2010年3月29日月曜日

臨床スピリチュアルケア協会専門職プログラム

藤田敦子のひとりごと(緩和ケア)

2010年3月21日~26日に、大阪にて
臨床スピリチュアルケア協会主催の専門職プログラムPSCC8に参加してきました。

臨床スピリチュルケア協会がどんなことをやっているのか
まったく知らないまま、
代表が、窪寺俊之先生であること
伊藤高章先生が関わっておられること
事務局長が谷山洋三先生であること
ま、それだけで十分かなと思いました、

日本ホスピス・在宅ケア研究会高知大会で伊藤先生の講演を聞き、興味をもちました。
それ以上に、千葉大会の開催前後に起こった嵐がやっと去った今、私自身の振り返りをしなければ、これから先、一歩も前に進めない気がしていました。

ずっと昔から、自分自身を悩ましていた数々の体験、私は相手の心の動きを感じているのに、そこにいる誰一人、同じように受けていないこと。自分がおかしいのか、それとも、人一倍感受性が強いのか。援助者として向き合っていける素質が私にあるのか?遺族体験が私を苦しめることにならないか。

たくさんの不安をかかえながら、6日間の研修を過ごしてきました。
準備の段階で生育歴や家計図を作りながら、すでに振り返りは始まっていました。
そして、病院で、患者さんとご家族に向き合うことを行なってきて、スピリチュアルケアとは、「聴く」のではなく、「話をしてもらう」のだとわかるようになりました。

聴くのは、聞き手が主導的ですが、話をしてもらうのは、患者・家族が主導権を握ります。話をして頂くにしても、聞き手が真剣に向き合わなくては、意味をなしません。言葉を使うのではなく、感情に触れていくのです。だから、技法はいりません。技法ではなく、相手に真剣に向き合えば、心の叫びを受け止めることができます。アドバイスをしなくてもいいのです。ただ、寄り添っていくのです。

通り道をして、最後の最後に、上記にたどりつきました。
そして、自分は、人一倍、感受性が強いのだということもわかりました。このことがわかったことで、私は二度と不安になることはないでしょう。自分の感性を信じていけます。

いま、幸せのベールに包まれています。

病気を抱えて生活する想い、入院して考えておられること、人生の意味、などなど、諸外国ではチャプレンがいて受け止めてくださいますが、日本にはほとんどおられません。
もっと多くの臨床の現場で、スピリチュアルケアを行える人材が育っていくといいですね。
病院で実際に患者・家族の思いを受け止めた今、ニーズは無限にあると感じています。

2010年3月20日土曜日

代替医療って何?

リポーター陽子のがん情報

今週の、パルシス テム・セカンドリーグの公式ブログ
「代替医療って何?」です。

(私は、パルシステム(生協)のセカンドリーグというところで
リポーターをしています。
そこで「誰でも通る延命治療・終末期医療」と題した
ブログを書いています。)

そして、本日(2010年3月20日)
午後10時から、NHK追跡 AtoZで
代替医療の話題が取り上げられます。

ところで、先週のセカンドリーグブログに
コメントの書き込みがありました。
その方のお名前が、なんと「肺癌」さん。
さっそくその方のURLへいってみると
医学的な肺癌情報満載のページ。
でも、各頁の一番下に
「がんが完治」するかのような文章があり
リンクがはってあります。
そのリンク先にいってみると
食事療法についての本か何かの案内ページでした。

長々と書いてある文章は
エビデンスや科学的根拠、分子などという言葉をちりばめたり
患者の不安な心をくすぐるような事が書いてあります。

何か大きな“クエスチョン”が残るページです。
困ったもんです。

2010年3月18日木曜日

免疫療法について

リポーター陽子のがん情報

「免疫療法」は、本当にがんに効くのか……
という話を聞いてきました。

日常「免疫」という言葉を聞いたり、話したりします。
病院の待合室でも「免疫力をあげる」などという
本を読んでいる人を見かけたこともあります。
日常的によく使う言葉だけれど
本当にわかっているのかというと
はなはだ、怪しくなってきます。
で、その時の話も、とっても難しく
理解できたとまではいきません。

でも、確かなのは
抗体療法といわれるもの以外で
有効性が確かめられている免疫療法はない
ということでした。

で、抗体療法とは何かというと
乳がんのトラスツズマブ(ハーセプチン)
悪性リンパ種のリツキシマブ(リツキサン)

大腸癌のセツキシマブ(エルビタックス)にベバシツマブ(アバスチン)

2010年3月16日火曜日

「ドラッグ・ラグ」と「コンパッショネート・ユース」

リポーター陽子のがん情報

ドラッグ・ラグとは
欧米で承認されている医薬品が、我が国では未承認であること。
開発から承認までに要する時間についての調査(日本製薬工業協会)では
米国と日本では平均2.5年のドラッグ・ラグがあるとのこと。

そんな中で、問題になってくるのが「個人輸入」。
欧米で承認されている医薬品を
個人の責任において輸入することは
法的に禁止されていません。
昨今のインターネットの普及に伴い
氾濫する医薬品輸入代行の広告による
安易な個人輸入による健康被害が発生しています。

そこで「コンパッショネート・ユース」の制度の導入が
日本でも必要ではないかと言われています。
やむを得ず未承認薬を使用するコンパッショネート・ユース。
欧米では、重篤な疾患で代替治療法がない場合など
患者や主治医がその責任下において輸入することを制度として認めています。

厚労省の
「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」の報告書(平成19年7月27日)でも
検討すべきではないかとされています。

また、卵巣がん体験者の会スマイリーの代表・片木美穂さんは
次のような「日本版コンパッショネート・ユース制度」を提案しています
それは
「例えば学会が使用を要望しているなど
高い必要性と信頼性が求められる医薬品であれば
先に保険償還する。
保険償還とすることで
医師が療養担当規則(保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的な規則を具体的に定めた厚生労働省令)を破ることなく
混合診療の問題にもならない配慮を行い、販売した費用と集めたデータをもとに承認申請をするような仕組み」
だそうです。

参考:厚労省有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会・報告書

「がん臨床試験と患者の視点」2009年12月号

厚労省の報告書が、平成19年(2007年)。
スマイリーの情報誌は、2009年12月号。

う~ん、一日でも早く
患者さんたちに朗報が届けられることを
祈りたいと思います。

そして、少しでも社会の関心が高まるよう
な情報提供ができればと
微力ながら思っています。

2010年3月15日月曜日

どんなときでも命は輝く~訪問看護師秋山正子

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

在宅医療の要と言ったら、医師とともに看護師の存在が大きいです。
その訪問看護師の草分け的存在である秋山正子さんが
NHKのプロフェッショナルに出演されます。
在宅医療ってなに?、訪問看護師って何をする人?
そんな方は必見です。飾らないその姿は、まさに職人です。
ご本も出されました。3月20日にサイン会もあります!
「在宅ケアの不思議な力」医学書院 1470円

3月16日(火)22:00~22:48 NHK総合
再放送 318日(水)深夜2:45~3:35 NHK総合

番組名「プロフェッショナル ~仕事の流儀」
どんなときでも、命は輝く ~訪問看護師・秋山正子

終末期のがんや神経難病、老衰。
重い病などを抱えながらも、退院して自宅で暮らしたいという人々を支える、訪問看護師のパイオニア的存在、秋山正子(59)。
20年近く新宿区市ヶ谷の周辺で、150名もの在宅療養の人々を回り続けている。人々を希望で照らすその姿から、「市ヶ谷のマザー・テレサ」と呼ばれる。【中略】

秋山が最も大切にするのは、自宅で療養する人々が、今、生きている喜びを味わえること。
人は、どんな困難の中にあっても、今この瞬間を輝き、喜ぶことができると秋山は信じている。
番組では、さまざまな人々の人生と向き合う、秋山の日々に密着する。進行した胃がんを抱えながら、残された日々を家で暮らしたいと願う一人暮らしの男性。老衰の父親と、それを支える娘。
都会の片隅で繰り広げられる、きずなのドラマを描いていく。

2010年3月11日木曜日

がん拠点病院 条件を見直しへ NHK

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

NHKニュースで、
第12回がん対策推進協議会において、拠点病院の指定条件見直しが話し合われました。
私たちが目指したのは、均てん化。どこに住んでいても、標準治療が受けられるように、こころのケア、相談を受けられるようにと願っていました。
これからですね。

がん拠点病院 条件を見直しへ (動画。早く見ないと見れなくなりますよ)

がん治療の地域格差をなくすために国が高いレベルの病院を各地に指定する、がんの「拠点病院」について、国のがん対策推進協議会は、医療態勢を整備できず指定から外れる病院が相次いでいるとして、指定条件の見直しを進めていくことになりました。

「がん診療連携拠点病院」は、肺がんや胃がんなど患者の大5つのがんについて、手術や抗がん剤、それに放射線の治療ができるなどの条件を満たせば補助金などで優遇を受けられるもので、がん治療の地域格差をなくそうと国が整備を進め、これまでに375の病院が指定を受けています。ところが、これらの病院のうち、高額な放射線治療装置の購入や専門医の確保など条件を満たせなくなった病院が最近相次いで指定を返上していて、4月以降、拠点病院のない地域が全国で117か所にまで増えることがわかりました。こうしたことから11日に開かれた国のがん対策推進協議会では、指定条件の見直しを進めていくことになったもので、高額な放射線装置を購入しなくても同じ地域にある病院と連携し、患者が必要な治療を受けられる場合には拠点病院として認めることや、肺がんや胃がんなどすべてのがんの治療に対応できなくても、例えば乳がん専門の拠点病院として指定をうけられるようにすることなどを検討することにしています。協議会では、来年4月以降の指定については、新たな条件で行いたいとしています。協議会のメンバーで、日本医療政策機構の埴岡健一理事は「機械があるかないかなど形式的な基準だけでなく、病院どうしが連携して患者の治療を支える仕組みがあれば指定を受けられるなど、治療の内容を評価して、地域に応じた柔軟な制度に変えていくべきだ」と話しています。



2010年3月5日金曜日

がん治療に遠隔診断  県がIT活用戦略案

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

日経新聞 平成22年2月25日に下記が載っていました。
ITにより、県内どこに住んでいても、最適な治療が受けられるようになるといいですね。

平成22年2月25日 日経新聞

がん治療に遠隔診断 県がIT活用戦略案

千葉県は県政にIT(情報技術)を活用する戦略案をまとめた。がん治療に遠隔診断を取り入れるほか、外国語版のサイトで県の観光情報を発信する。インターネット経由でソフトウェアなどを使うグランドコンピューティングの活用も盛りこんだ。
 
計画は2010~12年度が対象となる。がんの遠隔診断では県内の医療機関と、がん診療の拠点病院をネットでつなぐ。地域の医療機関で撮ったコンピューター断層撮影装置(CT)などの画像を、ネット経由で拠点病院の医師が診断。どこでも高度な医療がうけられうようになる。

(後省略)

2010年3月2日火曜日

がん患者7割 費用負担大きい NHKニュース

藤田敦子のひとりごと(がん対策)
11月19日にがん患者・家族の意識調査をお願いいたしましたが、その結果が公表され、NHKがニュースとして取り上げました。


がん患者7割 費用負担大きい 3月1日 4時35分発信

がん患者とその家族のおよそ70%が治療にかかった費用の負担が大きいと感じ、なかには経済的な理由で治療を断念している患者もいることが、NPO法人の調査でわかりました。

この調査は、医療政策などを研究しているNPO法人「日本医療政策機構」が、去年11月から12月にかけて、さまざまながんの患者団体に依頼して行ったもので、患者とその家族など1618人から回答がありました。それによりますと、がんの治療にかかった費用の負担について、「とても大きい」、「やや大きい」と回答した人はあわせて71%に上りました。さらに、全体の7%は、経済的な理由で治療そのものを断念したり、受けたい治療をあきらめて別の治療を選んだりしていました。また、治療の悩みで最も多かったのは「不安や恐怖」など精神的な悩みで全体の64%、次いで「副作用や後遺症」など肉体的な苦痛で60%となっている一方で、痛みを和らげる「とう痛ケア」を受けたことがないという回答が59%に上りました。このほか、全体の5人に1人にあたる20%が治療には「満足していない」と回答しており、日本医療政策機構は「がん患者と家族が抱えるさまざまな苦痛を和らげてがん医療を充実させていくことが今後の課題だ」と指摘しています。