2010年6月25日金曜日

グリーフケア研究所が上智大学に移管

藤田敦子のひとりごと(緩和ケア・ピュアの活動)

先日、スピリチュアルケア専門職プログラムを受けに神戸・大阪へ行ったときに初めて知りました。

神戸の脱線事故後の遺族ケアの必要から、聖トマス大学に日本で初めて作られた「グリーフケア研究所」ですが、2010年4月に上智大学へ移管されました。研究所の所管は、当面トマス大学におかれると書いてありますが、ゆくゆくは上智大学に移るのでしょうか?

上智大学グリーフケア研究所のホームページです。

ピュアの7月4日在宅緩和ケア公開講座で講師になっている水野冶太郎氏は、5月17日に行われた記念式典で講演されているんですね。日野原先生や高木先生も講演されたんですね。もっと早く知っていれば行ったのに、残念です。

スピリチュアルケア専門職プログラムのスーパーバイザーの谷山洋三氏や伊藤高章氏も、グリーフケア研究所に関わっているのですね。

終末期医療のあり方に関する懇談会でも、グリーフケアの重要性を取り上げていただきました。そして、今回、がん対策推進計画の中間報告でも触れてあります。
これから、もっともっと、必要になるケアだと、私は思っています。

患者と家族の生き方を支えるチカラ・・その一つにグリーフケアがあります。

2010年6月22日火曜日

がん患者必携が完成!携帯サイトもあります!


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

国立がん研究センターがん対策情報センターからお知らせが患者・市民パネルに届きました。

がん患者と家族が待ち望んでいた
患者必携―がんになったら手にとるガイド、
 わたしの療養手帳
 各種がんの療養情報(16種)

         ついに、完成しました!!

これから、配布や普及について、検討を進めていきますが
どうぞ、自分に必要な箇所をダウンロードして使って下さいね!

このガイド作成に関わった一人として感無量です。
この「患者必携」を医療者と患者・家族の対話のツールとして使って頂きたいと願っています。
そして、患者さんが自分らしく生きる為に、この患者必携が、少しでもお役に立てますように。

【1.患者必携(完成版)を公開しました】
患者必携(完成版)は、がん情報サービスからPDFファイルをダウンロード、印刷することができます。現在、携帯電話で参照できるサイトの公開や冊子体の配布計画について検討しています。詳しくはリンクをご参照ください。
がん情報サービスhttp://ganjoho.jp/
患者必携(完成版)http://ganjoho.jp/public/qa_links/hikkei/index.html

携帯サイト(パソコンではエラーになります、携帯のみ対応)
患者必携のパソコンにバーコードを入れてあります。
http://ganjoho.jp/m2/

【2.がん対策推進基本計画の中間報告が公表されました】
5月16日に昨日厚生労働省から発表された、がん対策推進基本計画の中間報告でも、患者必携を含めたがん医療の相談支援・情報提供について、触れられています。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html

「がん医療に関する相談支援および情報提供(進捗状況)より」
がん患者にとって必要な情報を取りまとめた患者必携については、がん対策情報センターが平成21年6月試作版を作成し、患者等の意見を反映し、修正を加えた上で、平成22年度から、がん対策情報センターのホームページに掲載するとともに、配布を開始する予定である。

(今後の課題等に係るがん対策推進協議会の意見)
がん対策情報センターが作成するパンフレットの種類は着実に増加しており、また、パンフレットや患者必携等はホームページに掲載され、誰でも入手可能となり、情報提供が進んでいる。今後は、患者が必要とするがん情報や提供方法を定期的にモニタリングすることにより、提供する情報や提供方法を見直すことが重要であり、これに伴い情報提供に関する指標の再検討が必要である。そのためには、患者や国民の視点に沿った情報や提供媒体を増やすため、情報の作成プロセスに、患者及びその家族を始めとする国民の意見を取り入れる活動を推進すること、がん対策情報センターの提供する「がん情報サービス」ホームページの認知率をあげることが重要である。その際、がん患者の意向を踏まえると、住み慣れた家庭や地域での療養を選択できるようにするための相談支援及びその情報提供を行うためのサポートセンターの設置並びに地域の療養情報の提供が重要である。

2010年6月20日日曜日

第15回日本緩和医療学会学術大会に参加して

リポーター陽子のがん情報
2010年6月18~19日、東京国際フォーラムで開催された「第15回 日本緩和医療学会学術大会」に、NPO法人キャンサーネットジャパンの「学会へ行こう スカラーシップ」というプログラムで、参加してきました。

医療者でも福祉関係者でもない一般市民が、医療の学会へ参加なんて場違いではないかと不安な気持ちを抱きながら会場へ。でも、参加するシンポジウムやパネルディスカッションは、興味深い事ばかりで、とても刺激的な二日間になりました。

今日は、全体を通して感じたことを書いてみたいと思います。

18日午後のシンポジウム「遺族による緩和ケアの質の評価―J・HOPE研究から見えてくるもの―」では、患者として、一市民としての気づきがありました。
それは、緩和ケア病棟の患者さんが亡くなった後にご家族に「グリーフカード」を送付するというお話を聞きながら「そういえば、3年前に父を看取った時、お葬式が終わり落ち着いた頃、病院からグリーフカードではなく、請求書が来たな」などと思っていました。その時「ご家族にお送りしているけれど、ご家族はどのように思っていらっしゃるのか……」というパネリストの声が聞こえてきました。その声にどきっとしたのです。そして、医療者や病院がしてくれる心遣いに、私たち患者や家族は「ありがとう」の一言を伝えていないのではないかという事に気づいたのです。

医師と患者のコミュニケーションというと、医療側ばかりに非があるように語られる事が多いのですが、私たち患者や市民も、心を尽くして医療者と対話できているだろうか、とちょっと反省したのでした。

19日の午前には、楽しみにしていた「非悪性疾患の緩和ケア」というシンポジウムに参加しました。そこで聞いた「がんだけに緩和ケアが必要なわけではない」「高齢者の場合、いつからが終末期かがわからない」という事は、父を介護した家族の実感としても思っていたこと。また「悪性疾患と同様、早い時期からの緩和ケアが必要。“要介護”と認定された時からの緩和ケア」という話には、高齢となり健康上の不安からドクターショッピングのようなこともしていた父の姿を思い浮かべ、超高齢社会の今、一刻も早く、この考えが臨床の場で活かされる事に期待したいと思う。

午後のパネルディスカッション「実証研究から見るスピリチュアルケアの方向性」では、5月から始めた「船橋がんサロン」の運営のヒントとなる話でした。

このパネルディスカッションの「がん患者サロンにおける患者の「語り」を患者が「聴く」ことの意味」という発表では、患者が自らから病を語ることの意味、それを患者が聴くことの意味、そして「患者会」とは違う「がんサロン」というものです。

患者や家族が語り合うことの意味についての哲学的考察を聞くことができ、がんサロンへの思いを新たにすることができました。







2010年6月14日月曜日

がん難民を作らない―国立がん研究センターの使命

藤田敦子のひとり言(がん対策)

国立がん研究センターのホームページに新しい動きを発見!

理事長あいさつ
新生国立がん研究センターの新たな取り組み
がん専門相談員や新しい外来が入りました
組織図
情報公開(治療成績)

なかでも必見なのが
理念・使命

理念
1.世界最高の医療と研究を行う
2.患者目線で政策立案を行う

All Activities for Canser Patients

職員の全ての活動はがん患者の為に!


使命1.がん難民をつくらない
“がん難民”とは、がんが進行して抗癌剤等の積極的な治療が受けられなくなり、主治医から見捨てられたと感じるときや、現在自分が受けている医療に満足できないと感じるときに使われる言葉です。患者と医療スタッフとのコミュニケーションや情報共有の不足も原因のひとつです。
1.医師・看護師・がん専門相談員を含む医療スタッフと患者とのコミュニケーションと情報の共有
2.最先端治療・治験などの情報提供
3.がん治療の標準治療と現在のがん治療のリスク・ベネフィット限界についても説明
4.治療開始時から、緩和ケアについて説明
5.緩和病棟の新設
6.地域の病院・緩和施設・在宅緩和ケア医との連携
7.現代医学では治療困難な患者に対する運動・栄養療法(代替療法)の開発と情報の提供

使命2.調査 
  日本のがん患者の実態把握
使命3.研究 
使命4.技術開拓
使命5.先進医療の提供
  国立がん研究センターでしかできない治療など
使命6.教育
  がん医療や研究でリーダーとして活躍する人材を育成する
使命7.政策立案
  がんの専門家集団としての政策提言
使命8.国際がんネットワーク

がん患者必携の必携普及啓発ツール検討班のひとりとして、患者・市民パネルとして、ワクワクした2年になりそうです。
限られた病床数のなか、本当に、がん難民を作らないことができるのか、地域とどう連携をしていくのか、目を離さずに見守っていきます!

2010年6月12日土曜日

国立がん研究センター新たな動き

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

6月9日に国立がんセンターがん対策情報センターで患者・市民パネル100人の委嘱状交付式があり、行ってきました(がん対策情報センター:左・渡邊様、右・若尾センター長補佐)。現在公開されている「がん情報サービストップページ」


一番の関心は、国立がん研究センター理事長に就任された嘉山新理事長がどんなビジョンを言われるのか。そして、次は、がん患者必携が、どこまで配布可能になっているかでした。

嘉山理事長は、闘志満々という印象で、「日本のがん医療を世界一に」と言われていました。
次の日に、記者会見が行われました。

嘉山理事長は、「患者の目線」に立った政策立案が重要だと強調。「患者のベネフィットがある登録制度にすれば、(患者も)協力してくれるはずだ」と述べ、3-4割にとどまっている登録率の向上に期待感を示した。現在は厚労省と登録内容について検討している段階と説明し、1年以内の運用開始を目指すとした。会見では、このほか、理事長就任後の約2ヵ月間の新たな取り組みについて説明をした。がん専門相談員が患者の相談に応じる「がん相談支援センター」では、従来は同センターを受診している人や、がん検診の受診を考えている人の相談にも応じる。また、診療の内容・実績や抗がん剤の治験情報のホームページ上での公表を始めた。

患者・市民パネルの席上で、私は「患者が一番知りたいのは、どんな治療があって、どこでそれが受けられるか」と発言しました。「がん患者必携に掲載されている順に、ホームページに載せて学会の情報へリンクしていく形がいいと思う」とも。これから2年間、患者必携をどう皆様のお手元に届けることができるか、また、がん対策情報センターの発信する内容等に意見を述べていきます。

がんになってもひとりぼっちにならない社会。
医療者と患者・市民が手を携えて、一緒に作っていきたいですね。
そして、医療だけでなく、コミュニティ全体で! それが私の夢です。

2010年6月9日水曜日

昨年のがんによる死亡者、過去最多を更新

リポーター陽子のがん情報
2010年6月7日、キャリアブレインのニュースによると、昨年のがんによる死亡者数は前年比991人増の34万3954人と過去最多で、1981年以降、死因順位の1位になっているとか。

この記事にも「がん対策推進基本法で、がんによる死亡者を減少させることを掲げている」ことが書かれています。
がんによる死亡者数を減らすためにも、がん検診は重要で、この基本法でもがん検診受診率50%を目標に掲げています。

厚労省のがん対策推進協議会の5月28日の議事録には
平成21年の世論調査で、97%の人ががん検診は重要であると回答しているとあります。
でも、がん検診受診率50%の目標は、未だ達成できていません。

思っているのに、実行に移せないのは、何故か。
実行に移さないのは何故か。

これまた、今までも繰り返し言われていることですが
休めない職場環境や、がんの知識がないことから、受診に結びつかないのではないでしょうか。
休めない職場環境の中には、先のこがん対策推進協議会議事録に、次のような事が書かれています。
「がん検診が労働安全衛生法で義務づけられていないから、職場で積極的にがん検診を勧めない」ことが理由の一つとして上げられています。

これは、とっても悲しい理由だと思いました。
そして、このような事が理由に上げられることこそ、がんの正しい知識が普及していないことの現れだとも思いました。

また、がんは怖い……その思いからがん検診に足が向かない人はいらっしゃいませんか?
確かに、がんは怖い病です。
でも、早期発見・早期治療により、怖い病ではなくなるのです。
がんは「怖い」というよりは、「侮れない病」というのが、患者になっての私の感想です。

がん検診に行きましょうね。

2010年6月6日日曜日

全国に広がるがん対策条例!

藤田敦子のひとりごと(がん対策)


参議院議員選挙が気になる今日この頃、各地のがん対策委員から
「6月の議会で、がん条例ができます」という威勢のいい声が聞こえてきます。
現在できているのは,
島根県、高知県、新潟県、神奈川県、長崎県、奈良県、徳島県、愛媛県
市町村で、島根県出雲市、和歌山県岩出市
今、条例づくりに動いているのは、
秋田県、岩手県、群馬県、岐阜県、京都府、鳥取県、鹿児島県、沖縄県
がんナビニュースが条例の報告を流していました。
あ~あ~、千葉県はどうなってしまうんでしょうかね~。

みんな知っています?本当は一番のはずだったんですよ。
千葉県にがん対策推進条例を  がん条例第二弾


この条例を作ろうと、全国で動いているのは
月1回の定例会を開催を主にしている患者会が中心なんです。
議会や医療者や行政や、あいさつの連続で大変な作業なんです。

ピュアみたいに、定例会やって、がんサロンやって、病院でボランティアやって、200名の講演会準備をしているみたいに同時進行で、事務局が5つもかかえている組織はありません。
一番乗りのはずが、一番ビリになるのかしら・・。
それでも、できればいいけど・・・。最後までできなかった県と言われたりして・・。

ほかの活動すべてやめて、がん対策条例を作る動きに没頭するのと、
今やっている活動を一生懸命やっていくのと
千葉県の皆さんはどっちがいいですか?
ときどきね、すべてやめて
まっさらになって、がん条例を作ることに集中したいと思ってしまうんです。
ほかにも、全国で可能にしていることをやってみたいと思ってしまうんです。
大切な6月。この6月をどう動いたかで、来年が決まってしまう。

がんナビに、条例を作るとどんなにいいことがあるか、そしてあなたにできることが書いてありました。このブログを読んでくださっている「あなた」。動き始めてみませんか?

都道府県委員も、議員活動なんて、やったことがない人ばかりでした。それでも一つずつ、可能にしています。きっと、あなたにもできるはずです。

さて、私は6月13日の「心を育むワークショップ」、6月14日の「船橋がんサロン」、7月4日の「在宅緩和ケア公開講座」、この3つの事務局をやらなくては。とくに、7月4日は、定員200名ですから、力が入ります。皆様、参加申し込み、お待ちしております。

千葉県にはたくさんの力があるんだもの。きっと、条例を作る動きも出てくるはず。うん。まずはのどの炎症を治して、元気を出して、明日もがんばろう!

2010年6月5日土曜日

心を育むワークショップ2010

NPO法人ピュアは、「自分らしく最後まで生きたい、暮らしたい」と、
どこに住んでいても、いつでも、ホスピスケア(緩和ケア)が届くように、知識を深め、広めて、手足になって、意見を伝えて、がん患者と家族の在宅療養を支援する活動を行っております。

今回の企画は、会員限定企画です。4回を一つのセットとしています。
「誰かをサポートする」家族を介護する、またしていた。患者を患者がサポートする・・・。
会員同士が、こころとからだをリフレッシュし、お互いの胸の内を語りあえるように、年4回を通してワークショップを開催いたします。フリートークの時間を設けています。

NPOピュア 心を育むワークショップ2010

①6月13日(日) カラーワーク等
②9月12日(日) ゲシュタルト・セラピー等
③12月12日(日)SGEワーク等
④3月13日(日) コラージュ・ワーク等

場所:千葉大学(西千葉)人文社会科学研究科棟3階福祉環境交流センター

詳細は、ピュア事務局pure-jime@wind.sannet.ne.jpへご連絡ください。

2010年6月2日水曜日

がん緩和ケア:患者と家族の生き方を支えるチカラ

がん緩和ケアは、患者と家族(遺族)の「苦悩」に向き合うことが大切です。
長年、「苦悩」に向き合ってこられ、「痛みの分かち合い」を行ってきた水野氏より、「グリーフケアの先にあるもの―人間の成熟性」についてお話しいただきます。「悲嘆が悲嘆を癒す働き」に「苦悩を生きるチカラに変える構成主義・ナラティブアプローチ」を加えられ、実践を始められています。

後半のパネルディスカションでは、緩和ケア病棟と在宅との連携や支援組織の働き、実際に家でみとられたご家族よりお話をいただきます。

在宅緩和ケアを考えている方、安心して家で暮らし続けたいと思っている方、またケア提供者のご参加をお待ちしております。事前申し込みは6月30日まで。
参加者に、「在宅療養を支えるすべての人へ」を1冊贈呈します。

第16回在宅緩和ケア公開講座
「患者と家族の生き方を支えるチカラ」

平成22年7月4日(日) 13:00~16:00
千葉大学(西千葉)法経学部105教室
参加費:無料、定員:200名

基調講演 水野冶太郎氏(麗澤大学名誉教授)
「グリーフケアの先にあるもの

パネルディスカション
渡辺 敏(千葉県がんセンター緩和医療科部長)
浮谷勝郎(浮谷クリニック院長)
藤田敦子(千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)
患者家族(御家族を家で看取られた体験者)

詳細は、NPOピュアホームページにて