2010年12月29日水曜日

仕事納めに感謝!

藤田敦子のひとり言(ピュアの活動)

今日はどこも仕事納めですね。
以前私は、年中無休の場所で仕事をしていました。
正月もGWも関係なく、誰かが必ず仕事場に出ていました。

普通のサラリーマンや行政マンたちは
今日が仕事納めかもしれないけれど、
今も、一生懸命で仕事をしている人たちがいる。
そのことに感謝したい。

私たちの生活を、いのちを守るために
がんばってくれている人たち。
ありがとうございます!!

さあ、今年もあと3日。
いろいろとあったけど、また新しい年が始まりますね。

どんな年になっても、自分を見失わず、前を見て進んでいきたい。
生きたくても生きることができなかった人たちの思いを胸に
新しい夜明けを迎えよう。

来年のピュアの活動は、
1月9日(日)が、千葉大学福祉環境交流センターで『新年会』
1月24日(月)、2月7日(月)、がん患者・家族サロン「ここにおいでよ」
2月20日(日) 千葉市文化センターで千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム
3月13日(日) 千葉大学福祉環境交流センターで「心を育むワークショップ」
毎火曜日・金曜日が、千葉大学福祉環境交流センターで電話相談
毎月曜日・木曜日が、船橋市立医療センターで外来・ホスピスボランティア
それ以外に、がん患者の介護保険調査、がんサロン調査がある。
船橋市立医療センターでも、がんサロンが始まるはずです。
国立がん研究センター情報センターから、がん患者必携も出るはず。

よし!がんばっていきましょう!

2010年12月24日金曜日

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

12月22日は、がん対策基本法を作った山本孝史さんの三回忌にあたる。奥様のゆきさんからメールを頂き、山本孝史さんのいのちをかけた58年をつづった「兄のランドセル」の出版記念が虎ノ門であり、会場へ行った。その日は夜に別件があり、残念ながら、講演会には参加できなかったが、1月販売で、まだ手に入れることができない本を買うことができた。

表紙にいのちをかけてがん対策基本法を成立させてくれた山本孝史さんがいる。最後のいのちを振り絞りながら、がん対策推進協議会にも出て、患者・家族委員からへアドバイスを送っている姿を私は何回も見ている。「自分には時間がないんだ」そうしきりに言っていましたね。

あの時、私たちも、真剣だった。忙しい時間の合間に、国会議員の元へ行きました。今の現状を知ってもらいたいとお願いをしていったのです。私は最後の最後、がん対策基本法をまさに作るときの参加だけど、彗星のように現れた山本孝史議員とお話しできた幸運に感謝しています。
この本には、山本孝史さんからのいのちのメッセージがいっぱい詰まっています。「命を守るのが政治家の仕事」と山本さんは言います。生きていたらとどれほどの人が思っていることか、本当に残念で仕方ありません。山本さんが目指したのは、『誰もが人間らしく生き、ふつうに暮らすことができる社会』です。今、私たちが会いたい政治家は、山本孝史さんでしょう。同じ志を持つ人が出てきてほしいものです。

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語
 山本ゆき著 朝日新聞出版 定価1,575円(税込)

がんサポートという雑誌の最新号に、尾辻先生の対談記事が掲載されています。見出しには、「発言の場があるのに、なぜ患者は力を発揮できないのか」「患者は文句を言うだけではダメ。政治を変えるのは命がけの訴えと力が必要」とあります。先輩がん患者たちの命をかけた行動が、山本孝史さんを動かし、そして法案成立に命をささげられました。そのバトンを受け取る人は、全国の命の叫びを、命をかけて伝えていく人だと、私は思っています。
ぜひ、山本孝史物語を読んでくださいね。

2010年12月21日火曜日

第6回終末期医療のあり方に関する懇談会報告書

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

まさか自分が関わると思っていなかった厚生労働省の「終末期医療」。
平成20年3月に調査を行い、やっと報告書がまとまりました。

この問題を、「尊厳ある生き方を貫くための検討会」と思い込んでいた自分は、本当にバカだったと思います。懇談会で発表することになり、改めて歴史を学んでみると、アメリカのカレン事件、ブービア事件後の延命治療の中止と患者の意思決定、どちらかというと安楽死について話し合っていたのでした。

そして、平成3年におこった東海大学附属病院事件で、がん末期患者に対し、医師が家族に望まれて行った行為が殺人罪に問われたことで、一気に治療の不開始、医療の中止の問題になりました。この事件のときに「安楽死4要件」が出ています。
その後、いくつかの事件が起こり、患者本人の意思リビングウィルを法制化する動きになっています。

平成18年に富山県で起こった「人工呼吸器取り外し事件」を契機にして、「尊厳死」のルール化の議論が活発になり、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を策定しました。
この事件とがん対策基本法との動きを知る人は少ないけど、富山の事件が、緩和ケアを後退させて、当初、がん対策基本法では小さな扱いになっていて、私たち患者関係者は緩和ケアの文字を入れてもらうために戦いました。本当に山本孝史さんがいなければ、今の緩和ケアはありませんでした。

そして今回、がん対策基本法以後、はじめて患者側のヒヤリング(私も発表)も行われ、話し合いを進めてきました。今までと違う形で、終末期医療のあり方に関する懇談会報告書を作ることができたと思っています。どこが今までと違うのか、前回の報告書と比べてくださいね。

今回の報告書で強調している項目は下記です。
1.終末期のあり方を決定する際のプロセスの充実とリビング・ウィルについて
2.終末期医療に関する患者・家族と医療福祉従事者間の情報格差
3.終末期医療体制の整備と医療福祉従事者に対する知識の普及
4.緩和ケアについて
5.家族ケア・グリーフケア

そして次回調査・議論への提言としては、調査の内容、調査対象者の範囲や用語の適切な使用、終末期医療の新しいニーズに適した調査項目を検討することにしました。また、「次のときには、課題を絞って議論をして具体的な方向性を示すことが期待されている。そして、少子高齢化を迎え、医療機関のみでなく、地域社会を念頭に置いた議論を深めていく必要があります」、とまとめられています。

諸外国では、緩和ケアは、がんだけでなく、ALSや高齢者などに広がりを見せています。
日本はやっと、「緩和ケア」が動き出したところ・・・・。なんだか、目の前がクラクラしてきますが、次回に向けて、一歩一歩、前進あるのみ、がんばっていかなくてはと決意を新たにしました。
今回、「暮らしを支える視点」や「家族ケア・グリーフケア」を入れることができ、本当に嬉しいです!

2010年12月18日土曜日

国会がん患者と家族の会が再起動

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

がん対策基本法の生みの親である山本孝史さんの三回忌12月22日を前にして、超党派でつくる「国会がん患者と家族の会」(代表世話人尾辻自民党参院議員)が、12月15日に総会を開きました。
来年度のがん対策予算やがん対策基本計画の見直しがありますね。

患者関係者は、国のがん対策の委員を中心に、日本癌治療学会での発表メンバーが参加をしました。
議員からは、がん対策基本法の際に積み残した「がん登録」に対して、言及があったようです。また、協議会の位置づけの確認、そして、患者側からは、相談支援センターの認知度の不足、緩和ケアの地域格差、経済問題、ドラッグ・ラグ、リレーフォーライフの寄付のことなどを指摘しました。

これから、集中審議もありますし、緩和ケアも専門委員会が開催されますから、十分問題を出し合って、どうしたら解決できるか、どんな施策が必要なのかを検討していけばいいですね。
問題はだれを参考人に呼ぶのかでしょうか。問題をちゃんと指摘できる人を呼ばなくては意味がないと思います。

関連記事が、CBニュースの記事から見れます。
「がん登録、制度化の必要も」-超党派がん議連が意見交換

また、私が参加させて頂いている
『終末期医療のあり方に関する懇談会』報告書も出ました。

ここでは、ずっと「緩和ケア」のことを話し合っていますが
やっと、「緩和ケア=末期」という概念を崩すことができました。
でも、もっともっと、前に進めなくてはいけませんね。がんばらねば!

2010年12月9日木曜日

2010年12月12日心を育むワークショップを開催

藤田敦子のひとり言(ピュアの活動)

会員限定の催しです。
がん患者を介護している家族や遺族を対象しています。
上記以外の会員の方は、参加可能か事務局へお問い合わせくださいね。

2010年12月12日(日)13:00~16:00
千葉大学福祉環境交流センター(人社研3階)
「心を育むワークショップ」
内容:最近あったこと、いいことさがしなど
    シュアリング、フリートーク
料金:有料(会員価格)

3か月に1回、開催しています。
なんとなくやる気が起こらない・・など、ほんの少し、心が風邪をひいている状態のときに、自己に気づくことも大切ですよね。フリートークの時間も入れていますので、患者の介護で疲れた心をリフレッシュしにいらしてくださいね。

2010年12月4日土曜日

静岡県がんセンター抗がん剤・放射線治療と脱毛や食事

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

静岡県がんセンターの「がんの社会学」に関する合同班会議に行ってきました。

Survivoorshuip(サバイバーシップ)で
抗がん剤・放射線治療と脱毛ケア が公開されています。以前には、
抗がん剤・放射線治療と食事の工夫 が好評でした、出版もされています。
また、新しく、胃がんになったご主人を支える奥様のブログという架空のブログ方式で、がんになった後の情報を伝えています。なかなか、ユニークな試みでわかりやすいですね。
リンパ浮腫も近日公開予定だと言われていました(追記:公開されました)。

今回、患者会からの報告に私も発表しました。千葉県の社会資源調査の結果を一部報告と、千葉県のがん患者等の意識調査結果で、拠点病院のがんサロンや相談支援センターが、患者会などに関わっている人でも65%ぐらいの人は知らないという結果を伝えました。病院の中だけで行っているから情報が届かないのだと思います。「サテライトを患者会や他の機関と一緒に作って行ったらどうでしょうか」と提案しました。相談支援センターに十分なスタッフがいれば可能ですが、一人でがんばっているところもありますし、なかなか国が考えているようには機能しませんね。
追記:803件中、拠点病院内にがん患者サロンを設置していることを「知らない」551件(68.6%)、がん相談支援センターをご存知ですかに対し「知らない」513件(63.9%)

そんな中、三重県がん相談支援センターの取り組みはすばらしかったです。もともと、県内にがんセンターがなくがんになった人のために「相談窓口が必要!」という話になり、平成14年に「がん患者生活支援事業」が日本対がん協会三重県支部に運営委託をされました。三重県の津総合庁舎内 保健所棟1階にあり、常勤が3名、非常勤が1名、サポーター(ボランティア)が42名で行っていて、がん相談、情報交換・交流の場(サロン)、情報提供、相談員研修、サポーター研修の5つが柱になっています。年間500件の相談があり、拠点病院と違っているのは、不安な気持ちや、医療者との関係、患者会・ピア相談、経過報告(グリーフケア)があることです。

こういう拠点が、あるといいですね。三重県は186万の県です。660万の千葉県には千葉市(県がんセンター、千葉大学などあり)、東葛北(国立がんセンター東病院あり)そして東葛南の3か所にはほしいですね。対がん協会は、リレーフォーライフも始めましたし、こういう地域での取り組みをしているところもあるんですね。う~ん、垣添会長に、全国に広げてもらいたいですね。

2010年12月2日木曜日

高額療養費―医療費負担軽減見送り

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

「抗がん剤等の治療費が高くて続けていかれない」「仕事もなくなってしまった、この先どうしたらいいのだろう」そんな声に対して、医療費負担軽減策が出ていましたが、12月1日に、政府は医療費の窓口負担が一定額を超えた場合に払い戻す高額療養費制度について、これまで検討していた一部低所得世帯の負担上限額の引き下げを、2011年度は見送る方針を固めました。70歳未満の年間所得約300万円以下の世帯(住民税非課税世帯は除く)を対象に、現行の月額8万円を半分程度に引き下げる方向でしたが、ダメになりました。一番大変な人たちを助けることはできないのでしょうか。残念です。

健保とか大丈夫なのかな?と思っていましたが、結果は、財源がないために見送りになりました。今日の社会保障審議会医療保険部会で議論され、見送りは決定しました(資料PDF)。

もう一つ話し合われていた外来診療でも高額療法費の現物給付化についてですが、2011年度から順次実施する方針を決定しました。良かったです。自己負担限度額は、所得によって異なるため、あらかじめ保険者から「限度額適用認定証」の交付を受けて、それを医療機関に掲示する仕組みになりますが、早く実施できるようにしてほしいですね。手続きも簡単にできるようにしてほしいし、違う医療機関にかかっていても可能にする仕組みはできないものかと思います。

高額療養費について、月をまたぐと高いという(読売新聞)記事もありました。参考にしてくださいね。