて)~
【講演】 13:05-14:05
1. 診療報酬改定の主な論点 迫井 正深 氏(厚生労働省保険局企画官)
2.中医協の現状と課題 遠藤 久夫 氏
(学習院大学教授,社会保障審議会医療保険部会部会長,中央社会保険医療協議会前会長)
3.国民視線の診療報酬改定とは
花井 十伍 氏(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事,中央社会保険医療協議会委員)
【パネルディスカッション】 14:10-14:40
『いま必要な改革は何か? 4つの立場から考える』
パネリスト: 遠藤 久夫 氏〔政策立案者〕
上塚 芳郎 氏(東京女子医科大学教授・学長補佐)〔医療提供者〕
迫井 正深 氏(厚生労働省保険局企画官) 〔政策立案者〕
長谷川 聖治 氏(読売新聞社科学部デスク)〔メディア〕
花井 十伍 氏〔市民・患者〕
コーディネーター:埴岡 健一(東京大学公共政策大学院医療政策教育・研究ユニット客員教授)
【フロア発言・まとめ】 14:40-14:50
休憩 14:50-15:00
H-PACご紹介 東京大学公共政策大学院特任研究員 吉田 真季 15:00-15:05
(五十音順)


パート2 地域医療計画編 ~高齢化時代の地域に根差した医療とケアをどう構築するか~
【講演】 15:05-16:05
1. 新しい地域医療体制構築のための政策課題
武藤 正樹 氏(国際医療福祉大学大学院教授,医療計画の見直し等に関する検討会座長)
2.超高齢化社会の地域医療ビジョン
高橋 泰 氏(国際医療福祉大学大学院教授)
3.実践から見る地域医療の課題
武藤 真祐 氏(医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック理事長・院長)
【パネルディスカッション】 16:10-16:40
『新しい地域医療建設への工程表』
パネリスト:
岩崎 賢一 氏(朝日新聞社記者)〔メディア〕
高橋 泰 氏〔政策立案者〕
藤田 敦子 氏(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表) 〔患者・市民〕
武藤 真祐 氏〔医療提供者〕
武藤 正樹 氏〔政策立案者〕
コーディネーター:本田 麻由美 氏 (読売新聞社記者)
【フロア発言・まとめ】 16:40-16:50
H-PAC事務局より 16:50-16:55
閉会挨拶 岩本 康志(東京大学公共政策大学院教授) 16:55-17:00

※本シンポジウムへのご参加にあたり、事前申込みをお願いします。(参加無料・定員130名;先着順)
※参加ご希望の方は、チラシを見てお申込みください。
※シンポジウム内容(演題、登壇者等)は都合により変更になる場合があります。ご了承ください。

*9月28日、第2部に高橋泰先生のご講演が追加されました。

2011年9月12日月曜日

がんと診断された時からの緩和ケアの実施

NPOピュアの藤田敦子です。

今、がん対策推進協議会で、次期からの基本計画案が話し合われています。
9月9日は、平成24年度予算要求に係る意見と小児がん、緩和ケア専門委員会からの報告もありました。

また、意見交換としては、手術、放射線治療について話し合われ、化学療法・ドラッグラグについてヒヤリングがありました。

緩和ケアの報告書(案)ですが、行政用語も入れて、しっかりとまとめられています。
そんな中、目を引いたのが、「Ⅰ.がんと診断された時からの緩和ケアの実施」「Ⅱ.地域における緩和ケアの提供体制」「Ⅲ.専門的緩和ケアの提供体制の拡充」「Ⅳ緩和ケアに関する質の評価」「Ⅴ緩和ケアに関する卒然教育」となっていることです。
特に、『がんと診断された時からの緩和ケア」は、私の以前からの希望だったのでとても嬉しいです。また、「地域における緩和ケアの提供体制」のところに、介護や行政、社会福祉協議会の文言も入っており、十分、熟知された方がまとめにかかわれたのだろうと感じました。

第1期のがん対策推進基本計画を策定する際に開かれた、がん対策の推進に関する意見交換会の私の意見です。2006年12月13日のことです。なつかしいです。ここでは、「診断からの緩和ケアの推進」「患者が望む情報提供」「在宅緩和ケアの充実に向けて」と3本を軸にお話をしました。緩和ケア病棟が末期しか扱わないのはおかしいと訴え、リンパ浮腫の現状も訴えました。そして、地域との連携を進める相談体制を作ってほしいと伝えました。

この時のまとめとして
「今後のがん医療」
1.診断時から切れ目のない緩和ケアの提供
2.患者の視点を取り入れた情報提供を
3.初期診断、再発時の十分な説明を
4.心理的・社会的サポートへの診療上の評価
5.地域医療、在宅緩和ケアの充実を

アウトカムを重視し、患者の満足度を取り入れ、患者のQOLを重視した医療へとまとめました。
少しずつですが、希望の方向へ向かっていることを嬉しく思います。


報告書案ですが、介護保険をがん患者が適切に受けることができない現状についてもっと踏み込んだ言い方にしないのは、どうなんでしょうか?と感じています。国会でも取り上げられ、通知も出て、新聞でも記事になっていますが、現状は、改善されていないことが明白になっています。
がん末期に適した介護保険にしてほしい

おひとり様が増えていますから、これからは、医療と福祉の両方が必要で、診療報酬と介護保険の同時改正の時に、少しずつ、改善していけばいいのかもしれませんね。

*追加
緩和ケアの報告書案が厚労省のHPにアップしましたのでぜひ見てくださいね。今回、この報告書案に委員より意見が出ていますので、若干の修正があると思います。

2011年9月6日火曜日

船橋がんサロン「ここにおいでよ」開催20110905

NPOピュアの藤田敦子です。

ひさびさに会の活動についてです。
昨日、9月5日は、船橋がんサロン「ここにおいでよ」を開催しました。参加総数は17名。内新規は5名の参加でした。一人ひとり近況を語り合い、新しく参加された方から状況をお伺いしています。

9月と10月分を広報したので、新しい方々が参加されると思っていましたが、さすがに、部位もステージも違う方が5名参加されると、お話をお伺いするだけで、十分みんなで話し合うところまではいけませんでしたね。その代わり、サロン終了後に、一人ずつからお話を伺い、フォローさせて頂きました。

男性の方のお話は、前向きな実践報告やハーモニカ演奏もしてくださり、闘病のお話と共に、勉強になりました。また聞かせてくださいね。

乳がんで「卒業」と思った後に、転移が見つかった方の話に、勇気を持って参加してくださったことに感謝しています。どんなに辛かっただろうと胸がいっぱいです。若いお母様にがんが見つかった話には、「なんで今なの?」と胸がはりさけそうでした。このがんサロンを開設して、「どうして」と何度思ったことでしょう。今回参加された方々の話は、「どうして?」「どうして??」「どうして!!!」と思うことばかりでした。「家族」や「友人」「会社の同僚」へのアプローチの大切さも感じました。

治療を選択せず、在宅ホスピスを選択されたご家族もいらっしゃいました。在宅ホスピスに関することのアドバイスと一緒に、「セカンドオピニンを一度受けられたら」とお伝えもしました。選択をするには、正しい情報がセットされていなければいけないと思うのです。

今回、がん患者必携を持参するのを忘れたことを後悔しています。がん患者必携は、がんサロン必携でもあるのです。いろいろな部位の方が参加されます。医療に関するご相談はお受けはしませんが、他の場所にご相談をしてもらいたいと思う方はおられます。そのような場合は、がん患者必携をお見せして、ご自分の病気に関する知識を得ていただいています。情報はどんどん更新されていて、だからこそ、適切な場所へつなぐ必要を痛感しています。今度、放射線や抗がん剤の副作用に関する小冊子も持って、がんサロンに参加しようと思いました。但し、情報が古くてはダメですよね。いつも、正しい情報に触れる機会を得て、その情報サイトの場所をお伝えするだけでも違うと思います。ニュースが必ずしも正しいわけではないですよね。日々、勉強ですね。

船橋フェースにいく途中で、お孫さんのお写真を持ってきてくださったメンバーに偶然遭遇しました。本当にフランス人形のような姉妹の写真に、みんなで見とれてしまいました。お写真をありがとうございました!

船橋がんサロンのメンバーと一緒に、9月17日、18日は、リレーフォーライフ千葉に参加します。一年、生きれたことに感謝して、そしてまた一年と、思いを新たにしましょうね。がんサロンメンバー手作りの『エコたわし』『タオル草履』を持って行きます。売り上げは、すべてリレーフォーライフに寄付しますので、皆様、ぜひお立ち寄りくださいね。

次回のがんサロンは、10月3日(月)、そして11月14日(月)です。
船橋市中央公民館で、10時~11時30分。
掲示板はNPOピュア「ここにおいでよ」と出ていますのでご注意くださいね。

船橋がんサロン「ここにおいでよ」はふらっと立ち寄れるがん患者と家族のためのサロンです。新しく参加される方は、事前の説明がありますので、できれば10分前にいらしてくださいね。でも、迷って、迷って、やっとたどり着くこともありますよね。時間が過ぎても大丈夫。どうぞ、ドアを開けてお入りくださいね。

あなたのお越しを待っています。『ここにおいでよ』

2011年9月4日日曜日

【地震・医療】石巻の医療再生 在宅専門診療所開設

NPOピュアの藤田敦子です。被災地石巻に大きな助っ人ができました。診療所を開設し、根をはやして、地域医療に貢献することはすごいことですし、IT戦略からも、今回の試みの行方が待たれるところです。一度、開設したての東京の事務所にお邪魔したことがありますが、たぶん石巻も同じ状況なのだと思います。新しい住居や介護とのモデルも作ってほしいと願っています。


石巻の医療再生支援 東京の法人、在宅専門診療所開設
開設に向けて準備が進む「祐ホームクリニック石巻」=石巻市水明北2丁目

 東日本大震災で痛手を受けた地域医療をサポートしようと、東京の医療法人が9月1日、宮城県石巻市に在宅医療専門の診療所を開設する。長引く避難生活で悪化が懸念される要介護者の診療ニーズに対応しながら、高齢者の孤立防止にも目を配り、被災地の医療再生のため助力する。

 診療所は「祐ホームクリニック石巻」で、医療法人社団鉄祐会(東京)が石巻市水明北2丁目に開設する。診療科目は一般内科と循環器内科。外来診療はせず、希望する要介護認定患者の自宅を医師が定期的に訪問診療する。急変時は24時間対応するため、範囲は旧石巻市街を想定している。
 医師3人、看護師2人、事務スタッフ4人の計9人態勢。医師は法人理事長の武藤真祐院長と、家庭医でつくる「日本プライマリケア連合学会」(東京)からの派遣医、現地で災害支援してきた医師が担当する。看護師と事務スタッフは地元から採用し、医療の人材流出を防ぐ。
 診療所はプレハブ平屋の床面積約100平方メートル。診療所に近いトゥモロービジネスタウンなどに仮設住宅が計2000戸建設されるほか、被災した自宅で不便な生活を送る高齢者もいるため、医療ニーズに加え、心のケアや生活支援にも対応したい考えだ。
 石巻市医師会にも相談して準備を進めており、診療所が軌道に乗れば、地元関係者への事業引き継ぎも検討している。
 診療所の隣に建物をもう1棟建てて、長期的支援を行うNPOや医療関係者に集会所として貸し出し、被災者が安心して暮らせる環境づくりも支援する。
 開設準備室は「被災した高齢者は行動習慣が変わって足腰が弱ったり、不安や疲れが蓄積したりしている。津波被害で診療を再開できない医療施設や医師の市外への流出がある中、地域医療の再生と住みよい地域づくりに協力したい」と話している。
 診療を希望する場合は、ケアマネジャーを通じてか、
電話050(3777)2177で申し込む。


河北新報 2011年08月31日水曜日