2010年4月22日木曜日

化学療法の副作用(嘔吐・悪心)

レポーター陽子のがんいろいろ情報

私は、幸いにして、化学療法を経験していない。

でも、化学療法(抗がん剤)をうけ
その副作用に悩まされている方も多いと思う。

何より、これから受けるという方は
不安で一杯だろうと思う。
その不安には「抗がん剤=嘔吐」ということが
あると思う。
私もその一人。
知人が、抗がん剤治療を初めてうけるという時
恐る恐る「大丈夫?」とメールしたら
「大丈夫!! 体力維持と運動不足解消のため
ただいま、スクワット中」と
元気なメールが帰ってきて
ほっとするやら、びっくりするやら
したことがあった。

日経メディカル オンライン/癌Experts
第8回日本臨床腫瘍学会学術集会での
癌化学療法による悪心・嘔吐の制御についてのお話
が載っていた。
それによると

化学療法の悪心や嘔吐には
予測性、急性(投与中から24時間以内)と
遅発性(24時間以上たってから現れる)がある。

悪心・嘔吐のリスク因子としては
50歳未満の若年者、女性、アルコールの常用がない

乗り物に酔いやすい、妊娠に伴う嘔吐経験などのほか

前の治療で経験した人や、副作用の不安の強い人に
予測性の症状(治療を受ける前に症状があらわれる)という。
そのためにも、最初の治療から悪心や嘔吐のコントロールが必要とか。
また、消化管閉塞や脳転移、オピオイドの増量などの
化学療法以外のことが原因で起こっている悪心・嘔吐もあるため
その鑑別も必要。
世界的な標準治療の流れとしては
急性と遅発性療法の悪心・嘔吐を抑える方向にあるという。
パロノセトロンというものが、急性・遅発性の両方に効果があるのだとい う。

ところが、このパロノセトロン。
西洋人と日本人では、その用量に違いがあるというから不思議。
海外ではパロ ノセトロン0.25mgが承認されているが
日本の臨床用量はその3倍の0.75mgの処方なのだという。
いずれにしても
高い頻度で悪心・嘔吐の副作用が出るといわれる化学療法を受ける場合は
このパロノセトロンがキーとなる薬剤という事らしい。

この記事の中

「患者が経験する悪心・嘔吐と医療従業者の認識にずれがある」

という事が書かれていた。
特に、遅発性(24時間以上経ってから出る副作用)について
医療者と患者の間で認識のずれがある。
要するに、24時間以上経って出た悪心や嘔吐の副作用について
医療者が把握しきれていないという事らしい。

これは、医療者ばかり責められない。
外来での治療が多いなか
24時間以降の副作用に関しては
患者が報告しない限り、医療者は知ることはできないだろう。
たとえ、わずかな変化でも
患者は医療者に伝えることが大切なのだと思う。

これは、後々の信頼関係にもつながる事。
患者は面倒がらず
自分の症状を報告し
医師も面倒がらず
しっかりと聞いてもらいたいものだ。

こんな時、いつも思うのは
患者と主治医と
交換日記のようなものがないだろうか
いや、ラブラブな交換日記ではなく
症状管理日記のようなもの

今後、実用化される「患者必携」には
そのような機能もついているのだろうか……


2010年4月20日火曜日

がん末期の介護保険認定を迅速に

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

行動星生まれの藤田敦子です(笑)。
都道府県がん対策患者委員が一堂に会した「がん政策サミット2010」の成果を具体化するために、サミットでお会いした民主党の梅村聡議員と、18日に大阪で日本ホスピス・在宅ケア研究会の理事面々と一緒に面談してきました。
今日、参議院厚生労働委員会で、梅村議員が、がん末期の介護保険の問題について切り込んでくださいました(インターネット中継4月20日梅村議員40:50頃)。私がお渡しをした研究会誌「ホスピスケアと在宅ケア」の、姫路市介護サービス第三者評価機構が投稿した「末期がん患者が十分な介護サービスを受けるための介護認定システム確立について―医療から福祉へ患者をどう繋げるか―」から、抜粋して質問をしてくださいました。

父が最期を迎える時、あろうことか、要介護4が要介護3に下がってしまいました。父は亡くなる直前まで自己負担が多くなると気にしておりました。ケアマネジャーから区分変更が行われ、死後、要介護4の通知が届きましたが、どんどん体力が落ちて食事もとれなくなっているのに、介護度が下がるなんて信じられませんでした。

講演会の中で、市川市医師会から、「介護保険申請をすると、即日もしくは翌日には認定調査に入って、意見書も至急取り付けて、直近の認定審査会で審査して、1週間で介護認定ができる体制をとっている」とご報告がありましたが、ほかの市では、なかなかそこまではいかず、認定は約3週間かかり、認定がおりる前に亡くなる人もいて、未認定のまま介護サービスを使っている場合は、患者の自己負担になるか、ケアマネジャーか事業所が負担している。また要支援になる人もいて、区分変更のやり直しがあり、それだけ手間をかけてもケアマネジャーの報酬は同じで評価は低く報われない等々、現状の報告がありました。

先のアンケート調査で、区分変更を行ったときの、最初の認定結果は、要介護1が48.6%、要支援1が25.7%、要支援2が20.0%、要介護2が5,7%でした。その後、区分変更を行った結果、要介護3が39.4%、要介護5が21.2%、要介護4が15.2%と、半数以上が要介護3以上になっています。

私は、がん末期(本当は末期もいらないと思っています)で、介護保険申請をする段階なら、即、要介護3でいくべきだと思っています。ADLの認定調査も必要ないと思います。意見書に、「がんで在宅サービス必要」にチェックしてもらって、それを直近の認定審査会で審査すればいいと思います。

2人に一人が、がんになる時代です。40歳から介護保険料を支払った国民が、いざ使おうとしたら、認定に時間がかかり、また、認定結果が現状に合わないために、十分な介護サービスを受けられないなんて、あってはならないことだと思います。
この問題について、国は迅速に解決してもらいたいです!

*****************************
4月30日後記
介護申請の過程を迅速にできない現状をなんとかしてもらいたいです。
認定調査、意見書、認定審査会のそれぞれの問題を解決してください。
10日間を判定できる仕組みが必要なんだと思います。

4月30日同日に厚生労働省から事務連絡が出ていました
末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について(5月2日ブログ)
*****************************

2010年4月15日木曜日

がん政策サミットで「患者が提案するマニフェスト案」を作成

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

がん政策サミット2010春の総合マニフェストは、「がんになっても不安のない社会を実現するために、当事者の声を反映する仕組みを導入しつつ、すべての国民に、均一化された、最良かつ包括的ながん対策を実施する」です!
ニュースの中から、提出前の記事ですがCBニュース(キャリアブレイン)を紹介します。緩和ケア、在宅ケアともに、マニフェストと施策は、私が入ったグループで強く主張したことが入りました。私は、ほかに「がん登録」の施策も練りました。

がん政策サミットで「患者が提案するマニフェスト案」を作成
(2010年4月12日12:05キャリアブレイン)

日本医療政策機構の市民医療協議会がん政策情報センターは4月10日、11日の両日、「がん政策サミット2010春―患者と議員が作るマニフェスト―」を東京都内で開催した。都府県のがん対策指針協議会などの患者関係委員や、公募によって選ばれた全国の患者リーダーなどが、10日は48人、11日は45人参加。厚生労働省のがん対策推進協議会が9日に長妻昭厚労相に提出した11年度の「がん対策に向けた提案書」などを基に、「患者が提案するマニフェスト案」を作成した。サミットは12日まで開催されており、同日には、サミット参加者が作成した「患者が提案するマニフェスト案」を国会議員に説明する議員勉強会を衆議院第二議員会館内で開く予定だ。

患者主体のがん対策の実現に向けて議論を重ねるがん政策サミットは、昨年5月と10月に続いて今回が3回目の開催。サミット初日の10日、同センター長の埴岡健一氏は、「これまでの会は一生懸命お勉強をしていたが、お勉強止まりのところがあったのが少し否めなかった」と指摘。今回は勉強した内容をまとめて、「最後は国会議員一人一人に渡そうと考えている」と説明した。

「患者が提案するマニフェスト案」は、がん関連の政策の全体的な方向性を盛り込んだ総合マニフェスト案のほか、「緩和ケア」「がん登録」「在宅緩和ケア」など個別の10分野ごとのマニフェスト案と、それらを実現するための優先施策などで構成されている。

10日は、個別分野についてグループに分かれてマニフェスト案を話し合ったほか、総合マニフェスト案について全員で意見を出し合った。11日には、それぞれの優先施策を話し合った。

11日時点の「未定稿」によると、「緩和ケア」のマニフェエスト案としては、「早期に国が緩和ケアに関わる医療従事者などの教育システムを確立し、がん患者と家族が満足できる緩和ケアを受けられるような社会を実現する」としている。また、「在宅緩和ケア」では「国が、年度内に、すべての市町村で、自分らしく生き抜くために、患者・家族が希望すればいつでも受けられる在宅緩和ケアシステムを、新たな法整備等によって実現する」とした。

また、これらを実現するための優先施策として、がん対策推進協議会のがん対策に向けた提案書から、「緩和ケア」では「切れ目のない終末期医療のためのアクションプラン」「緩和医療科外来の充実」などを、「在宅緩和ケア」では「医療法の改正」「介護保険法の改正」などをそれぞれピックアップした。

がん政策サミット2010春 マニフェスト完成


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

がん政策サミット2010春~患者と議員が作るマニフェストに参加をし、月曜日の夜戻ってきました。

この政策サミットは、アメリカ等諸外国の患者団体のロビング活動をもとに、日本で行っているのですが、とても患者を対象にしているとは思えないハードさです。今回、都会組は宿泊はなく、自宅から往復したので、少し疲れました。でも、ここに集まっている人たちは、弱音をはかず、やり抜く力を持っています。毎回ご一緒させていただいて、疲れを見せない強靭な精神に、私もがんばらねば、という気持ちになって帰ってきます。

マニフェストは2日間かかって完成させて、4月12日に議員会館で国会議員の方にお渡しをしてきました。全国のがん患者関係者の願いが入ったマニフェストなので、それぞれの政党のマニフェスト作成に反映していただけると嬉しいです。

私が関わったのは、2つ。

3.在宅緩和ケア
「国が、年度内に、すべての市町村で、自分らしく生き抜くために、患者・家族が希望すればいつでも受けられる在宅緩和ケアシステムを、新たな法整備等によって実現する」

4.診療ガイドラインの作成(標準治療の推進と普及)
「年度内に、国が患者・家族が入った作成普及委員会を設立し、患者家族の視点の反映された診療ガイドラインの作成と普及を図ることで、科学的根拠に基づいた安全で質の高い医療を全国どこでも受けられるようにする」
ほかにも、経済的なこと、相談支援、がん登録、検診、就労など、たくさんのことをまとめました。がん対策が進んでいきますよう、これからもがんばります。

2010年4月10日土曜日

がん政策サミット2010春~患者と議員がつくるマニフェスト

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

明日から3日間、がん政策サミット2010春に行ってきます。
今回はいつもと違い、参議院選挙を意識して
患者と議員がつくるマニフェストです。

千葉県のがん対策委員になってから、ずっとこのサミットには
参加をしていて、先行事例を学んだり、条例の作り方を教わったりしました。

千葉県は、大きな患者会がいくつもあるところで
一つの患者会が、県を代表しているところとは大きく違っています。

ピュアは、緩和ケア、在宅ケア全般に対して意見を述べていました。
でも今回は、会員のがんサバイバーが中心になり、島根県で広がっている
がん患者と家族サロンを5月17日に船橋市で始めるところでもあり
がん対策全般に意見を述べてもいいかな~と思っています。

全国のがん患者委員のみんなと英知を絞り
よい成果が得られますように!
では、行ってきます!!

2010年4月2日金曜日

2010年4月定例会「本音でトーク」のお知らせ

ピュアの活動(会員限定の催し:本音でトーク)2010年4月定例会のお知らせです。

「病とともに生きる―自律訓練法に出会って」
4月17日(土)13:00~16:00(13:00開場、13:30スタート、15:30終了予定)
千葉大学人文社会科学研究科棟3階福祉環境交流センター

会員の本村さんから、ご自身のがん患者体験や自律訓練法に出会ったこと、他の患者さんのために講演会での発表や、病院でのボランティア活動、そして、新たに「がん患者と家族サロン」設立に向けたお気持ちなどをお話いただきます。その後、集まったメンバーでお茶を飲みながら、フリートーク。
昨年度の定例会:本音でトークは、5月(映画)、9月(介護体験)、12月(アロマ)、1月(新年会)、2月(ワーク)、3月(ワーク)でした。2月、3月の「こころを育むワークショップ」は好評だったので、今年度も組み込んでいきますが、対象を限定する予定です。会員の皆様には、5月9日(日)総会(船橋勤労市民センター)にてご説明いたしますね。