2010年12月29日水曜日

仕事納めに感謝!

藤田敦子のひとり言(ピュアの活動)

今日はどこも仕事納めですね。
以前私は、年中無休の場所で仕事をしていました。
正月もGWも関係なく、誰かが必ず仕事場に出ていました。

普通のサラリーマンや行政マンたちは
今日が仕事納めかもしれないけれど、
今も、一生懸命で仕事をしている人たちがいる。
そのことに感謝したい。

私たちの生活を、いのちを守るために
がんばってくれている人たち。
ありがとうございます!!

さあ、今年もあと3日。
いろいろとあったけど、また新しい年が始まりますね。

どんな年になっても、自分を見失わず、前を見て進んでいきたい。
生きたくても生きることができなかった人たちの思いを胸に
新しい夜明けを迎えよう。

来年のピュアの活動は、
1月9日(日)が、千葉大学福祉環境交流センターで『新年会』
1月24日(月)、2月7日(月)、がん患者・家族サロン「ここにおいでよ」
2月20日(日) 千葉市文化センターで千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム
3月13日(日) 千葉大学福祉環境交流センターで「心を育むワークショップ」
毎火曜日・金曜日が、千葉大学福祉環境交流センターで電話相談
毎月曜日・木曜日が、船橋市立医療センターで外来・ホスピスボランティア
それ以外に、がん患者の介護保険調査、がんサロン調査がある。
船橋市立医療センターでも、がんサロンが始まるはずです。
国立がん研究センター情報センターから、がん患者必携も出るはず。

よし!がんばっていきましょう!

2010年12月24日金曜日

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

12月22日は、がん対策基本法を作った山本孝史さんの三回忌にあたる。奥様のゆきさんからメールを頂き、山本孝史さんのいのちをかけた58年をつづった「兄のランドセル」の出版記念が虎ノ門であり、会場へ行った。その日は夜に別件があり、残念ながら、講演会には参加できなかったが、1月販売で、まだ手に入れることができない本を買うことができた。

表紙にいのちをかけてがん対策基本法を成立させてくれた山本孝史さんがいる。最後のいのちを振り絞りながら、がん対策推進協議会にも出て、患者・家族委員からへアドバイスを送っている姿を私は何回も見ている。「自分には時間がないんだ」そうしきりに言っていましたね。

あの時、私たちも、真剣だった。忙しい時間の合間に、国会議員の元へ行きました。今の現状を知ってもらいたいとお願いをしていったのです。私は最後の最後、がん対策基本法をまさに作るときの参加だけど、彗星のように現れた山本孝史議員とお話しできた幸運に感謝しています。
この本には、山本孝史さんからのいのちのメッセージがいっぱい詰まっています。「命を守るのが政治家の仕事」と山本さんは言います。生きていたらとどれほどの人が思っていることか、本当に残念で仕方ありません。山本さんが目指したのは、『誰もが人間らしく生き、ふつうに暮らすことができる社会』です。今、私たちが会いたい政治家は、山本孝史さんでしょう。同じ志を持つ人が出てきてほしいものです。

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語
 山本ゆき著 朝日新聞出版 定価1,575円(税込)

がんサポートという雑誌の最新号に、尾辻先生の対談記事が掲載されています。見出しには、「発言の場があるのに、なぜ患者は力を発揮できないのか」「患者は文句を言うだけではダメ。政治を変えるのは命がけの訴えと力が必要」とあります。先輩がん患者たちの命をかけた行動が、山本孝史さんを動かし、そして法案成立に命をささげられました。そのバトンを受け取る人は、全国の命の叫びを、命をかけて伝えていく人だと、私は思っています。
ぜひ、山本孝史物語を読んでくださいね。

2010年12月21日火曜日

第6回終末期医療のあり方に関する懇談会報告書

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

まさか自分が関わると思っていなかった厚生労働省の「終末期医療」。
平成20年3月に調査を行い、やっと報告書がまとまりました。

この問題を、「尊厳ある生き方を貫くための検討会」と思い込んでいた自分は、本当にバカだったと思います。懇談会で発表することになり、改めて歴史を学んでみると、アメリカのカレン事件、ブービア事件後の延命治療の中止と患者の意思決定、どちらかというと安楽死について話し合っていたのでした。

そして、平成3年におこった東海大学附属病院事件で、がん末期患者に対し、医師が家族に望まれて行った行為が殺人罪に問われたことで、一気に治療の不開始、医療の中止の問題になりました。この事件のときに「安楽死4要件」が出ています。
その後、いくつかの事件が起こり、患者本人の意思リビングウィルを法制化する動きになっています。

平成18年に富山県で起こった「人工呼吸器取り外し事件」を契機にして、「尊厳死」のルール化の議論が活発になり、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を策定しました。
この事件とがん対策基本法との動きを知る人は少ないけど、富山の事件が、緩和ケアを後退させて、当初、がん対策基本法では小さな扱いになっていて、私たち患者関係者は緩和ケアの文字を入れてもらうために戦いました。本当に山本孝史さんがいなければ、今の緩和ケアはありませんでした。

そして今回、がん対策基本法以後、はじめて患者側のヒヤリング(私も発表)も行われ、話し合いを進めてきました。今までと違う形で、終末期医療のあり方に関する懇談会報告書を作ることができたと思っています。どこが今までと違うのか、前回の報告書と比べてくださいね。

今回の報告書で強調している項目は下記です。
1.終末期のあり方を決定する際のプロセスの充実とリビング・ウィルについて
2.終末期医療に関する患者・家族と医療福祉従事者間の情報格差
3.終末期医療体制の整備と医療福祉従事者に対する知識の普及
4.緩和ケアについて
5.家族ケア・グリーフケア

そして次回調査・議論への提言としては、調査の内容、調査対象者の範囲や用語の適切な使用、終末期医療の新しいニーズに適した調査項目を検討することにしました。また、「次のときには、課題を絞って議論をして具体的な方向性を示すことが期待されている。そして、少子高齢化を迎え、医療機関のみでなく、地域社会を念頭に置いた議論を深めていく必要があります」、とまとめられています。

諸外国では、緩和ケアは、がんだけでなく、ALSや高齢者などに広がりを見せています。
日本はやっと、「緩和ケア」が動き出したところ・・・・。なんだか、目の前がクラクラしてきますが、次回に向けて、一歩一歩、前進あるのみ、がんばっていかなくてはと決意を新たにしました。
今回、「暮らしを支える視点」や「家族ケア・グリーフケア」を入れることができ、本当に嬉しいです!

2010年12月18日土曜日

国会がん患者と家族の会が再起動

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

がん対策基本法の生みの親である山本孝史さんの三回忌12月22日を前にして、超党派でつくる「国会がん患者と家族の会」(代表世話人尾辻自民党参院議員)が、12月15日に総会を開きました。
来年度のがん対策予算やがん対策基本計画の見直しがありますね。

患者関係者は、国のがん対策の委員を中心に、日本癌治療学会での発表メンバーが参加をしました。
議員からは、がん対策基本法の際に積み残した「がん登録」に対して、言及があったようです。また、協議会の位置づけの確認、そして、患者側からは、相談支援センターの認知度の不足、緩和ケアの地域格差、経済問題、ドラッグ・ラグ、リレーフォーライフの寄付のことなどを指摘しました。

これから、集中審議もありますし、緩和ケアも専門委員会が開催されますから、十分問題を出し合って、どうしたら解決できるか、どんな施策が必要なのかを検討していけばいいですね。
問題はだれを参考人に呼ぶのかでしょうか。問題をちゃんと指摘できる人を呼ばなくては意味がないと思います。

関連記事が、CBニュースの記事から見れます。
「がん登録、制度化の必要も」-超党派がん議連が意見交換

また、私が参加させて頂いている
『終末期医療のあり方に関する懇談会』報告書も出ました。

ここでは、ずっと「緩和ケア」のことを話し合っていますが
やっと、「緩和ケア=末期」という概念を崩すことができました。
でも、もっともっと、前に進めなくてはいけませんね。がんばらねば!

2010年12月9日木曜日

2010年12月12日心を育むワークショップを開催

藤田敦子のひとり言(ピュアの活動)

会員限定の催しです。
がん患者を介護している家族や遺族を対象しています。
上記以外の会員の方は、参加可能か事務局へお問い合わせくださいね。

2010年12月12日(日)13:00~16:00
千葉大学福祉環境交流センター(人社研3階)
「心を育むワークショップ」
内容:最近あったこと、いいことさがしなど
    シュアリング、フリートーク
料金:有料(会員価格)

3か月に1回、開催しています。
なんとなくやる気が起こらない・・など、ほんの少し、心が風邪をひいている状態のときに、自己に気づくことも大切ですよね。フリートークの時間も入れていますので、患者の介護で疲れた心をリフレッシュしにいらしてくださいね。

2010年12月4日土曜日

静岡県がんセンター抗がん剤・放射線治療と脱毛や食事

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

静岡県がんセンターの「がんの社会学」に関する合同班会議に行ってきました。

Survivoorshuip(サバイバーシップ)で
抗がん剤・放射線治療と脱毛ケア が公開されています。以前には、
抗がん剤・放射線治療と食事の工夫 が好評でした、出版もされています。
また、新しく、胃がんになったご主人を支える奥様のブログという架空のブログ方式で、がんになった後の情報を伝えています。なかなか、ユニークな試みでわかりやすいですね。
リンパ浮腫も近日公開予定だと言われていました(追記:公開されました)。

今回、患者会からの報告に私も発表しました。千葉県の社会資源調査の結果を一部報告と、千葉県のがん患者等の意識調査結果で、拠点病院のがんサロンや相談支援センターが、患者会などに関わっている人でも65%ぐらいの人は知らないという結果を伝えました。病院の中だけで行っているから情報が届かないのだと思います。「サテライトを患者会や他の機関と一緒に作って行ったらどうでしょうか」と提案しました。相談支援センターに十分なスタッフがいれば可能ですが、一人でがんばっているところもありますし、なかなか国が考えているようには機能しませんね。
追記:803件中、拠点病院内にがん患者サロンを設置していることを「知らない」551件(68.6%)、がん相談支援センターをご存知ですかに対し「知らない」513件(63.9%)

そんな中、三重県がん相談支援センターの取り組みはすばらしかったです。もともと、県内にがんセンターがなくがんになった人のために「相談窓口が必要!」という話になり、平成14年に「がん患者生活支援事業」が日本対がん協会三重県支部に運営委託をされました。三重県の津総合庁舎内 保健所棟1階にあり、常勤が3名、非常勤が1名、サポーター(ボランティア)が42名で行っていて、がん相談、情報交換・交流の場(サロン)、情報提供、相談員研修、サポーター研修の5つが柱になっています。年間500件の相談があり、拠点病院と違っているのは、不安な気持ちや、医療者との関係、患者会・ピア相談、経過報告(グリーフケア)があることです。

こういう拠点が、あるといいですね。三重県は186万の県です。660万の千葉県には千葉市(県がんセンター、千葉大学などあり)、東葛北(国立がんセンター東病院あり)そして東葛南の3か所にはほしいですね。対がん協会は、リレーフォーライフも始めましたし、こういう地域での取り組みをしているところもあるんですね。う~ん、垣添会長に、全国に広げてもらいたいですね。

2010年12月2日木曜日

高額療養費―医療費負担軽減見送り

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

「抗がん剤等の治療費が高くて続けていかれない」「仕事もなくなってしまった、この先どうしたらいいのだろう」そんな声に対して、医療費負担軽減策が出ていましたが、12月1日に、政府は医療費の窓口負担が一定額を超えた場合に払い戻す高額療養費制度について、これまで検討していた一部低所得世帯の負担上限額の引き下げを、2011年度は見送る方針を固めました。70歳未満の年間所得約300万円以下の世帯(住民税非課税世帯は除く)を対象に、現行の月額8万円を半分程度に引き下げる方向でしたが、ダメになりました。一番大変な人たちを助けることはできないのでしょうか。残念です。

健保とか大丈夫なのかな?と思っていましたが、結果は、財源がないために見送りになりました。今日の社会保障審議会医療保険部会で議論され、見送りは決定しました(資料PDF)。

もう一つ話し合われていた外来診療でも高額療法費の現物給付化についてですが、2011年度から順次実施する方針を決定しました。良かったです。自己負担限度額は、所得によって異なるため、あらかじめ保険者から「限度額適用認定証」の交付を受けて、それを医療機関に掲示する仕組みになりますが、早く実施できるようにしてほしいですね。手続きも簡単にできるようにしてほしいし、違う医療機関にかかっていても可能にする仕組みはできないものかと思います。

高額療養費について、月をまたぐと高いという(読売新聞)記事もありました。参考にしてくださいね。

2010年11月30日火曜日

在宅がん緩和ケアボランティア養成研修は終了しました

藤田敦子のひとり言(ピュアの活動)

バタバタと過ごしていますが、今年度も、「2010在宅がん緩和ケアボランティア養成研修」を行い、無事、終了を致しました。

22名の受講生が、3日間全6回を通して、がん、緩和ケアについて、ボランティアの心構え、聴くということ、遺族体験から学ぶなどを学習しました。

この研修は、講師から学ぶだけでなく、受講生同志がお互いを知り合い、高めあうための仕掛けをいくつも入れています。今回は、「がんサロン体験」も入れてみました。最後に、「患者と家族を支えるとは」「ボランティアとして何が必要か」についてワークショップもしました。
充実した講習になったと思います。

毎回22名から26名の受講生がいて、ヘルパーやたすけあいのボランティア、ケアマネジャーの専門職から、患者・家族・遺族の立場の方と多彩な顔ぶれで行ってきました。

診療所や病院でのボランティア活動に入っている人もいれば、仕事にいかしている人もいます。先のリレーフォーライフではアロママッサージを届けてくれた人もいますね。160名近い卒業生が学んだことを忘れずに、「家でも大丈夫かな?」という市民の意識改革や手足となって動いてくれることを望んでいます。

来年、千葉県の事業が継続するかは微妙ですが、船橋で「がんサロン」も始めましたし、船橋市立医療センターで「ホスピスボランティア」として動いてもいきます。ピュアとして仲間を増やしていく時期でもありますね。

さあ、次は、千葉県、千葉県がんセンターと共催のフォーラムの広報を始めていきますね。

2010年11月24日水曜日

がん対策推進協議会 動議でなく深い議論を

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)


「がん対策推進協議会」で「動議」が出て、大事な会議が中断しました。今も奥様が継続されているHPに、基本法を作った後の山本孝史さんの思いがあります。山本孝史 いのちのバトン~そして、あなたへ~。その中で、2007年4月8日に、がん対策推進協議会がスタートした後、協議会への思いや国のがん対策への意見をまとめられました。ぜひ読んで下さい。

「がん対策推進協議会」での「がん対策推進基本計画」議論を注視!

ここでは、「協議会の役割は、①がん対策推進基本計画に盛り込む施策を決めること、②当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めること、の2点です。」と書かれています。
さまざまな「制約」を乗り越えて、重点施策(「戦略指標」)を、明確にして、それらの重点項目について、現行制度の見直しや必要な法整備の検討を含めて、協議会で継続して議論を行うように、基本法に明記してほしいと望んでいました。また、委員の創意として「医療費抑制策への転換を求める」という表現を答申に盛り込んでほしいとも、書かれていましたね。思いを十分かなえる一次基本計画になったのか。積み残された課題がありますが、それは今定めている二次基本計画に入れていかなくてはなりません。

山本さんは、協議会を傍聴して、患者関係者にも注文をつけています。「窮状を訴えるだけでなく、どのようにしたら前進できるのか、どんな政策があれば良いのかを提言する能力を持つことが不可欠だと痛感します(2007年4月18日)」「患者(団体)の側も、医療制度の仕組みや、これまでの「医療政策」を勉強して、的確な意見を発言することが求められています(救える「いのち」のために2008年1月)最初の協議会には、進行がんの島根県の三好さんが、地方からの切実な声を、本当に力強く発信されて、患者が入る意義とはこういうことかと本当に思いました。

現在、がん対策推進基本計画中間報告書が出され、施策の評価・見直しをついての議論が行われています。この議論を踏まえて、平成23年度に最終報告が示され、基本計画の変更が示され、国会を通し、平成24年度より新計画がスタートします。山本さんが書かれているように、全体目標を2つでいいのか、重点的に取り組むべき課題や分野別の指標は今のままでいいのか、話し合わなければいけない内容はたくさんあります。基本計画の変更に係る論点にもいくつも出されていますが、それを整理していくことになります。

今後、専門委員会(現在は、がん研究と小児)とは別に集中審議が行われていきます。今出ているのは、がん診療連携拠点病院、緩和ケア、放射線・化学療法、がん対策指標、在宅医療で、12月10日は、がん診療連携拠点病院について話し合われることになっています。年に1回、指定に関する会議が開催されていますが、拠点病院のあり方や役割を確認する機会でもあります。関係者からのヒヤリングもあります。指定要件の見直しなどの提言は、別途、検討会等が作られて話し合われることになりますが、積極的に見直しに向けた意見を言ってほしいですね。

国会がん患者と家族の会も尾辻先生が音頭をとり、復帰したようですね。前回入れられなかった「がん登録」について、前向きな議論もしてくださいね。患者委員の皆様、集中審議は大変だけど、がんばってください!

2010年11月21日日曜日

第15回がん対策推進協議会 次期基本計画はどうなる

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

先般の第15回がん対策推進協議会は、荒れました。議論が活発ならいいのですが、予想もしない「緊急動議」が出て、協議が中断しました。事務局の落ち度ですね。これだけ、運営についての意見が出ているのに、何もフォローしないで進めようとしているのが、間違いなんだと思います。大事な基本計画の改正です。いのちをかけてがん対策基本法を作った山本たかし議員は、今の状態をどう思っているでしょうか。 あってはならないことが起きてしまいました。

有志委員からの運営の見直しに関する意見書ほか
垣添会長から提出された改善を求める文書


協議会では、国立がん研究センターで実施している「がん相談対話外来」の実施体制が報告されました。相談支援センターの拡充というより、セカンドオピニオン外来の拡充というほうがあっているような内容ですね。配置された職種は、まさに緩和ケア外来に必要な職種です。今後、がん患者必携を渡していくときの体制も考えていかなければいけませんね。


他には、がんプロフェッショナル養成プランの中間評価も報告されました。総合評価では、1位千葉大学、2位東京大学、3位大阪大学でした。へえーでした。

今後のがん対策推進協議会の進め方は、専門委員会の設置と月に1~2回の集中審議が提案されていました。次は12月10日(金)がん診療連携拠点病院のあり方になっています。専門委員会は、当初のがん研究以外に小児がんも入りました。学会や親の会から要望がだされました。

私が入っている「終末期医療のあり方に関する懇談会」でも、親や家族への支援(家族・遺族ケア)を入れました。こちらの報告書が出ましたら、また報告します。垣添会長は、患者であり、家族・遺族の気持ちもわかる方です。この新聞記事に書いてある「悲嘆ケアの研究」を応援したいです。家族を支えることも、とても大事なことです。辞めないでほしいと願っています。

がん対策推進基本計画の変更に係る論点では、中間報告で指摘された内容が列記されています。中川委員から、緩和ケアを早期から導入し、うつ症状やQOLを改善すると生存期間の延命が得られるという論文の発表がありました。

今後の計画変更に係る協議会のスケジュールは、とても仕事を持っている人にはこなせないようなスケジュールですね。また、委員の任期は2年ですので、来年3月までの人もいます。4月から新しく委員になった人が、会議についていけるか疑問が残りますので、専門委員会などに早めに入っていくことはできないのでしょうか。

初めて、患者関係委員がたくさん入り協議されている「がん対策協」です。介護保険の会議では、国にお金がないために、利用者負担が増える案が厚生労働省から示され、失望が広がっています。がん対策以外に、肝炎対策の協議会も始まっていますから、「患者からの要望」も広がっています。
未来に希望が持てる結果になってほしいですね。財源問題は大事だから、どうしていくのかについても、各審議会で話し合ってほしいものです。

2010年11月18日木曜日

がんからの出発 船橋がんサロン本村幸広さん

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

11月13日に、在宅がん緩和ケアボランティア養成研修の2回目を行いました。今回は、船橋がんサロン「ここにおいでよ」の模擬体験と、ホスピスボランティアについての講義・演習でした。

船橋がんサロン「ここにおいでよ」は、毎月1回月曜日の午前に、船橋中央公民館を使って行っているがん患者と家族の為のサロンです。
ファシリテーターは、大腸がん患者の本村さんが行い、乳がん患者の松尾さんは、申し込みの受けなど事務一般を行い、私はアドバイザーとして一歩引いた形で開催しています。終了後に振り返りを毎回行い、アドバイザー兼小言係の私(笑)から、全体のこと、新規の方への対応やファシリテーターのあり方などを提案し、3人で確認しながら行っています。
5月から始めて、最初は18名、その後も8名~15名ぐらいを行き来しています。曜日は固定ですが、公民館の予約の関係で週を固定できないのが悩みです。
でも、人をたくさん集めることが目的ではなく、いつでも誰かがいる、仲間がいる、そんな場を作りたいという思いで始めましたので、大嵐になって一人も来なくても、それでもいいんです。

ラジオNIKKEIで18時45分から、“がん〟からの出発~いのちをみつめてという番組が始まっています。水曜日は、ジャパンウェルネスの大井さんの司会で、患者さんの体験談コーナーになっています。
11月17日(水)は、船橋がんサロン世話人でもある本村幸宏さんの体験でした。オンデマンドで聞くこともでき、11月17日のところをクイックしてくださいね。

いつもお話を聞いているつもりでしたが、改めて聞いてみると、本当に大変な時期を乗り越えてこられたことがよくわかりました。頭で理解できていても、オストメイトになった時の衝撃ははかりしれないものがあります。今、病が再度本村さんに試練を与えようとしていますね。今日、そのことを直にお聞きしました。ゆっくりゆっくり、どうしていくのが一番いいのか、気持ちは変わらないのか、何がそうさせているのか、そんなことを、ゆっくり、また聴かせてくださいね。決めていくのは、本村さん自身。どんな結論になろうとも、私たちピュアやサロンの仲間は、あなたの選択を尊重し、そばにいますから。

船橋がんサロン「ここにおいでよ」に、本村さんの手記も掲載しています。
次回は、12月13日(月)10:00~11:30 第6集会室です!

PS:松尾さん、藤田も別の番組ですが、ラジオ収録初体験をしました。
   2010がんチャリティの参加団体紹介で
   ニッポン放送11月29日(月)12時59分から1分、団体紹介をします。
   

2010年11月9日火曜日

第34回日本死の臨床研究会「地域で支える」で発表

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・在宅ケア)
11月6日(土)・7日(日)に、岩手県盛岡市で第34回死の臨床研究会年次大会が開催されました。
大会テーマは、「地域で看取る」
6日は、東京で開催された「がん政策サミット」に出たために、参加できず残念でしたが、「おくりびと」の青木新門氏、「奇跡のりんご」の木村秋則氏の講演もあり、充実した内容でした。他に、グリーフケアや「地域で看取る」講演やシンポジウムがありました。

「地域で看取る」「地域でつなぐ」「地域で支える」と三部作になっていて、私は最後の「地域で支える」で発表させて頂きました。
ピュアで行っている電話相談。医師や病院、制度の紹介だけで済んでしまうケースもありますが、6~7回ぐらいのやり取りがあり、最後の看取り、その後の遺族ケアも含んで支えているケースもあり、そのうちの2事例を発表いたしました。
他に、ガイドブック作成やフォーラム開催、千葉大会のこと、科研費研究でのリーフレット、そしてボランティアや心を育むワークショップ、船橋がんサロンと話をつないていきました。
千葉県全域をみる活動から、支える実践をしたいと、がんサロンを中心とした実践が、少しずつ芽が出てきました。緩和ケアは、最後の亡くなる直前のケアではないはずです。患者の心を支え、エンパワメントを高めていくことが大切ですよね。

質疑応答の中では、実際に地域のネットワークを作りたいと思っている方や急性期病院で退院支援に悩んでいる方、中には行政と一緒に参加されている方から質問が出て、東京の秋山正子さんや福島の海野さんから、実践報告がなされました。
私たちの発表がこれから地域でがんばっていく方々のお役に立てれば嬉しいです。
そうそう、発表後に、千葉県から来られた医師や緩和ケア認定ナースに出会えました。それから、遺族ケアを頑張ってくださっている大阪の医師にもご挨拶ができました。お会いできて嬉しかったです。岩手に呼んでくださった大会長の蘆野先生、実行委員の望月先生、本当にありがとうございました。
帰りに、昨年の癌治療学会でお会いした皆川さんと一緒に、盛岡城跡で紅葉も堪能し、冷麺も食べれて、にこにこで、東京へ戻りました。

2010年11月4日木曜日

第48回日本癌治療学会学術集会に参加して

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

2010年10月28日~30日に、京都で開催された第48回日本癌治療学会に参加してきました。昨年も、がん患者・支援者スカラーシッププログラムがありましたが、今年はグレードアップされて、年々、協働の形が整ってきた気がしました。
私は、情報と緩和ケアを中心に回ってきました。
全体的に、パネルディスカションの中で、患者の発表が多く入っており、また、治験に関する映画上映も行われて、医療者と患者の協業の姿勢がたくさん見られました。

アドボカシーラウンジでは、アメリカNCCSのSellers氏が、アドボカシー(権利の主張、弁護、支援)について紹介されました。サバイバーについては、「がん診断後の人生を生きるがん経験者」と言い、「がんとともに、がんを乗り越えて生きる生き方」をサバイバーシップと呼ぶそうです。
自分自身のアドボカシーでは、患者が支援ツールやスキルで自分自身を磨き、自分の意見を医療者や他の人に伝えることができるようにしていきます。これは、日本で言えば、これから出される「がん患者必携」が使えそうな気がします。
地域コミュニティでのアドボカシーでは、地域コミュニティのイベントで話をしたり、がんと診断された人の相談に乗ったりすることだそうです。これも、患者会活動や地域サロンの活動が当てはまると思いました。

最後の公益のアドボカシーは、政策立案者との協調によるがん医療制度の変革や、改善を目指した活動をすることだそうです。これも、今、日本では都道府県がん患者委員が国や都道府県に働きかけを行っています。あさってから、また、がん政策サミットが東京であります
日本においても、少しずつですが、がん患者組織のパワーアップが図られていて、さまざまなステークホルダーとの協働ができるようになってきましたね!




最後の教育セミナーが、緩和ケアと精神腫瘍学だったことに驚きました。メインホールにいっぱいの人がいて、学会の中で緩和ケアを届けると生存率がアップするという発表もあり、その影響も大きいのかと思いました。

早期からの緩和ケア、治療と並行に届ける緩和ケアが進んでいきますね。でも大事なことは、最後まで大切にしてもらえていると感じることなんです。それを忘れないでほしいです。

2010年10月26日火曜日

末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について(Vol170)

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

先の国会での質問を受けて(がん末期に適したか介護保険にしてほしいを参照ください)、厚生労働省より、本日付けで通知Vol.170が出されました。早いですね。ありがとうございます!

でも、がんについて協議をしたり、研修をしたりしている市町村は動いていけるけど、そうでない多くの市町村では、なんでこんなに、末期がんの通知が来るんだ?なんて思っているのではないでしょうか。審査会委員もちゃんと理解できている人がいるといいのですが・・。それに、そもそも、主治医意見書がしっかり書かれていないと無理ですよね。
今からでも遅くありません。なんとか、迅速な対応をお願いします!!

末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について

宮城県がさすがに動きが早いですね。その日のうちに出していくなんて、すばらしい。

要点は、ふたつ(一部省略しました。全文を上記で見てください)。

1.算定について
要支援者及び要介護1の者であっても、末期がんの急速な状態悪化等、疾病その他の原因により状態が急速に悪化し、短期間のうちに日常的に起きあがりや寝返り等が困難となることが確実に見込まれるものについては、市町村の判断により指定福祉用具貸与費及び指定介護予防福祉用具貸与費を算定することができます。
 なお、判断にあたっては、医師の医学的な所見(主治医意見書や医師の診断書等)に基づき判断され、かつ、サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与が特に必要である旨が判断されている場合、書面等により確認し、その要否を判断してください。

2.介護認定審査会が付する意見について
介護認定審査会は、審査判定の結果を市町村に通知する際に、サービスの有効な利用に関する留意事項について意見を付すことができます。
つきましては、末期がんの急速な状態悪化等、疾病その他の原因により状態が急速に悪化することが見込まれる方については、介護認定審査会において必要に応じ市町村への意見付記を活用していただきますよう、審査会委員への周知をお願いします。

2010年10月21日木曜日

がん末期に適した介護保険にしてほしい

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

今日10月21日に
参議院厚生労働委員会において梅村さとし議員が
再度「がん末期の介護保険」について質問されました。
(介護保険は25:15から)。

その中でも、4月30日に出していただいた
末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」への御礼がございました。
私も、いくつかのところで、当日に認定調査に来てもらえた、という感謝の言葉を頂いています。重ねて御礼申し上げます。

質問の中で、「申請が午後3時。調査がその日のうちに入り、19時にベッドを入れて、21時に亡くなられた。家族はとても感謝されていた」という事例の発表がありました。がん患者の為に、夜遅くにがんばってくださった事業所の皆様に、本当に厚く御礼を申し上げます。

でもね~、このような迅速な動きをしてくれる市町村だけではないわけで、どこに住んでいるかで、決まってしまうのも、なんだかな~と思います。
福祉用具については、現行の制度の中でも、短期のうちに悪化すると確定している場合は、要支援、要介護1でも、市町村の判断(ここが問題)で、福祉用具を借りることを認めていると宮島老健局長がお話しされていました。
要するに、全部、市町村によって差がでるわけです。

なんの認定調査もせずに、要介護2(私は要介護3)以上がほしいと言っているわけではないのです。
これから、高齢者の増加に伴い、認定調査を本当に間に合わせることができるのか、とても心配しています。がん患者の全員が申請時に必ず「がん、迅速必要」と言えればいいですが、現状ではそうではありません。窓口で「がん」と把握できなければ、通常どおり、要介護度が認定されるのは約30日かかるわけです。それでは遅すぎます。
寝たきりや認知症等のために作られた介護保険。そこに「がん」を加えて頂きました。
よりよい穏やかな最後の為に、介護保険はどうこたえてくれるのか、そこのところが問われているのだと思います。

私も、「終末期医療のあり方に関する懇談会」に出させて頂いています。もうすぐ会議があり、報告書が出てくることになっています。この会議は、医政局が仕切っています。

梅村議員が言われたように、次の医療と介護の同時改正のときに、医政局と老健局が一緒になって、「人生の集大成」のために介護保険はどうあるべきか、そこを議論して、つなげてほしいと願っています。
がん等の迅速な対応が必要な場合についての新しい認定調査の仕組みを、ぜひ、老健局や社会保障審議会で議論をして作ってほしいのです。国民としてお願いします!!

2010年10月17日日曜日

千葉県立佐原病院 緩和医療に本腰

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

昨日16日は、在宅がん緩和ケアボランティア養成研修の初日だった。
千葉県がんセンターから県立佐原病院の副看護部長になられた山岸さんから、県立佐原病院の緩和医療についてお話があったが、今日10月17日(日)読売新聞朝刊に記事が出ていた。

読売新聞2010年10月17日(日)朝刊によると
県立佐原病院が来年4月から、終末期のがん患者らの痛みを取り除く緩和医療を本格的に始める。病床を7床増やして対応する予定で、将来的には緩和病棟の設置を目指す。県内には緩和病棟が7病院に計151床あるが、香取市周辺にはなく、地域医療の充実につながるとして期待されている。
(中略)
終末期の治療方針は、庭野医師が患者の意向などを踏まえて決定する。同病院で必要な処置をした後、患者はいったん退院して自宅に戻り、近くの診療所などの医師や看護師の往診を受ける。病院と診療所が連携することにより、終末期の患者が住み慣れた自宅で、家族や友人と過ごす時間を増やすことができる。症状が悪化すれば、佐原病院に再入院できる。
庭野医師は「団塊世代の高齢者が急速に増えるため、終末期医療難民の出現が予想される。そうならないためにも、各地域で緩和医療の充実が求められている」と意義を語っている。

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嬉しいな~。
千葉県には、在宅につなげる緩和ケア病床が、千葉県がんセンター、船橋市立医療センター、そして県立佐原病院と広がっているのですね。他にも、緩和ケア病棟は持たないけど、在宅医療を進めている病院もあるし、地道に一歩一歩がんばってきた甲斐がありました。2008年に全国大会を幕張メッセで開催して良かった。大変だったけど、良かった。

来年は、日本死の臨床研究会の年次大会が千葉県幕張メッセであるし、ゆっくりと静養して、次の種まきを始めましょうかね。

2010年10月12日火曜日

独居のがん患者さんでも家で最期まで暮らせる

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

10月8日~10日に日本在宅ホスピス協会の全国大会が岐阜であった。
分科会が3つに分かれていて、私はコーディネーター、ボランティアなどの分科会Ⅲの座長をした。

3つの事例の2つが、独居で認知症のがん患者さん。
ひとつは、生活保護なので行政がしっかりとついていて、もうひとつは、離れて暮らす息子さんがいた。もう一つの事例は、認知症ではないが、やはり離れて暮らす息子さんがいるケースだった。

こんな大変な事例でも、痛みをとる緩和ケア技術をもった医師がいて、支える訪問看護や介護。そして隣近所や行きつけの店や民生委員やあれやこれや全部をつなげていくコーディネーターがいれば、独居で認知症のがん患者さんが最期まで家で暮らせるんだ。

離れて暮らす息子さんも、最初は「できない」と。
でも、一人で介護をしなくていいんだ、なんだか、楽しそうだな、なんて感じてもらえば、会いに来て、そして、患者さんから「ありがとう」の言葉が自然に出てくる。「ここにいるだけでいいんだ」そう思えること。

ナラティブアプローチで、昔好きだったことややりたいと思っていたこと、それを実現していく。

あ~あ~、介護保険ではできそうもないですよね・・・。優秀なケアマネジャーならやっているのかな~。

介護保険の話といえば、要介護3だったのに、たまたま、具合がいいときに認定調査が入って、要介護1になってしまった、という話だった。もうあとわずかの命なのに、なんで、そうなるのか。在宅サービスでなんとかもっていたのに、一気に悪化して、再度の認定は、要介護4。
このがん患者さんの介護保険の問題は、別立てで考えてほしいです。

緩和ケア病棟は、認知症など問題行動を起こす患者さんの受け入れはしないらしいですよ。そんな話も出ていました。ア~ア~、緩和ケアって、なんだったのかな。
住んでいる場所で、治療も格差、最期も格差なのか、と寂しくなってしまいましたが、まだまだ間に合いますよね。
自分らしい暮らしを最期まで、そう望むことが大切ですよね。

2010年10月2日土曜日

乳がん検診で石灰化と言われたら

藤田敦子のひとりごと(緩和ケア・がん対策)

この間、
乳がん検診はこのままで大丈夫なのか?
というブログを書いた。
あの後、石灰化って何だろうという思いが続いている。

今日、船橋市乳がん市民公開講座が(財)ちば県民保健予防財団とアストラゼネカ株の共催で開催されたので行ってきた。事前質問を受け付けていたので、「石灰化」について質問を書いて提出しておいた。

乳がん「自分は大丈夫」と、思っていませんか?
 ~16分の1という現実~

この講演の中で、
マンモグライフィーを毎年撮っていれば大丈夫か?について
1.写らない乳がんがある
2.写せない場所がある
3.小さい乳がんはわからない
という答えだった。
2年の検診間隔の間に発見される乳がんがあり
マンモグラフィーだけでなく、超音波や自己検診も必要ということだった。

乳房といっても、人それぞれ大きさなど違うわけで
また、ガイドラインも、年齢によっての推奨が違う。

治療も、本人によって何が一番大事なのか、それによって治療が決まるという。
どんな治療も長所、短所があり、全摘か温存か、じっくりと医師から情報をもらって、決めることが大事。再建も、すぐやるほうがいいのか、後から行うか、お金も100万くらいかかるらしいから、それも含めて決めていくしかない。

私が気にしていたとおり、専門施設に患者が集中し、外来混雑等による
診療機能が低下しているという。これでは、一人ひとりへのきめ細やかな治療はできない。

石灰化については、良性と悪性があり
良性は、乳腺炎などの後、乳腺症に伴うもの、繊維腺腫に伴うもの、
その他がある。
悪性は、乳がんに伴うもの、非常に細かく形がふぞろい、
石灰化=がん、ではない

インターネットで調べたら、ちば県民保健予防財団の橋本秀行先生が2004年に発表されたPDFがあった。

マンモグラフィの読影~新しいマンモグラフィガイドライン~ 橋本秀行医師

マンモグラフィのカテゴリー分類と診断フローチャートが出ている。
自分の石灰化が、悪性なのか良性なのか、少しはわかる。
診断を受ける前に読んでおき、医師に自分の石灰化はどれなのか
印をつけてもらうといいかもしれない。
石灰化は0期で転移はおそらくしていないが、温存だけでなく、全摘という選択もあるのだということがわかる。全摘の場合リンパは残せるから、全摘・再建でしょうか

橋本氏が言うには、マンモグラフィの石灰化のアプローチは下記だ
MMG上、明らかな良性石灰化を正しく良性と診断し必要のない精密検査を避ける
良悪性を識別する必要のある石灰化についてはその形態と分布で診断する

しっかりと診断ができる医師に、乳がん検診をしてもらうことが一番大事ですね。
いまだ、触診だけの検診があるのはどうしてなのか。石灰化は触診ではわからない。早期検診・早期発見が合言葉のはずなのに、なんのための検診クーポンなんだろう。何とかしなければいけませんね。

2010年9月28日火曜日

乳がん検診はこのままで大丈夫なのか?

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

共同ニュースで、下記のニュースが流れていた。

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つらい乳がん確定前 検査へ一歩、不安解消を

乳がん検診で石灰化やしこりが見つかり「要精密検査」となった場合、多くの女性は診断確定までの日々を大きな不安の中で過ごす。一方「ほぼ良性。経過観察しましょう」と言われた場合も、結論の“先送り”がかえって心配を増幅することがある。不安を解消するため、より精度の高い検査に自ら一歩を踏み出すことも選択肢の一つだと専門医は助言する。

以下、こちらへ
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乳がんの石灰化は、マンモグラフィーが標準検査になり、よく見つかるようになった。石灰化は、がんだけでなく、良性として判断されることがほとんどで、ごく一部が悪性のがんである。ただ、発見されても、医師の判断で、精査になったり、経過観察になったりする。見分け方はあるのだが、患者に見分けがわかるわけでない。ブログを検索すると「石灰化と言われていたが、次の検査でがんだと言われた」なんていうのを書いてある。こういうのを読むと、「このまま、本当に経過観察で待っていていいのだろうか」と不安になるわけである。

この心理は、よくわかる。
とくに乳がんは、早期発見のその上の超早期で発見したいと誰でも思っているのではないか。

でもでも、乳腺外科の混みようを見ていると、石灰化の良性・悪性の判断の為に、専門病院を大混雑にしていいのかと本当に悩んでしまう。

乳がん検診を行う医療機関は、マンモトーム生検を行える環境を持ってほしい。もしなくても、行える医療機関を紹介することが大切だと思う。

石灰化の問題は、これから、大きな問題になっていく気がする。
早めに対応を協議して、不安もなく、誤診もない、そんな標準検診を確立してほしい。

2010年9月25日土曜日

千葉県匝瑳(そうさ)市にがん条例誕生

藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)


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読売新聞9月22日(水)
がん対策推進条例 匝瑳市議会が可決

匝瑳市議会は9月定例会最終日の21日、議員提案された「がん対策推進条例」を賛成多数で可決した。がん対策を推進する条例が制定されるのは、県内自治体では初めて。
条例では、がん対策への市、市民、保険医療関係者それぞれの役割を示し、がんの予防や早期発見などを推進するため、市にがん対策推進計画の策定を義務つけている。本会議では、市が市内の保険医療関係団体とも協議し、理解と協力のもとで施策を行うよう努めるとの附帯決議も可決された。

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千葉県で初めて誕生したがん条例です。
匝瑳市は、市民病院を中心に在宅緩和ケアに力を入れている場所で、市民病院は「病院で死ぬということ」の山﨑医師がいたところでもあります。ホスピスケアを推進する市民団体が長く活動されていて、そういう意味では、匝瑳市で一番初めに「がん条例」が設定されたことも意味はありますね。
子宮がんのワクチンや検診を進めていくことも狙いのようです。

さて、他市の動向が待たれますね。
また、千葉県として、がん対策条例や地域医療推進条例もほしいところです。

がん対策基本法ができるときに、条例を千葉県に作る動きがあったのですが、国の動きを見てからと二の足を踏んでいたために、結局、作ることができませんでした。首都圏に近くない島根県や高知県は国とは関係なしに条例を作ってほしいと患者からの声で動きました。
う~ん、あの時に作ってしまえばよかったと思う反面、今のように、いろいろなことが動き出したけど、まだここが足らない、だから条例でしっかりとやってもらおうというのと、なんだか、いろいろな気持ちが交差しています。

継続して、がん対策を県民が知ることができる、そんな条例が必要なんだと思います。

2010年9月19日日曜日

リレーフォーライフちば2010参加しました!



藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

リレーフォーライフちばにチーム参加してきました。
ずっと雨が続いていましたが、この2日間は真夏が戻ってきたような天気で、そこにいるだけで大変でした。 今年の5月に、船橋がんサロン「ここにおいでよ」をできて、「チームでリレーフォーライフに参加しよう」と無謀とも入れる案を出しました。

入れ替わり、20名近いメンバーがNPOピュア「ここにおいでよ」に集まりました。もう、感激です。な、なんと400周もしたんですよ。0時から4時半までは、淑徳大学に助けてもらったけど、ずっとタスキをつないでいきました。

9月のがんサロンに来てくださった肺がんの治験をする予定だった人も、当日熱があったのにかけつけてくれました。「ここに来たかった」そう言わせる何かがリレーフォーライフにありますね。「治療ができるようになった」と嬉しそうに報告をしてくれて、私たちも、本当に嬉しかったです。

24時間ずっとみんなといるわけで、一人ひとりと、じっくりと話ができるのも魅力ですね。

今回、デルタ航空が、たくさんの人数で参加をして、コックさんも来て、料理を販売してくれました。200万近いお金がデルタ航空から寄付されて、「さすが、寄付文化の本場は違う」と感心しました。
私たちのフラグにもコメントを寄せてもらいました。
また、一人から、ここにおいでよTシャツがほしいと要望もあり、とてもいい時間を過ごせました。

ピュアは、アロマハンドマッサージをしました、資生堂とかいろいろな場でアロマがあった中、善戦したと思います。なんやかんやと経費がかかってしまいましたので、寄付は気持ち程度になってしまいましたが、次年度は、もっと工夫をこらしたいと思いました。

千葉大会のイメージソングを歌った松尾貴臣さんが、今回のテーマソングも作りました。乳がんの方が作詞した歌「希望の歌」で、「愛する人と歩いて行こう、愛する人と歩き続けよう」と語りかけています。

一人ひとりのメッセージが入った「ルミナリエ」も、涙がこぼれてきました。 日本のルミナリエとは違う置き方を発見!こんな風に語りかけるのもいいな~と思いました。

また、来年、みんなと笑顔で、ここにきたいと思います!
実行委員の皆様、ありがとう!
出会った皆様に 感謝です。
そして、また会いましょう!

2010年9月12日日曜日

緩和ケア普及のための地域プロジェクト【浜松】

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)


9月11日(土)に、浜松市にある坂の上ファミリークリニックの5周年記念講演会に基調講演者として出かけてきました。

浜松市は、国の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」が行われている地域で、全国では、山形県鶴岡市、千葉県柏市、長崎県長崎市、そして静岡県浜松市の4つで行われています。

開院5周年ということでしたが、医師、訪問看護、ヘルパーがいる大規模在宅療養支援診療所でした。講演会には、医師会の担当者もいらしていて、共に【地域を支える】ために力を合わせておられることに、私は感激しておりました。病院と診療所、在宅専門診療所と開業医、この2つが敵対していたら、絶対にダメなんです。私たちは、できれば、地域の開業医を信頼して、いのちを託していきたいのです。顔色をうかがいながら、医師探しをするのは嫌なのです。

今回、私自身の体験の話やがんサロンなどの実践、また相談事例などを交えて、患者側の考えを発信してきました。千葉県がんセンターを起点とした地域連携のお話もしてまいりました。

近藤克則氏が書かれた「医療費抑制の時代を超えて」にイギリスのホスピスの患者の流れについて書かれていて、「筆者らが驚いたのは、ホスピスが果たしている役割全体から見ると、入所で看取る比重が予想以上に小さかったことである。逆に言えば、在宅ケア部門やデイケアの役割の大きさである」と入所を中心とした日本のホスピスとの違いは予想以上であったと結ばれていました。

この浜松市は、聖霊浜松病院、聖霊三方原病院があり、日本のホスピス・緩和ケアの草分けで、今までは、在宅ケアの力が弱く、最後はホスピス・緩和ケア病棟で亡くなるパターンが多かったとお聞きしました。この浜松市が、世界の緩和ケアの流れをチャッチして変わっていったら、日本全体が変わっていくのではないかと私は思いました。医師だけでなく、薬局、看護や介護、そして市民団体や精神保健センターの方もメンバーになっていて、あながち夢ではないと思っております。

今回、小野宏志院長、青木茂先生、そして多くのすてきな方々のお人柄に触れることができました。ありがとうございました!浜松のネットワークが発展されますことを祈念しています。

学会で講演するのとは違った意味で、私も勉強になり、これからも、いろいろな場所でお話しさせて頂こうと思いました。

さてさて、そうは言っても、10月8日~10日は、在宅ホスピス協会全国大会in岐阜、11月6日・7日は、日本死の臨床研究会年次大会in盛岡でお話ししなければいけませんね。たくさんの方に私の考えを知って頂く機会なので、準備をしっかりとして、役目を果たしていきたいと思います。緩和ケアを世界標準にしていきたいです!

2010年9月10日金曜日

順天堂大学公開講座 「今、ふたたび 仁!」へ いざ!

藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)

今回、がん哲学外来の樋野先生からのご紹介の公開講座のご案内です。
私も当日会場へ行きますので、お声をかけて下さいね。

樋野先生は、順天堂大学 医学部病理・腫瘍学教授で、がん患者が、生きることの意味を根源的に考えようとする事へ向き合うため、「がん哲学外来」を開設された方です。(がん哲学は、生物学の法則と人間学の法則を併せた造語です。) 関連記事
http://www.gsic.jp/support/sp_02/spcth/

樋野先生には、2011年2月20日(日)千葉市文化センターで開催予定のフォーラムに、基調講演者として来て頂くことになっています。今から楽しみにしています。

なお、シンポジウムは、事前連絡・参加費無しで、直接参加が可能です。ご関心のある方は是非、ご参加くださいね。以下シンポジウムの案内です。

****市民公開シンポジウム開催案内*********
http://www.juntendo.ac.jp/ac/whatsnew/news018.html

■テーマ 「今、ふたたび 仁 !」
―古き歴史と日新の科学を踏まえて次世代(新しい)の医学・医療を考える―
■特別講演 「今、ふたたび仁!」 小川秀興 学校法人順天堂 理事長
■基調講演 「日本の医学教育」 鈴木 寛 文部科学省 副大臣 
        「社会貢献の在り方」 北城格太郎 日本IBM 最高顧問 
■閉会 「広々とした学問―懸け橋」樋野興夫 順天堂大学教授 

開催日時 2010年9月25日(土)4:00-6:00pm
開催場所 順天堂大学有山登記念館講堂(東京都文京区本郷2-1-1)
アクセス:JR・地下鉄「御茶ノ水」駅下車、徒歩5分会  
参加費 無料
主催 順天堂大学、「次世代(新しい)の医学・医療を考える会」
後援 文部科学省、厚生労働省、読売新聞社、朝日新聞社

「次世代(新しい)の医学・医療を考える会」
顧問(ABC順)
原田明夫 (東京女子大学理事長、元検事総長)
日野原重明 (聖路加国際病院理事長・同名誉院長、聖路加看護学園理事長)
池田守男 (東洋英和女学院理事長・院長、前資生堂会長)
鴨下重彦 (東京大学名誉教授、国立国際医療センター名誉総長)
金澤一郎 (日本学術会議会長、国立精神・神経センター名誉総長)
北城恪太郎(日本IBM(株)最高顧問、前経済同友会代表幹事)
小川秀興 (学校法人順天堂理事長、日本私立医科大学協会会長)
高久 史麿(自治医科大学学長、日本医学会会長)

実行委員長 樋野興夫(順天堂大学大学院医学研究科教授)

2010年9月7日火曜日

千葉県がん患者大集合2010へ行ってきました

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

9月5日、千葉市で「千葉県がん患者大集合2010」が開催されました。2008年から始めて3回目で、毎回寄付を募り、患者中心の実行委員会に千葉県職員も入り、開催しています。


先般ご紹介したフレンチの手法を取り入れた流動食(ケアフード)の試食会もあり、中川原センター長やシェフがNHKの取材を受けておられました。なかなか、抗がん剤を受けている最中にこういう場に参加するのも難しいと思いますので、県がんセンターでの研究に期待したいと思います。私は「抗がん剤で口内炎ができるとか味覚異常が起こるとかわかっている条件ごとに食事を作り、選んでいただくのはどうでしょうか?」と提案してきました。食べることは生きるということだから、この取り組みが始まっただけでも嬉しいです。

ロビーに千葉県医療社会事業協会の「相談コーナー」がありました。今日は6人体制で、一日30件ぐらいの相談を受けられたそうです。ちょうどいらしたソーシャルワーカー3人娘(笑)にお聞きしたところ「お名前や病院名をお伺いはしませんので、病院内でお聞きするよりも、本音が言いやすようでした。治療について医師以外がお答えすることはできませんが、悩んでおられることやお聞きになりたいことを整理するお手伝いはできますので、どんどん活用ください」と力強いコメントを頂きました。医療費のこと、療養生活のことなど、なんでもお受けしておられます。拠点病院以外でも、医療相談窓口がある病院が増えましたので、気軽にご相談していきたいですね。


先の参議院選挙で当選された小西洋之議員がいらしていました。総務省にいらしたときから知っている方ですが、「先生」になられると違いますね~。「千葉県にがん条例を作りたいので、力を貸してください」とお願いいたしました。中川原センター長に埴岡さんをご紹介し、まずは勉強会の日取りを決めました。さあ、千葉。動きだします!いい流れができました!


この大会ではいつも再発転移をされている患者発表があるのですが、今回は医師である冨田伸さん、窪田伸也さんのお二人の発表でした。どちらも過酷な体験で、今も戦っておられます。何度も手術をしながら、ハードな仕事をこなされている姿に、「がんになっても、病人にはならない。がんに人生を奪われないぞ」と本当に思いました。
千葉大会の松尾貴臣さんが「きみに読む物語」を熱唱し、幕を閉じましたが、また来年、ここに集うみんなに会えることを信じています。

勇気をありがとう!

2010年9月2日木曜日

副作用や後遺症を今までなんで放置していたんだろう

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

がんサロンを始めたから、患者さんの入会が増えました。

乳がんには乳がんの、胃がんには胃がんの苦労がいっぱいある。
ほかのがんだってそうだ。
悩みなんてないように見えていても大変なんだ。
抗がん剤、ホルモン剤、放射線治療、手術・・・、
副作用や後遺症がいっぱいあって
うつになったり、日常を苦しめていたのに
今までは、対処する人や場所がなかった。
今までは、みんな命が助かればとがまんしていたんですよね。
リンパ浮腫外来だって、もっと広がってほしい。
ストマー外来だって、心のケアだって。もっともっとほしい。
漢方も取り入れてほしい。

お金の問題も、我慢すればどうにかなるわけじゃない。

自分の体験が100%相手に役に立つというとそうではない。
でも、「そこそこ、それが聞きたかったの」というのはいくつもある。
もっと、声を伝えていかないといけないですね。
そしてその声を、改善に向けた声にしなくては!

次の船橋がんサロン「ここにおいでよ」は
9月13日(月)船橋市中央公民館です。
10:00~11:30

その週に行われるリレーフォーライフinちばに参加しま~す。

皆様、ご参加くださいね。

2010年8月23日月曜日

伴侶の死に「悲嘆ケア」を 垣添忠生氏

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

私は、厚生労働省の終末期医療のあり方に関する懇談会で「悲嘆ケア」の充実を訴えてきました

国立がんセンター名誉総長だった垣添先生はがんの奥様を在宅で看取られました。
死後、3カ月、精神的にも肉体的にも大変過酷な時期を経験されました。
「妻を看取る日」というご本を出されています。

「現在のわが国の超多忙な医療現場では患者が死亡して退院すると、そこで医療は終わる。しかし、残された遺族の悲しみ、苦しみはそこから始まる。日本では、年間約20万人の人ががんで配偶者を喪っている。その人たちの残された人生に対する医療的、社会的支援体制がもっと考えられて良いのではないか?いわゆる悲嘆の研究、あるいはグリーフ・ケアといわれる領域である」

米国やヨーロッパでは、グリーフケアに関する多数の研究があり
家族支援のためのプログラムが開発されています。
でも、日本ではボランティアで一部行われているだけです。

読売新聞8月23日朝刊地球を読むに、上記、垣添先生の論説が掲載されています。
悲嘆ケア、伴侶の死、在宅医療に関心ある方は、ぜひ、ご一読ください。

がん対策の中で、家族のケアが置き去りにされています。
一歩一歩前に進んでほしいです。

地球を読むには、最後にこんなコメントが書かれていました。

「国のがん対策推進基本計画は12年、当初の5年間の成果を評価し、後半の5年に向けて見直しが加えられる。その際、こうしたがんの在宅医療やグリーフ・ケアに関する視点も積極的に取り入れる必要があると強く思う」

2010年8月17日火曜日

介護保険 末期がんに対応できず NPO調査(神戸新聞)

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

ちょっとブログをお休みしていました。ぼちぼち始めます。

神戸新聞から
「介護保険、末期がんに対応できず、NPO調査」
という記事が出ていました。

私が梅村さんにご紹介した調査についてのご紹介です。
北海道新聞では、私へインタビューがあり、下記のコメントをしました。
「要介護3程度になるように、要介護認定調査基準を見直すなどをするべきだ」

神戸新聞が厚生労働省に問い合わせをしたところ
「末期がん患者のみ要介護度をあげるのは公平性に欠ける」とのこと。

別に高い要介護度をほしいと言っているわけではないのです。
実態にあった要介護度が出る仕組みを作ってほしいと言っているのです。
何度も変更するのは、税金の無駄だと思うのです。
死を前にした患者と家族に、余計な負担をかけないでください。
豊かな死、満足のある生、それを望んではいけないのですか!

全国の新聞社の皆様、メディアの方
それぞれの地域で記事を書いてほしいのです。
使える量を使えないほうが、不公平ではありませんか?
施設を20年近く使うわけではないのに・・・。

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介護保険関係の今までの記事
8月6日  がん患者が介護保険を上手に使うには
7月8日  介護保険 末期がんにも ばらつく自治体
5月20日 がんの介護保険特定疾病に「末期」は必要なの?
5月17日 長妻大臣と語る「みんなの介護保険」行ってきました
5月2日  末期がん等の要介護認定について(厚労省)
4月20日 がん末期の介護保険認定を迅速に
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2010年8月6日金曜日

がん患者が介護保険を上手に使うには

藤田敦子のひとり言

がんナビで、がん患者の介護保険について紹介がありました。

がんに負けないお金の話(3)がん患者が介護保険を上手に使うにはhttp://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/100803_01.html

がんで、介護保険を使う人は、是非読んでくださいね。
患者・家族、医療・福祉関係者、行政マンは読んで下さいね。
図も入れて、わかりやすい文になっています。

以前も書きましたが、緩和ケア病棟も、「末期がん患者」が使用の一文をはずしましたね。介護保険も、「がん」だけで十分です。「いのち」を大切にする国、豊かな死(最後まで大切に、生きていけること)がある国に、なんでならないんだろう。


在宅医にすぐに役に立ちそうな個所を、研究会の梁さんが抜粋して箇条書きしてくれましたので、小文字で紹介します。
1. がん患者の場合、訪問看護は医療保険で受けるのが一般的だが、その場合は自己負担は2~3割。介護保険なら自己負担が1割なので、介護保険で訪問看護を利用する人もいるという。しかし、訪問看護を利用する際に問題になるのは、がん患者が利用する場合に限らず、介護保険の認定には時間がかかることだ

2. 藤田氏ら患者団体の訴えを受けて、参議院議員の梅村聡氏は、4月20日の参議員厚生労働委員会で、末期がん患者の介護認定の迅速化とがん患者の実情に合った要介護認定が行われるように制度の改正を求めた。これを受けて厚労省が、各都道府県と市区町村の介護保険担当課に対し、4月30日、「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」という事務連絡(表1参照)を出し、介護認定の迅速化を促すことになった。厚生労働省老人保険局老人保健課は、4月30日、各都道府県と市町村の介護保険担当課に事務連絡を出し、がん患者の介護認定の迅速化を促した。

(ア)事務連絡にもあるように、居宅支援事業者に依頼してケアマネジャーに暫定ケアプランを作成してもらえば、要介護認定が出る前でも、特殊寝台(背中や足の部分が可動するベッド)のレンタルや身体介護などのサービスが受けられる。本人が入院中であれば、病院までケアマネジャーに来てもらい、ケアプランを立ててもらえばよいわけだ。

3. ただ、万が一、認定が下りる前に亡くなっても暫定ケアプランで利用したサービスの利用料に介護保険を適用してもらう(全額自己負担にならないようにする)ためにはポイントがある。
(ア)「暫定ケアプランで介護サービスを利用する際には、なるべく早く、市区町村か地域包括センターに申請を出し、要介護認定を受けるために必要な訪問調査を受けておくことが重要です」と、NPO法人姫路市介護サービス第三者評価機構理事長でケアマネジャーの田中洋三氏は強調する。実際には、翌日か翌々日には訪問調査を行うようになっているという。


4. 「要支援1、要支援2は、今よりも悪くならないように予防サービスしか受けられない状態です。いつ急変するか分からないがん末期の人に対して、介護予防のためのケアプランを立てることはできない。どう考えてもおかしい」と田中氏は憤る。
(ア)「要支援」にならないようにするコツ:介護保険の利用を申請する際、せめて「要支援」「要介護1」にならないようにするにはどうしたらよいのだろうか。
● 「『主治医意見書』の診断名を書く下に、『症状としての安定性』を書く欄があります。ここを『安定』ではなく『不安定』に印を付けてもらえば、コンピューター判定でも『要介護2』以上になる可能性は高く、少なくとも『要支援』にはならないはずです。
● 一部の市区町村の介護保険認定調査会では、主治医意見書の「特記すべき事項」に「末期がん」という記載があれば、「要介護2以上」にすると決めているところもある。しかし、介護保険の運用は自治体に任されているので、自治体によって、認定にかかる期間や要介護度などがん患者に対する対応に温度差があるのも確かだ。

(イ)「どこに住んでいても、がんの患者さんが介護保険を利用して自宅で最後の大切な時間を過ごせるようにするためには、デイホスピスや十分な訪問介護サービスも必要であり、『要介護3』程度になるように、国がコンピューター判定の要介護認定基準などを見直す必要があるのではないでしょうか、と藤田敦子氏は話す。

2010年8月3日火曜日

地域がんサロン設置モデル事業が採択されました!

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

7月4日の在宅緩和ケア公開講座の助成金報告書を書いていましたら、嬉しい便りが届きました。

船橋がんサロンで行っていくことを、ちゃんと記録に残して、千葉県中に、地域がんサロンが広まってほしいと思い、「医療・福祉ネットワーク千葉」の「患者と家族のがん研究基金」に応募しておりましたが、見事、採択されました。嬉しいです。竜理事長ほか理事の皆様、ありがとうございます!!

今日、HPで確認したら、今までと違って、患者会ではピュアだけでした・・・。
昨年は激戦地でしたが、2年続いては応募されなかったのでしょう。

昨日の船橋がんサロン終了後のミーティングで世話人に報告し、記録集の案を提示しました。
在宅ホスピスケアガイド―千葉市版を世に出して、来年で10年になりますね。
きっといいものに、みんなに役に立つものを作りたいと思っています。

8月2日に行った、船橋がんサロンですが、ケアマネジャーからご紹介された患者さんも来られました。7月4日の公開講座で配布したちらしを持って来られました。
ちょうど、ほかの参加者の中から「痛みに苦しむことはないですか?緩和ケアはどこでも受けられますか?」という質問が出て、在宅緩和ケアを体験されたご家族からの報告もありました。
これから始められる治療の効果が出て、次回も参加してほしいと心から願いました。
「がん」は、何故こうも普通の幸せを奪うのでしょうか。悔しいです。何も悪いことなんかしていないのに。

9月18日、19日にリレーフォライフ千葉が開催されます。
チーム「NPOピュアここにおいでよ」では、一緒に参加する仲間を募集しています。
テントの設営や、1時間くらいの助っ人ウォーク、差し入れなどのご協力も大募集しています。
夕方に行うルミナリエへの参加もいいですよ(思いを書いて点灯します)。

みんなで一緒に行って、がんなんかに負けるか、人生を奪われないぞと、誓いましょうね。

2010年7月29日木曜日

抗がん剤治療中も食べる喜び―千葉県がんセンター

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

千葉県がんセンターと、キッコーマンは28日、抗がん剤治療の副作用で食欲不振に苦しむがん患者向けのレシピの共同研究に取り組むと明らかにした。県内の代表的ながん専門病院と食品大手が連携し、がん患者の生活の質の向上に取り組む初のプロジェクトになる。

以下、こちらをどうぞ

26日に、千葉県がんセンターで行われたケアフード試食会に行ったときに、中川原センター長が発表されていました。
船橋がんサロンでも、食事の話はとても多くて、「口がしびれる」「砂をかんでるよう」など味覚異常についてどう克服していったか、一人ひとりの体験談が、とてもためになっています。

それを、科学的に解明しようというのが、今回の試みです。
通院治療中の患者50人に、酸味、辛味、甘味、苦味など7種類の味覚の感じ方を検査するほか、味覚や嗅覚のアンケートも行うようです。

言っても仕方がないっと思っていたことが、一つずつ、変わっていきますね。
お金の問題、就労の問題・・・、そして抗がん剤も!

がんになっても、がんに人生のすべてを奪われない
そんな日が一日でも早く来ますように。

2010年7月25日日曜日

がん撲滅へ~リレーフォーライフ千葉を一緒に


藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)

今日は、9月18日(土)、19日(日)に開催される
リレーフォーライフちば2010の
参加リレーチームの第一回事前説明会だった。

(ルミナリエに思いを描く)

あと、2か月も切っているんですね・・。

「リレーフォーライフってなんだろう?」って思っている人、多いですよね。

1985年にアメリカのひとりの医師の行動から始まりました。その医師は、がん患者をサポートしたいが予算が限られている中、マラソン大会でなく、1人で大学の陸上トラックを24時間走り、それを見学する友人から、がんと闘うための寄付を募ろうと思いました。友人たちは、途中からヘトヘトになった彼と寄り添い歩き、募金をしました。

これが原点です。さすが、アメリカ。

患者とかボランティア(日本で言うと普通の人)でなくて、
医師が先頭に立って、ボランティア(自発的に動くこと)したんですね!

3本柱は
Celebrate(祝う)サバイバーこそ、希望への架け橋。
Remember(祈る)命を落とした大切な方々を追悼します。
FightBack(反撃する)この病気で命を落とすことをなくすんだ!という気持ちを行動に!

ピュアでは、チーム「NPOピュア・ここにおいでよ」で参加します。

何人か、アロマをやっている人がいるので、リレー参加以外に、アロママッサージの提供をして、収益を日本対がん協会に寄付しようと思っています。
今、一緒にリレー参加をする仲間を募っています。ほかにも、テントとか、フラグを作ったりとか、いろいろやることが多いです。

船橋がんサロン「ここにおいでよ」は、次回は8月2日(月)10時からです。
リレーフォーライフに参加しようかな~と思う方は、ご連絡くださいね。


2010年7月20日火曜日

がん相談対話外来・病理相談外来(セカンドオピニオン)

藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)

国立がん研究センターで新しい取組が始まっています。

がん相談対話外来・病理相談外来(セカンドオピニオン)

基本的に、セカンドオピニオン外来なんですけど
特徴としては、医師だけでなく看護師も一緒にがんの悩みに答えること
場合によっては、がん専門相談員(MSW)や精神腫瘍科医も立ち会うこと

これは、早期からの緩和ケアとも言えますね~。
これまでの検査や診断、治療の経過について耳を傾け
今後のがん治療について相談できるようです。

がん相談対話外来は、26,250円
病理相談外来は、   31,500円

病理相談外来は、他の病院で病理診断がつかない患者さん向けで
新たな標本を作製した場合には、追加で10,500円必要です。

相談を受けた医師には、ドクタフィーを払うことにしたと
記者会見で言われていました。

大きな反響があって、7月はいっぱいみたいです。
予約の仕方や揃える資料がありますので、こちらを参照ください。

上記は、セカンドオピニンですが
がん患者カウセリング料も診療報酬でつきましたし
「こころのケア」が進んできますね。

納得して、安心して、治療を受けることは大切なことですから。
それは、治療が進んできても、緩和ケアを必要としてもです!

2010年7月8日木曜日

介護保険 末期がんにも ばらつく自治体対応

藤田敦子のひとり言(がん対策)

朝日新聞の記者さんからお電話を頂き、末期がんの介護保険問題について取り上げてくださるというので、丁寧に問題点などをお話ししました。

7月7日(水)朝日新聞朝刊に記事が出ました。上手にアップできず断念しましたが、ぜひ、読んでくださいね。

厚生労働省から4月30日に通知が出ましたが、この通知を引き出したのは、患者の要望(私が全国のみんなの声を国会議員に届けました)であること、通知が出ても、熱心な自治体は動いてくれるだろうが、がんに関心のない自治体では周知がされていない恐れがある。だから、患者や家族が、どんなふうに介護保険を使ったらいいのか、もし、低い要介護度が出たら、厚生労働省の通知が書いてある記事を持って、自分たちで、自治体に意見を言ってもらえるようにしてほしいというものです。

7月4日に千葉県で行った公開講座では、「この通知が出た後、1週間で認定まで行くようになり、助かっている」「申請した当日に調査が入るようになった」などの声が届けられました。でも、他県はどうなのか・・・。はがゆい思いです。
我孫子方式は、認知症だけでなく、がんにも適用されていて、申請者を一律「要介護2」とみなし暫定プランを組んでいると記事にありました。これって、いいと思いませんか?

今まで介護保険について書いたブログ
4月20日 がん末期の介護保険認定を迅速に

5月2日 末期がん等の要介護認定について(厚生労働省)

2010年7月6日火曜日

【ホスピス・在宅ケア全国大会】いのちのおわりにみみをすます

藤田敦子のひとり言【緩和ケア】

早いものですね。
2年前に幕張メッセで全国大会を開催したことが夢の出来事のようです。

第18回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会in鳥取

いのちのおわりに みみをすます

7月10日(土)、11日(日)於:とりぎん文化会館

大会会長は、野の花診療所の徳永進さん
(この学会は先生と言ってはいけないのです・・・)

すでに事前申込は終了しています。

講演者はすてきな方ばかりです。スケジュール
2日目には、市民公開講座もあります。

「死を包む言葉」
 谷川 俊太郎×玄侑 宗久×よしもと ばなな

わたしたちの素敵な工夫大会 など
徳永ワールド満載です。

私も、1日目はコミュニティ部会と素敵な工夫大会に行きます。
2日目はポスター発表をします。
理事会があるので、金曜日から行って来ます。

学会でお会いしたら、声をかけてくださいね!

2010年6月25日金曜日

グリーフケア研究所が上智大学に移管

藤田敦子のひとりごと(緩和ケア・ピュアの活動)

先日、スピリチュアルケア専門職プログラムを受けに神戸・大阪へ行ったときに初めて知りました。

神戸の脱線事故後の遺族ケアの必要から、聖トマス大学に日本で初めて作られた「グリーフケア研究所」ですが、2010年4月に上智大学へ移管されました。研究所の所管は、当面トマス大学におかれると書いてありますが、ゆくゆくは上智大学に移るのでしょうか?

上智大学グリーフケア研究所のホームページです。

ピュアの7月4日在宅緩和ケア公開講座で講師になっている水野冶太郎氏は、5月17日に行われた記念式典で講演されているんですね。日野原先生や高木先生も講演されたんですね。もっと早く知っていれば行ったのに、残念です。

スピリチュアルケア専門職プログラムのスーパーバイザーの谷山洋三氏や伊藤高章氏も、グリーフケア研究所に関わっているのですね。

終末期医療のあり方に関する懇談会でも、グリーフケアの重要性を取り上げていただきました。そして、今回、がん対策推進計画の中間報告でも触れてあります。
これから、もっともっと、必要になるケアだと、私は思っています。

患者と家族の生き方を支えるチカラ・・その一つにグリーフケアがあります。

2010年6月22日火曜日

がん患者必携が完成!携帯サイトもあります!


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

国立がん研究センターがん対策情報センターからお知らせが患者・市民パネルに届きました。

がん患者と家族が待ち望んでいた
患者必携―がんになったら手にとるガイド、
 わたしの療養手帳
 各種がんの療養情報(16種)

         ついに、完成しました!!

これから、配布や普及について、検討を進めていきますが
どうぞ、自分に必要な箇所をダウンロードして使って下さいね!

このガイド作成に関わった一人として感無量です。
この「患者必携」を医療者と患者・家族の対話のツールとして使って頂きたいと願っています。
そして、患者さんが自分らしく生きる為に、この患者必携が、少しでもお役に立てますように。

【1.患者必携(完成版)を公開しました】
患者必携(完成版)は、がん情報サービスからPDFファイルをダウンロード、印刷することができます。現在、携帯電話で参照できるサイトの公開や冊子体の配布計画について検討しています。詳しくはリンクをご参照ください。
がん情報サービスhttp://ganjoho.jp/
患者必携(完成版)http://ganjoho.jp/public/qa_links/hikkei/index.html

携帯サイト(パソコンではエラーになります、携帯のみ対応)
患者必携のパソコンにバーコードを入れてあります。
http://ganjoho.jp/m2/

【2.がん対策推進基本計画の中間報告が公表されました】
5月16日に昨日厚生労働省から発表された、がん対策推進基本計画の中間報告でも、患者必携を含めたがん医療の相談支援・情報提供について、触れられています。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html

「がん医療に関する相談支援および情報提供(進捗状況)より」
がん患者にとって必要な情報を取りまとめた患者必携については、がん対策情報センターが平成21年6月試作版を作成し、患者等の意見を反映し、修正を加えた上で、平成22年度から、がん対策情報センターのホームページに掲載するとともに、配布を開始する予定である。

(今後の課題等に係るがん対策推進協議会の意見)
がん対策情報センターが作成するパンフレットの種類は着実に増加しており、また、パンフレットや患者必携等はホームページに掲載され、誰でも入手可能となり、情報提供が進んでいる。今後は、患者が必要とするがん情報や提供方法を定期的にモニタリングすることにより、提供する情報や提供方法を見直すことが重要であり、これに伴い情報提供に関する指標の再検討が必要である。そのためには、患者や国民の視点に沿った情報や提供媒体を増やすため、情報の作成プロセスに、患者及びその家族を始めとする国民の意見を取り入れる活動を推進すること、がん対策情報センターの提供する「がん情報サービス」ホームページの認知率をあげることが重要である。その際、がん患者の意向を踏まえると、住み慣れた家庭や地域での療養を選択できるようにするための相談支援及びその情報提供を行うためのサポートセンターの設置並びに地域の療養情報の提供が重要である。

2010年6月20日日曜日

第15回日本緩和医療学会学術大会に参加して

リポーター陽子のがん情報
2010年6月18~19日、東京国際フォーラムで開催された「第15回 日本緩和医療学会学術大会」に、NPO法人キャンサーネットジャパンの「学会へ行こう スカラーシップ」というプログラムで、参加してきました。

医療者でも福祉関係者でもない一般市民が、医療の学会へ参加なんて場違いではないかと不安な気持ちを抱きながら会場へ。でも、参加するシンポジウムやパネルディスカッションは、興味深い事ばかりで、とても刺激的な二日間になりました。

今日は、全体を通して感じたことを書いてみたいと思います。

18日午後のシンポジウム「遺族による緩和ケアの質の評価―J・HOPE研究から見えてくるもの―」では、患者として、一市民としての気づきがありました。
それは、緩和ケア病棟の患者さんが亡くなった後にご家族に「グリーフカード」を送付するというお話を聞きながら「そういえば、3年前に父を看取った時、お葬式が終わり落ち着いた頃、病院からグリーフカードではなく、請求書が来たな」などと思っていました。その時「ご家族にお送りしているけれど、ご家族はどのように思っていらっしゃるのか……」というパネリストの声が聞こえてきました。その声にどきっとしたのです。そして、医療者や病院がしてくれる心遣いに、私たち患者や家族は「ありがとう」の一言を伝えていないのではないかという事に気づいたのです。

医師と患者のコミュニケーションというと、医療側ばかりに非があるように語られる事が多いのですが、私たち患者や市民も、心を尽くして医療者と対話できているだろうか、とちょっと反省したのでした。

19日の午前には、楽しみにしていた「非悪性疾患の緩和ケア」というシンポジウムに参加しました。そこで聞いた「がんだけに緩和ケアが必要なわけではない」「高齢者の場合、いつからが終末期かがわからない」という事は、父を介護した家族の実感としても思っていたこと。また「悪性疾患と同様、早い時期からの緩和ケアが必要。“要介護”と認定された時からの緩和ケア」という話には、高齢となり健康上の不安からドクターショッピングのようなこともしていた父の姿を思い浮かべ、超高齢社会の今、一刻も早く、この考えが臨床の場で活かされる事に期待したいと思う。

午後のパネルディスカッション「実証研究から見るスピリチュアルケアの方向性」では、5月から始めた「船橋がんサロン」の運営のヒントとなる話でした。

このパネルディスカッションの「がん患者サロンにおける患者の「語り」を患者が「聴く」ことの意味」という発表では、患者が自らから病を語ることの意味、それを患者が聴くことの意味、そして「患者会」とは違う「がんサロン」というものです。

患者や家族が語り合うことの意味についての哲学的考察を聞くことができ、がんサロンへの思いを新たにすることができました。







2010年6月14日月曜日

がん難民を作らない―国立がん研究センターの使命

藤田敦子のひとり言(がん対策)

国立がん研究センターのホームページに新しい動きを発見!

理事長あいさつ
新生国立がん研究センターの新たな取り組み
がん専門相談員や新しい外来が入りました
組織図
情報公開(治療成績)

なかでも必見なのが
理念・使命

理念
1.世界最高の医療と研究を行う
2.患者目線で政策立案を行う

All Activities for Canser Patients

職員の全ての活動はがん患者の為に!


使命1.がん難民をつくらない
“がん難民”とは、がんが進行して抗癌剤等の積極的な治療が受けられなくなり、主治医から見捨てられたと感じるときや、現在自分が受けている医療に満足できないと感じるときに使われる言葉です。患者と医療スタッフとのコミュニケーションや情報共有の不足も原因のひとつです。
1.医師・看護師・がん専門相談員を含む医療スタッフと患者とのコミュニケーションと情報の共有
2.最先端治療・治験などの情報提供
3.がん治療の標準治療と現在のがん治療のリスク・ベネフィット限界についても説明
4.治療開始時から、緩和ケアについて説明
5.緩和病棟の新設
6.地域の病院・緩和施設・在宅緩和ケア医との連携
7.現代医学では治療困難な患者に対する運動・栄養療法(代替療法)の開発と情報の提供

使命2.調査 
  日本のがん患者の実態把握
使命3.研究 
使命4.技術開拓
使命5.先進医療の提供
  国立がん研究センターでしかできない治療など
使命6.教育
  がん医療や研究でリーダーとして活躍する人材を育成する
使命7.政策立案
  がんの専門家集団としての政策提言
使命8.国際がんネットワーク

がん患者必携の必携普及啓発ツール検討班のひとりとして、患者・市民パネルとして、ワクワクした2年になりそうです。
限られた病床数のなか、本当に、がん難民を作らないことができるのか、地域とどう連携をしていくのか、目を離さずに見守っていきます!

2010年6月12日土曜日

国立がん研究センター新たな動き

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

6月9日に国立がんセンターがん対策情報センターで患者・市民パネル100人の委嘱状交付式があり、行ってきました(がん対策情報センター:左・渡邊様、右・若尾センター長補佐)。現在公開されている「がん情報サービストップページ」


一番の関心は、国立がん研究センター理事長に就任された嘉山新理事長がどんなビジョンを言われるのか。そして、次は、がん患者必携が、どこまで配布可能になっているかでした。

嘉山理事長は、闘志満々という印象で、「日本のがん医療を世界一に」と言われていました。
次の日に、記者会見が行われました。

嘉山理事長は、「患者の目線」に立った政策立案が重要だと強調。「患者のベネフィットがある登録制度にすれば、(患者も)協力してくれるはずだ」と述べ、3-4割にとどまっている登録率の向上に期待感を示した。現在は厚労省と登録内容について検討している段階と説明し、1年以内の運用開始を目指すとした。会見では、このほか、理事長就任後の約2ヵ月間の新たな取り組みについて説明をした。がん専門相談員が患者の相談に応じる「がん相談支援センター」では、従来は同センターを受診している人や、がん検診の受診を考えている人の相談にも応じる。また、診療の内容・実績や抗がん剤の治験情報のホームページ上での公表を始めた。

患者・市民パネルの席上で、私は「患者が一番知りたいのは、どんな治療があって、どこでそれが受けられるか」と発言しました。「がん患者必携に掲載されている順に、ホームページに載せて学会の情報へリンクしていく形がいいと思う」とも。これから2年間、患者必携をどう皆様のお手元に届けることができるか、また、がん対策情報センターの発信する内容等に意見を述べていきます。

がんになってもひとりぼっちにならない社会。
医療者と患者・市民が手を携えて、一緒に作っていきたいですね。
そして、医療だけでなく、コミュニティ全体で! それが私の夢です。

2010年6月9日水曜日

昨年のがんによる死亡者、過去最多を更新

リポーター陽子のがん情報
2010年6月7日、キャリアブレインのニュースによると、昨年のがんによる死亡者数は前年比991人増の34万3954人と過去最多で、1981年以降、死因順位の1位になっているとか。

この記事にも「がん対策推進基本法で、がんによる死亡者を減少させることを掲げている」ことが書かれています。
がんによる死亡者数を減らすためにも、がん検診は重要で、この基本法でもがん検診受診率50%を目標に掲げています。

厚労省のがん対策推進協議会の5月28日の議事録には
平成21年の世論調査で、97%の人ががん検診は重要であると回答しているとあります。
でも、がん検診受診率50%の目標は、未だ達成できていません。

思っているのに、実行に移せないのは、何故か。
実行に移さないのは何故か。

これまた、今までも繰り返し言われていることですが
休めない職場環境や、がんの知識がないことから、受診に結びつかないのではないでしょうか。
休めない職場環境の中には、先のこがん対策推進協議会議事録に、次のような事が書かれています。
「がん検診が労働安全衛生法で義務づけられていないから、職場で積極的にがん検診を勧めない」ことが理由の一つとして上げられています。

これは、とっても悲しい理由だと思いました。
そして、このような事が理由に上げられることこそ、がんの正しい知識が普及していないことの現れだとも思いました。

また、がんは怖い……その思いからがん検診に足が向かない人はいらっしゃいませんか?
確かに、がんは怖い病です。
でも、早期発見・早期治療により、怖い病ではなくなるのです。
がんは「怖い」というよりは、「侮れない病」というのが、患者になっての私の感想です。

がん検診に行きましょうね。

2010年6月6日日曜日

全国に広がるがん対策条例!

藤田敦子のひとりごと(がん対策)


参議院議員選挙が気になる今日この頃、各地のがん対策委員から
「6月の議会で、がん条例ができます」という威勢のいい声が聞こえてきます。
現在できているのは,
島根県、高知県、新潟県、神奈川県、長崎県、奈良県、徳島県、愛媛県
市町村で、島根県出雲市、和歌山県岩出市
今、条例づくりに動いているのは、
秋田県、岩手県、群馬県、岐阜県、京都府、鳥取県、鹿児島県、沖縄県
がんナビニュースが条例の報告を流していました。
あ~あ~、千葉県はどうなってしまうんでしょうかね~。

みんな知っています?本当は一番のはずだったんですよ。
千葉県にがん対策推進条例を  がん条例第二弾


この条例を作ろうと、全国で動いているのは
月1回の定例会を開催を主にしている患者会が中心なんです。
議会や医療者や行政や、あいさつの連続で大変な作業なんです。

ピュアみたいに、定例会やって、がんサロンやって、病院でボランティアやって、200名の講演会準備をしているみたいに同時進行で、事務局が5つもかかえている組織はありません。
一番乗りのはずが、一番ビリになるのかしら・・。
それでも、できればいいけど・・・。最後までできなかった県と言われたりして・・。

ほかの活動すべてやめて、がん対策条例を作る動きに没頭するのと、
今やっている活動を一生懸命やっていくのと
千葉県の皆さんはどっちがいいですか?
ときどきね、すべてやめて
まっさらになって、がん条例を作ることに集中したいと思ってしまうんです。
ほかにも、全国で可能にしていることをやってみたいと思ってしまうんです。
大切な6月。この6月をどう動いたかで、来年が決まってしまう。

がんナビに、条例を作るとどんなにいいことがあるか、そしてあなたにできることが書いてありました。このブログを読んでくださっている「あなた」。動き始めてみませんか?

都道府県委員も、議員活動なんて、やったことがない人ばかりでした。それでも一つずつ、可能にしています。きっと、あなたにもできるはずです。

さて、私は6月13日の「心を育むワークショップ」、6月14日の「船橋がんサロン」、7月4日の「在宅緩和ケア公開講座」、この3つの事務局をやらなくては。とくに、7月4日は、定員200名ですから、力が入ります。皆様、参加申し込み、お待ちしております。

千葉県にはたくさんの力があるんだもの。きっと、条例を作る動きも出てくるはず。うん。まずはのどの炎症を治して、元気を出して、明日もがんばろう!

2010年6月5日土曜日

心を育むワークショップ2010

NPO法人ピュアは、「自分らしく最後まで生きたい、暮らしたい」と、
どこに住んでいても、いつでも、ホスピスケア(緩和ケア)が届くように、知識を深め、広めて、手足になって、意見を伝えて、がん患者と家族の在宅療養を支援する活動を行っております。

今回の企画は、会員限定企画です。4回を一つのセットとしています。
「誰かをサポートする」家族を介護する、またしていた。患者を患者がサポートする・・・。
会員同士が、こころとからだをリフレッシュし、お互いの胸の内を語りあえるように、年4回を通してワークショップを開催いたします。フリートークの時間を設けています。

NPOピュア 心を育むワークショップ2010

①6月13日(日) カラーワーク等
②9月12日(日) ゲシュタルト・セラピー等
③12月12日(日)SGEワーク等
④3月13日(日) コラージュ・ワーク等

場所:千葉大学(西千葉)人文社会科学研究科棟3階福祉環境交流センター

詳細は、ピュア事務局pure-jime@wind.sannet.ne.jpへご連絡ください。

2010年6月2日水曜日

がん緩和ケア:患者と家族の生き方を支えるチカラ

がん緩和ケアは、患者と家族(遺族)の「苦悩」に向き合うことが大切です。
長年、「苦悩」に向き合ってこられ、「痛みの分かち合い」を行ってきた水野氏より、「グリーフケアの先にあるもの―人間の成熟性」についてお話しいただきます。「悲嘆が悲嘆を癒す働き」に「苦悩を生きるチカラに変える構成主義・ナラティブアプローチ」を加えられ、実践を始められています。

後半のパネルディスカションでは、緩和ケア病棟と在宅との連携や支援組織の働き、実際に家でみとられたご家族よりお話をいただきます。

在宅緩和ケアを考えている方、安心して家で暮らし続けたいと思っている方、またケア提供者のご参加をお待ちしております。事前申し込みは6月30日まで。
参加者に、「在宅療養を支えるすべての人へ」を1冊贈呈します。

第16回在宅緩和ケア公開講座
「患者と家族の生き方を支えるチカラ」

平成22年7月4日(日) 13:00~16:00
千葉大学(西千葉)法経学部105教室
参加費:無料、定員:200名

基調講演 水野冶太郎氏(麗澤大学名誉教授)
「グリーフケアの先にあるもの

パネルディスカション
渡辺 敏(千葉県がんセンター緩和医療科部長)
浮谷勝郎(浮谷クリニック院長)
藤田敦子(千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)
患者家族(御家族を家で看取られた体験者)

詳細は、NPOピュアホームページにて

2010年5月24日月曜日

船橋がんサロン「ここにおいでよ」

ピュアからのお知らせです。船橋がんサロンに名前がつきました。


船橋がんサロン「ここにおいでよ」
ホームページもできました。


次回は、6月14日(月)10:00~11:30
船橋中央公民館です。


場所など、上記ホームページでご確認くださいね。
まっていま~す。 

2010年5月23日日曜日

がんの治療費は高額

リポーター陽子のがん情報
ここのところ、がんの高額な治療費についての新聞報道を目にすることが多いなか、イギリスから飛び込んできたニュースがあります。
それは「英 国のスーパーで、高額ながん治療薬が原価販売」というものです。

日進月歩するがんの医療。
しかし、高額な治療費のため、医療を断念する患者さんもいらっしゃるとか……。

高額療養費制度があるものの、一度は自己負担分を支払う必要があります。
この時間差も問題だし、そもそも、高額療養費制度そのものの認知度も問題かもしれません。
かくいう私も、高額療養費制度のことは知っていても、自分がこの制度を利用するまでは、詳しい内容は知りませんでした。
例えば、同じ医療機関でも通院と入院は別とか、同じ放射線治療でも月をまたがって受けた治療はその月ごとに計算されるなどです。

厚労省でも、この制度の見直しを検討しているというニュースを目にしました。
これは、いいニュースと思ったのですが、ちょっとした疑問が湧いてきました。

「見直しをする」ではなく「見直しを検討する」ということは、結局「見直し」ではなく「検討」であって、見直す訳ではない……なんともややこしい、官僚言葉にお役所仕事的匂いが……

2010年5月20日木曜日

がんの介護保険特定疾病に「末期」は必要なの?

藤田敦子のひとり言(がん対策)

介護保険に対して、連続して意見を書いています(がんの介護保険を迅速に)。
40歳から65歳未満の第2号被保険者の特定疾病に「がん」が入りましたが、「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る」とされています。

がん対策基本法で、がん患者と家族の療養生活の質の維持と向上を目的に、緩和ケアを推進することになり、早期からの緩和ケアがうたわれています。
私も、がん対策に関する意見交換会で、緩和ケア病棟に入れるのが「末期の悪性腫瘍」となっていては、早期からの緩和ケアにならないと訴えました。在宅医療の補完やレスパイトの機能をつけること、地域と連携を行い、緩和ケア外来を充実させて、と伝えました。

今、治療の段階から、治療病院と地域の病院や診療所とつながっていく方式が取り入れられています。2010年度の診療報酬では、「がん治療連携計画策定料」「がん治療連携指導料」が新設されました。

患者と家族が、寝たきりになってから、あわてて申請するのではなく、もっと早期から、介護保険を使って在宅療養を送ろうと思って、申請することが大切ではないでしょうか。
介護保険の制度や財源問題から、ほかの疾病のように使える範囲を決めたとしても、ほかは「骨折を伴う」とか「初老期」とかそういう言葉です。

患者が見る介護保険の案内にショックを与える文言を入れる必要はないと思います!!
緩和ケア病棟と同じく「早期からの緩和ケア」を望みます!
緩和ケアを「死を待つだけのあきらめの医療(ケア)」にしないでください。

2010年5月19日水曜日

第一回、がん患者と家族の集い、無事終わりました。

リポーター陽子のがん情報
17日、船橋中央公民会で開いた「第一回、がん患者と家族の会」
何名の方が参加してくださるのだろう
ドキドキしながら会場準備。
一人、二人と集まって、出席人数16名

一人ひとり、心の内を口にして
みんなが、大きく頷いている
その光景を目にした時

こんな集いが、船橋市内でもっと増えればいいのに……
近隣の市や千葉県中の、がんサロンのネットワークが作りたい……
と夢が広がりました

そのためには、まずはこの集いを続けること
継続は力なり!

2010年5月17日月曜日

長妻大臣と語る「みんなの介護保険!」行ってきました


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

5月15日に、厚生労働省で長妻大臣と語る「みんなの介護保険!」意見交換会があり参加してきました。(がんの介護保険迅速化についての御礼も言ってきました。そして別のお願いもしましたが、それはまた後日に書きます)



テーマは「利用者・家族の立場から、現行サービスの課題・改善点の提起」

午前中にほかの会議があったので、全体の事前説明に間に合いませんでしたが、自己紹介なども行ったようです。12人ぐらいを1グループにして、6グループありました。1グループに2人、課題を提起する人がいて、私は、施設の利用者・利用者の家族のグループでした。課題に対して、ポストイットに意見を記載し、発表します。そして、次に同じように、解決等についてポストイットに書き、意見を出しながら、提言をまとめます。最後に、それぞれのグループから発表を行います。な、なんと、どうも、初めての試みだったようです。私も介護保険に対してたくさんの意見を伝えてきました!


この意見交換会は、NHKでニュースになりました。



厚労相“介護者の医療行為容認も”


長妻厚生労働大臣は介護サービスの利用者やその家族との意見交換会に出席し、在宅サービスを充実させるため、たんを吸引する行為など一部の医療行為をホームヘルパーが行うことを認める方向で、制度の見直しを検討する考えを示しました。


この意見交換会は、介護保険制度が始まってことしで10年がたったことを受けて厚生労働省が開いたもので、介護サービスの利用者やその家族などおよそ70人が参加しました。会合の中で、長妻厚生労働大臣は「皆さんの意見を聞いたうえで、来月には新しい介護の将来像をまとめ、よりよい介護保険制度を検討していきたい」と述べました。そのうえで、長妻大臣は「利用者から要望が多い医療行為については、ホームヘルパーでも、一定の研修を受けたうえで行えるようにしていきたい」と述べ、在宅サービスを充実させるため、口の中にたまったたんを吸引する行為など、一部の医療行為をホームヘルパーが行うことを認める方向で制度の見直しを検討する考えを示しました。会合の中で、出席者からは「介護職員の数が不足しており、もっと報酬を上げるべきだ」といった意見が出されました。


2010年5月12日水曜日

ピアカウンセリング


リポーター陽子のがん情報
ピアとは、同じ仲間という意味
がんという同じ病の者同士が
語り合い・支え合う活動が
ピアカウンセリングの基本

でも、同じ病の者同士が
語り合うメリットって何だろう

ピアカウンセリングに興味を持ち
アメリカでは、普通に行われているこの活動が
日本にも根付いてほしいと思いながらも
心のどこかにあった疑問

5月9日「つくばピンクリボンフェスティバル」に参加して
主催のNPOの方に聞いたお話で、その疑問が解けた


↑(つくばピンクリボンフェスティバルで、会場周辺をピンクリボンを持ってウォークする参加者
  老若男女、年齢層も幅広く、つくばという土地柄からか国際色も豊かでしたよ)


「同じ病の人という安心感から
胸の内をすっかり吐き出すことができる。
そしてその時、自然に出てくる笑顔。
その笑顔を思うと、続けていかなければと思う」

そっか……
同じ病という安心感
それは、同じ病という者だからこその絆

船橋で来週の月曜日に初めて開く「がんサロン」
コツコツ続けて行きたいなと、改めて思う

ところで、つくばのピンクリボンフェスティバルの会場で
県の職員の方にお話を伺うと
茨城県では「総合がん対策推進計画―第二次後期計画―」の中で
がん患者・家族支援の推進というのを掲げている。
その中では「体験者によるピアカウンセラーの養成」をうたい
相談支援センターと連携したピアカウンセリングを実施するとしている。
ピアカウンセリング事業は
NPO法人つくばピンクリボンの会に委託され
現在2ヶ所で行っている相談事業を
今年の10月以降は、4ヶ所に増やそうとしているそうだ。

翻って我が千葉県を見てみると
千葉県がんセンターで2名のピアカウンセラーが
相談にあたっているという。

千葉県がんセンター・ピアカウンセリング
NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉HP





2010年5月8日土曜日

船橋にも、がんサロンを

リポーター陽子のがん情報
5月17日に開く「第一回がん患者と家族の集い」は、島根県で始まった「がんサロン」をモデルにしています。
その島根県で昨年、全国がんサロン交流会in島根が開かれました。
がんサロンは「皆で支え合って楽しむところ」だと、大会会長の佐藤愛子さん。
そんながんサロンには、看護学生が訪問することもあるとか。
真摯に生きる患者さんに会うことで、多くの気づきを得ているとか。

船橋にも、そんな拠点ができればと思って第一回がん患者と家族の集いを開きます。
問い合わせの電話の向こうの声に、同じ思いを感じます。

第一回がん患者と家族の集い
5月17日(月)10:00~11:30
船橋市中央公民館・第1集会室

2010年5月2日日曜日

末期がん等の要介護認定について(厚労省)

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

4月20日に参議院厚生労働委員会にて、「末期がんの介護認定を迅速してほしい」と梅村議員より質問をしてもらいました(梅村議員の質問は、こちらのブログを参照くださいね)。
早速に動きがありました。

4月30日に、厚生労働省老健局より、介護保険最新情報として、「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」事務連絡が、都道府県及び市区町村等介護保険主管課(室)あてに出されました。

一歩前進しましたね。早急な対応をありがとうございます。

さて、介護保険制度の範囲内の対応のため、意味しているところがわかりづらいと思いますが、患者側からのお願いとして書かせていただくと

介護を必要とさせている特定疾病名が、がんの場合は、主治医意見書に必ず書き、迅速な対応をお願いいたします(事務連絡では第2号ですが、第1号でも急を要する場合は必要だと思います)。姫路市が作った至急扱いの主治医の添付書類も参照ください。病院の主治医の方にも徹底してほしいと思います。

保険者が、急を要するかどうかの判断を、申請時にすることは難しいと思いますので、同日のうちに認定調査を実施し、直近の介護認定審査会で二次判定を行い、要介護認定を迅速に出してほしいです。
ここで再度のお願いですが、間違っても、「要支援」にすることのないようにお願いします。ADLは保たれますから、寝たきり度や問題行動で、がんを判断しないでください。パワーリハビリをするなんてありえないことです。徘徊する認知症の方が要支援にならないのと同じ考え方です。

訪問看護は、末期がんは医療保険で入りますから、介護保険で使用するのは、福祉用具(ベッドなど)、ヘルパー、訪問入浴あたりでしょうか。介護保険で訪問看護を使っている場合、そのまま介護保険で入っていくケアマネジャーもいますし、一人暮らしの場合、必要になるサービスは増えますね。夜間対応型ヘルパーが増えてデイホスピスなどもあるといいですが、これからの課題になりますね。

ほかにもいろいろありますが、この事務連絡によって、各都道府県及び市町村単位で、がん患者の介護保険について問題点を洗い出し、適切な要介護認定の実施及び介護サービスの提供を図っていただきたいと思っています。国へ要望するだけでなく、介護保険以外の公的サービスを作り出していただければ嬉しいです。

申請をする患者側も、患者本人は認定調査が来ると、無理をすることがありますから、普段の状態などを伝える努力も必要だと思います。ネガティブな「末期」という言葉はう~んと思っていますし、外来化学療法をしていると、いつが申請時か患者側にはわかりませんが、介護申請をしようと思ったら、認定の迅速を図れるようにしてほしいのです。

一番大変な思いをしているのは、がん患者と家族だもの。
皆様のご協力を平にお願いいたします。

2010年5月1日土曜日

がん患者と家族の集い

リポーター陽子のがんいろいろ情報
5月17日、船橋市中央公民館(第一集会室)で、第一回がん患者と家族の集いを開きます。
船橋市にも、がんサロンがあってもいいのでは……、患者となってから、ず~っとそう思っていました。

そんな思いが通じたのか、NPOピュアの主催で第一回目を開くことになりました。
世話人は、私ともう一人、共にがん患者です。
患者も家族も、がんと向き合うことが、辛い時もあります。
でも、同じ体験を通して分かり合える仲間がいます。
ここに集い、共に支え合うことを感じてもらえればと思っています。

第一回 がん患者と家族の集い
5月17日 船橋中央公民館・第一集会室
10:00~11:30

問い合わせ:m-sumire@knd.biglobe.ne.jp


2010年4月22日木曜日

化学療法の副作用(嘔吐・悪心)

レポーター陽子のがんいろいろ情報

私は、幸いにして、化学療法を経験していない。

でも、化学療法(抗がん剤)をうけ
その副作用に悩まされている方も多いと思う。

何より、これから受けるという方は
不安で一杯だろうと思う。
その不安には「抗がん剤=嘔吐」ということが
あると思う。
私もその一人。
知人が、抗がん剤治療を初めてうけるという時
恐る恐る「大丈夫?」とメールしたら
「大丈夫!! 体力維持と運動不足解消のため
ただいま、スクワット中」と
元気なメールが帰ってきて
ほっとするやら、びっくりするやら
したことがあった。

日経メディカル オンライン/癌Experts
第8回日本臨床腫瘍学会学術集会での
癌化学療法による悪心・嘔吐の制御についてのお話
が載っていた。
それによると

化学療法の悪心や嘔吐には
予測性、急性(投与中から24時間以内)と
遅発性(24時間以上たってから現れる)がある。

悪心・嘔吐のリスク因子としては
50歳未満の若年者、女性、アルコールの常用がない

乗り物に酔いやすい、妊娠に伴う嘔吐経験などのほか

前の治療で経験した人や、副作用の不安の強い人に
予測性の症状(治療を受ける前に症状があらわれる)という。
そのためにも、最初の治療から悪心や嘔吐のコントロールが必要とか。
また、消化管閉塞や脳転移、オピオイドの増量などの
化学療法以外のことが原因で起こっている悪心・嘔吐もあるため
その鑑別も必要。
世界的な標準治療の流れとしては
急性と遅発性療法の悪心・嘔吐を抑える方向にあるという。
パロノセトロンというものが、急性・遅発性の両方に効果があるのだとい う。

ところが、このパロノセトロン。
西洋人と日本人では、その用量に違いがあるというから不思議。
海外ではパロ ノセトロン0.25mgが承認されているが
日本の臨床用量はその3倍の0.75mgの処方なのだという。
いずれにしても
高い頻度で悪心・嘔吐の副作用が出るといわれる化学療法を受ける場合は
このパロノセトロンがキーとなる薬剤という事らしい。

この記事の中

「患者が経験する悪心・嘔吐と医療従業者の認識にずれがある」

という事が書かれていた。
特に、遅発性(24時間以上経ってから出る副作用)について
医療者と患者の間で認識のずれがある。
要するに、24時間以上経って出た悪心や嘔吐の副作用について
医療者が把握しきれていないという事らしい。

これは、医療者ばかり責められない。
外来での治療が多いなか
24時間以降の副作用に関しては
患者が報告しない限り、医療者は知ることはできないだろう。
たとえ、わずかな変化でも
患者は医療者に伝えることが大切なのだと思う。

これは、後々の信頼関係にもつながる事。
患者は面倒がらず
自分の症状を報告し
医師も面倒がらず
しっかりと聞いてもらいたいものだ。

こんな時、いつも思うのは
患者と主治医と
交換日記のようなものがないだろうか
いや、ラブラブな交換日記ではなく
症状管理日記のようなもの

今後、実用化される「患者必携」には
そのような機能もついているのだろうか……


2010年4月20日火曜日

がん末期の介護保険認定を迅速に

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

行動星生まれの藤田敦子です(笑)。
都道府県がん対策患者委員が一堂に会した「がん政策サミット2010」の成果を具体化するために、サミットでお会いした民主党の梅村聡議員と、18日に大阪で日本ホスピス・在宅ケア研究会の理事面々と一緒に面談してきました。
今日、参議院厚生労働委員会で、梅村議員が、がん末期の介護保険の問題について切り込んでくださいました(インターネット中継4月20日梅村議員40:50頃)。私がお渡しをした研究会誌「ホスピスケアと在宅ケア」の、姫路市介護サービス第三者評価機構が投稿した「末期がん患者が十分な介護サービスを受けるための介護認定システム確立について―医療から福祉へ患者をどう繋げるか―」から、抜粋して質問をしてくださいました。

父が最期を迎える時、あろうことか、要介護4が要介護3に下がってしまいました。父は亡くなる直前まで自己負担が多くなると気にしておりました。ケアマネジャーから区分変更が行われ、死後、要介護4の通知が届きましたが、どんどん体力が落ちて食事もとれなくなっているのに、介護度が下がるなんて信じられませんでした。

講演会の中で、市川市医師会から、「介護保険申請をすると、即日もしくは翌日には認定調査に入って、意見書も至急取り付けて、直近の認定審査会で審査して、1週間で介護認定ができる体制をとっている」とご報告がありましたが、ほかの市では、なかなかそこまではいかず、認定は約3週間かかり、認定がおりる前に亡くなる人もいて、未認定のまま介護サービスを使っている場合は、患者の自己負担になるか、ケアマネジャーか事業所が負担している。また要支援になる人もいて、区分変更のやり直しがあり、それだけ手間をかけてもケアマネジャーの報酬は同じで評価は低く報われない等々、現状の報告がありました。

先のアンケート調査で、区分変更を行ったときの、最初の認定結果は、要介護1が48.6%、要支援1が25.7%、要支援2が20.0%、要介護2が5,7%でした。その後、区分変更を行った結果、要介護3が39.4%、要介護5が21.2%、要介護4が15.2%と、半数以上が要介護3以上になっています。

私は、がん末期(本当は末期もいらないと思っています)で、介護保険申請をする段階なら、即、要介護3でいくべきだと思っています。ADLの認定調査も必要ないと思います。意見書に、「がんで在宅サービス必要」にチェックしてもらって、それを直近の認定審査会で審査すればいいと思います。

2人に一人が、がんになる時代です。40歳から介護保険料を支払った国民が、いざ使おうとしたら、認定に時間がかかり、また、認定結果が現状に合わないために、十分な介護サービスを受けられないなんて、あってはならないことだと思います。
この問題について、国は迅速に解決してもらいたいです!

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4月30日後記
介護申請の過程を迅速にできない現状をなんとかしてもらいたいです。
認定調査、意見書、認定審査会のそれぞれの問題を解決してください。
10日間を判定できる仕組みが必要なんだと思います。

4月30日同日に厚生労働省から事務連絡が出ていました
末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について(5月2日ブログ)
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2010年4月15日木曜日

がん政策サミットで「患者が提案するマニフェスト案」を作成

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

がん政策サミット2010春の総合マニフェストは、「がんになっても不安のない社会を実現するために、当事者の声を反映する仕組みを導入しつつ、すべての国民に、均一化された、最良かつ包括的ながん対策を実施する」です!
ニュースの中から、提出前の記事ですがCBニュース(キャリアブレイン)を紹介します。緩和ケア、在宅ケアともに、マニフェストと施策は、私が入ったグループで強く主張したことが入りました。私は、ほかに「がん登録」の施策も練りました。

がん政策サミットで「患者が提案するマニフェスト案」を作成
(2010年4月12日12:05キャリアブレイン)

日本医療政策機構の市民医療協議会がん政策情報センターは4月10日、11日の両日、「がん政策サミット2010春―患者と議員が作るマニフェスト―」を東京都内で開催した。都府県のがん対策指針協議会などの患者関係委員や、公募によって選ばれた全国の患者リーダーなどが、10日は48人、11日は45人参加。厚生労働省のがん対策推進協議会が9日に長妻昭厚労相に提出した11年度の「がん対策に向けた提案書」などを基に、「患者が提案するマニフェスト案」を作成した。サミットは12日まで開催されており、同日には、サミット参加者が作成した「患者が提案するマニフェスト案」を国会議員に説明する議員勉強会を衆議院第二議員会館内で開く予定だ。

患者主体のがん対策の実現に向けて議論を重ねるがん政策サミットは、昨年5月と10月に続いて今回が3回目の開催。サミット初日の10日、同センター長の埴岡健一氏は、「これまでの会は一生懸命お勉強をしていたが、お勉強止まりのところがあったのが少し否めなかった」と指摘。今回は勉強した内容をまとめて、「最後は国会議員一人一人に渡そうと考えている」と説明した。

「患者が提案するマニフェスト案」は、がん関連の政策の全体的な方向性を盛り込んだ総合マニフェスト案のほか、「緩和ケア」「がん登録」「在宅緩和ケア」など個別の10分野ごとのマニフェスト案と、それらを実現するための優先施策などで構成されている。

10日は、個別分野についてグループに分かれてマニフェスト案を話し合ったほか、総合マニフェスト案について全員で意見を出し合った。11日には、それぞれの優先施策を話し合った。

11日時点の「未定稿」によると、「緩和ケア」のマニフェエスト案としては、「早期に国が緩和ケアに関わる医療従事者などの教育システムを確立し、がん患者と家族が満足できる緩和ケアを受けられるような社会を実現する」としている。また、「在宅緩和ケア」では「国が、年度内に、すべての市町村で、自分らしく生き抜くために、患者・家族が希望すればいつでも受けられる在宅緩和ケアシステムを、新たな法整備等によって実現する」とした。

また、これらを実現するための優先施策として、がん対策推進協議会のがん対策に向けた提案書から、「緩和ケア」では「切れ目のない終末期医療のためのアクションプラン」「緩和医療科外来の充実」などを、「在宅緩和ケア」では「医療法の改正」「介護保険法の改正」などをそれぞれピックアップした。

がん政策サミット2010春 マニフェスト完成


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

がん政策サミット2010春~患者と議員が作るマニフェストに参加をし、月曜日の夜戻ってきました。

この政策サミットは、アメリカ等諸外国の患者団体のロビング活動をもとに、日本で行っているのですが、とても患者を対象にしているとは思えないハードさです。今回、都会組は宿泊はなく、自宅から往復したので、少し疲れました。でも、ここに集まっている人たちは、弱音をはかず、やり抜く力を持っています。毎回ご一緒させていただいて、疲れを見せない強靭な精神に、私もがんばらねば、という気持ちになって帰ってきます。

マニフェストは2日間かかって完成させて、4月12日に議員会館で国会議員の方にお渡しをしてきました。全国のがん患者関係者の願いが入ったマニフェストなので、それぞれの政党のマニフェスト作成に反映していただけると嬉しいです。

私が関わったのは、2つ。

3.在宅緩和ケア
「国が、年度内に、すべての市町村で、自分らしく生き抜くために、患者・家族が希望すればいつでも受けられる在宅緩和ケアシステムを、新たな法整備等によって実現する」

4.診療ガイドラインの作成(標準治療の推進と普及)
「年度内に、国が患者・家族が入った作成普及委員会を設立し、患者家族の視点の反映された診療ガイドラインの作成と普及を図ることで、科学的根拠に基づいた安全で質の高い医療を全国どこでも受けられるようにする」
ほかにも、経済的なこと、相談支援、がん登録、検診、就労など、たくさんのことをまとめました。がん対策が進んでいきますよう、これからもがんばります。

2010年4月10日土曜日

がん政策サミット2010春~患者と議員がつくるマニフェスト

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

明日から3日間、がん政策サミット2010春に行ってきます。
今回はいつもと違い、参議院選挙を意識して
患者と議員がつくるマニフェストです。

千葉県のがん対策委員になってから、ずっとこのサミットには
参加をしていて、先行事例を学んだり、条例の作り方を教わったりしました。

千葉県は、大きな患者会がいくつもあるところで
一つの患者会が、県を代表しているところとは大きく違っています。

ピュアは、緩和ケア、在宅ケア全般に対して意見を述べていました。
でも今回は、会員のがんサバイバーが中心になり、島根県で広がっている
がん患者と家族サロンを5月17日に船橋市で始めるところでもあり
がん対策全般に意見を述べてもいいかな~と思っています。

全国のがん患者委員のみんなと英知を絞り
よい成果が得られますように!
では、行ってきます!!

2010年4月2日金曜日

2010年4月定例会「本音でトーク」のお知らせ

ピュアの活動(会員限定の催し:本音でトーク)2010年4月定例会のお知らせです。

「病とともに生きる―自律訓練法に出会って」
4月17日(土)13:00~16:00(13:00開場、13:30スタート、15:30終了予定)
千葉大学人文社会科学研究科棟3階福祉環境交流センター

会員の本村さんから、ご自身のがん患者体験や自律訓練法に出会ったこと、他の患者さんのために講演会での発表や、病院でのボランティア活動、そして、新たに「がん患者と家族サロン」設立に向けたお気持ちなどをお話いただきます。その後、集まったメンバーでお茶を飲みながら、フリートーク。
昨年度の定例会:本音でトークは、5月(映画)、9月(介護体験)、12月(アロマ)、1月(新年会)、2月(ワーク)、3月(ワーク)でした。2月、3月の「こころを育むワークショップ」は好評だったので、今年度も組み込んでいきますが、対象を限定する予定です。会員の皆様には、5月9日(日)総会(船橋勤労市民センター)にてご説明いたしますね。

2010年3月29日月曜日

臨床スピリチュアルケア協会専門職プログラム

藤田敦子のひとりごと(緩和ケア)

2010年3月21日~26日に、大阪にて
臨床スピリチュアルケア協会主催の専門職プログラムPSCC8に参加してきました。

臨床スピリチュルケア協会がどんなことをやっているのか
まったく知らないまま、
代表が、窪寺俊之先生であること
伊藤高章先生が関わっておられること
事務局長が谷山洋三先生であること
ま、それだけで十分かなと思いました、

日本ホスピス・在宅ケア研究会高知大会で伊藤先生の講演を聞き、興味をもちました。
それ以上に、千葉大会の開催前後に起こった嵐がやっと去った今、私自身の振り返りをしなければ、これから先、一歩も前に進めない気がしていました。

ずっと昔から、自分自身を悩ましていた数々の体験、私は相手の心の動きを感じているのに、そこにいる誰一人、同じように受けていないこと。自分がおかしいのか、それとも、人一倍感受性が強いのか。援助者として向き合っていける素質が私にあるのか?遺族体験が私を苦しめることにならないか。

たくさんの不安をかかえながら、6日間の研修を過ごしてきました。
準備の段階で生育歴や家計図を作りながら、すでに振り返りは始まっていました。
そして、病院で、患者さんとご家族に向き合うことを行なってきて、スピリチュアルケアとは、「聴く」のではなく、「話をしてもらう」のだとわかるようになりました。

聴くのは、聞き手が主導的ですが、話をしてもらうのは、患者・家族が主導権を握ります。話をして頂くにしても、聞き手が真剣に向き合わなくては、意味をなしません。言葉を使うのではなく、感情に触れていくのです。だから、技法はいりません。技法ではなく、相手に真剣に向き合えば、心の叫びを受け止めることができます。アドバイスをしなくてもいいのです。ただ、寄り添っていくのです。

通り道をして、最後の最後に、上記にたどりつきました。
そして、自分は、人一倍、感受性が強いのだということもわかりました。このことがわかったことで、私は二度と不安になることはないでしょう。自分の感性を信じていけます。

いま、幸せのベールに包まれています。

病気を抱えて生活する想い、入院して考えておられること、人生の意味、などなど、諸外国ではチャプレンがいて受け止めてくださいますが、日本にはほとんどおられません。
もっと多くの臨床の現場で、スピリチュアルケアを行える人材が育っていくといいですね。
病院で実際に患者・家族の思いを受け止めた今、ニーズは無限にあると感じています。

2010年3月20日土曜日

代替医療って何?

リポーター陽子のがん情報

今週の、パルシス テム・セカンドリーグの公式ブログ
「代替医療って何?」です。

(私は、パルシステム(生協)のセカンドリーグというところで
リポーターをしています。
そこで「誰でも通る延命治療・終末期医療」と題した
ブログを書いています。)

そして、本日(2010年3月20日)
午後10時から、NHK追跡 AtoZで
代替医療の話題が取り上げられます。

ところで、先週のセカンドリーグブログに
コメントの書き込みがありました。
その方のお名前が、なんと「肺癌」さん。
さっそくその方のURLへいってみると
医学的な肺癌情報満載のページ。
でも、各頁の一番下に
「がんが完治」するかのような文章があり
リンクがはってあります。
そのリンク先にいってみると
食事療法についての本か何かの案内ページでした。

長々と書いてある文章は
エビデンスや科学的根拠、分子などという言葉をちりばめたり
患者の不安な心をくすぐるような事が書いてあります。

何か大きな“クエスチョン”が残るページです。
困ったもんです。

2010年3月18日木曜日

免疫療法について

リポーター陽子のがん情報

「免疫療法」は、本当にがんに効くのか……
という話を聞いてきました。

日常「免疫」という言葉を聞いたり、話したりします。
病院の待合室でも「免疫力をあげる」などという
本を読んでいる人を見かけたこともあります。
日常的によく使う言葉だけれど
本当にわかっているのかというと
はなはだ、怪しくなってきます。
で、その時の話も、とっても難しく
理解できたとまではいきません。

でも、確かなのは
抗体療法といわれるもの以外で
有効性が確かめられている免疫療法はない
ということでした。

で、抗体療法とは何かというと
乳がんのトラスツズマブ(ハーセプチン)
悪性リンパ種のリツキシマブ(リツキサン)

大腸癌のセツキシマブ(エルビタックス)にベバシツマブ(アバスチン)

2010年3月16日火曜日

「ドラッグ・ラグ」と「コンパッショネート・ユース」

リポーター陽子のがん情報

ドラッグ・ラグとは
欧米で承認されている医薬品が、我が国では未承認であること。
開発から承認までに要する時間についての調査(日本製薬工業協会)では
米国と日本では平均2.5年のドラッグ・ラグがあるとのこと。

そんな中で、問題になってくるのが「個人輸入」。
欧米で承認されている医薬品を
個人の責任において輸入することは
法的に禁止されていません。
昨今のインターネットの普及に伴い
氾濫する医薬品輸入代行の広告による
安易な個人輸入による健康被害が発生しています。

そこで「コンパッショネート・ユース」の制度の導入が
日本でも必要ではないかと言われています。
やむを得ず未承認薬を使用するコンパッショネート・ユース。
欧米では、重篤な疾患で代替治療法がない場合など
患者や主治医がその責任下において輸入することを制度として認めています。

厚労省の
「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」の報告書(平成19年7月27日)でも
検討すべきではないかとされています。

また、卵巣がん体験者の会スマイリーの代表・片木美穂さんは
次のような「日本版コンパッショネート・ユース制度」を提案しています
それは
「例えば学会が使用を要望しているなど
高い必要性と信頼性が求められる医薬品であれば
先に保険償還する。
保険償還とすることで
医師が療養担当規則(保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的な規則を具体的に定めた厚生労働省令)を破ることなく
混合診療の問題にもならない配慮を行い、販売した費用と集めたデータをもとに承認申請をするような仕組み」
だそうです。

参考:厚労省有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会・報告書

「がん臨床試験と患者の視点」2009年12月号

厚労省の報告書が、平成19年(2007年)。
スマイリーの情報誌は、2009年12月号。

う~ん、一日でも早く
患者さんたちに朗報が届けられることを
祈りたいと思います。

そして、少しでも社会の関心が高まるよう
な情報提供ができればと
微力ながら思っています。

2010年3月15日月曜日

どんなときでも命は輝く~訪問看護師秋山正子

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

在宅医療の要と言ったら、医師とともに看護師の存在が大きいです。
その訪問看護師の草分け的存在である秋山正子さんが
NHKのプロフェッショナルに出演されます。
在宅医療ってなに?、訪問看護師って何をする人?
そんな方は必見です。飾らないその姿は、まさに職人です。
ご本も出されました。3月20日にサイン会もあります!
「在宅ケアの不思議な力」医学書院 1470円

3月16日(火)22:00~22:48 NHK総合
再放送 318日(水)深夜2:45~3:35 NHK総合

番組名「プロフェッショナル ~仕事の流儀」
どんなときでも、命は輝く ~訪問看護師・秋山正子

終末期のがんや神経難病、老衰。
重い病などを抱えながらも、退院して自宅で暮らしたいという人々を支える、訪問看護師のパイオニア的存在、秋山正子(59)。
20年近く新宿区市ヶ谷の周辺で、150名もの在宅療養の人々を回り続けている。人々を希望で照らすその姿から、「市ヶ谷のマザー・テレサ」と呼ばれる。【中略】

秋山が最も大切にするのは、自宅で療養する人々が、今、生きている喜びを味わえること。
人は、どんな困難の中にあっても、今この瞬間を輝き、喜ぶことができると秋山は信じている。
番組では、さまざまな人々の人生と向き合う、秋山の日々に密着する。進行した胃がんを抱えながら、残された日々を家で暮らしたいと願う一人暮らしの男性。老衰の父親と、それを支える娘。
都会の片隅で繰り広げられる、きずなのドラマを描いていく。

2010年3月11日木曜日

がん拠点病院 条件を見直しへ NHK

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

NHKニュースで、
第12回がん対策推進協議会において、拠点病院の指定条件見直しが話し合われました。
私たちが目指したのは、均てん化。どこに住んでいても、標準治療が受けられるように、こころのケア、相談を受けられるようにと願っていました。
これからですね。

がん拠点病院 条件を見直しへ (動画。早く見ないと見れなくなりますよ)

がん治療の地域格差をなくすために国が高いレベルの病院を各地に指定する、がんの「拠点病院」について、国のがん対策推進協議会は、医療態勢を整備できず指定から外れる病院が相次いでいるとして、指定条件の見直しを進めていくことになりました。

「がん診療連携拠点病院」は、肺がんや胃がんなど患者の大5つのがんについて、手術や抗がん剤、それに放射線の治療ができるなどの条件を満たせば補助金などで優遇を受けられるもので、がん治療の地域格差をなくそうと国が整備を進め、これまでに375の病院が指定を受けています。ところが、これらの病院のうち、高額な放射線治療装置の購入や専門医の確保など条件を満たせなくなった病院が最近相次いで指定を返上していて、4月以降、拠点病院のない地域が全国で117か所にまで増えることがわかりました。こうしたことから11日に開かれた国のがん対策推進協議会では、指定条件の見直しを進めていくことになったもので、高額な放射線装置を購入しなくても同じ地域にある病院と連携し、患者が必要な治療を受けられる場合には拠点病院として認めることや、肺がんや胃がんなどすべてのがんの治療に対応できなくても、例えば乳がん専門の拠点病院として指定をうけられるようにすることなどを検討することにしています。協議会では、来年4月以降の指定については、新たな条件で行いたいとしています。協議会のメンバーで、日本医療政策機構の埴岡健一理事は「機械があるかないかなど形式的な基準だけでなく、病院どうしが連携して患者の治療を支える仕組みがあれば指定を受けられるなど、治療の内容を評価して、地域に応じた柔軟な制度に変えていくべきだ」と話しています。



2010年3月5日金曜日

がん治療に遠隔診断  県がIT活用戦略案

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

日経新聞 平成22年2月25日に下記が載っていました。
ITにより、県内どこに住んでいても、最適な治療が受けられるようになるといいですね。

平成22年2月25日 日経新聞

がん治療に遠隔診断 県がIT活用戦略案

千葉県は県政にIT(情報技術)を活用する戦略案をまとめた。がん治療に遠隔診断を取り入れるほか、外国語版のサイトで県の観光情報を発信する。インターネット経由でソフトウェアなどを使うグランドコンピューティングの活用も盛りこんだ。
 
計画は2010~12年度が対象となる。がんの遠隔診断では県内の医療機関と、がん診療の拠点病院をネットでつなぐ。地域の医療機関で撮ったコンピューター断層撮影装置(CT)などの画像を、ネット経由で拠点病院の医師が診断。どこでも高度な医療がうけられうようになる。

(後省略)

2010年3月2日火曜日

がん患者7割 費用負担大きい NHKニュース

藤田敦子のひとりごと(がん対策)
11月19日にがん患者・家族の意識調査をお願いいたしましたが、その結果が公表され、NHKがニュースとして取り上げました。


がん患者7割 費用負担大きい 3月1日 4時35分発信

がん患者とその家族のおよそ70%が治療にかかった費用の負担が大きいと感じ、なかには経済的な理由で治療を断念している患者もいることが、NPO法人の調査でわかりました。

この調査は、医療政策などを研究しているNPO法人「日本医療政策機構」が、去年11月から12月にかけて、さまざまながんの患者団体に依頼して行ったもので、患者とその家族など1618人から回答がありました。それによりますと、がんの治療にかかった費用の負担について、「とても大きい」、「やや大きい」と回答した人はあわせて71%に上りました。さらに、全体の7%は、経済的な理由で治療そのものを断念したり、受けたい治療をあきらめて別の治療を選んだりしていました。また、治療の悩みで最も多かったのは「不安や恐怖」など精神的な悩みで全体の64%、次いで「副作用や後遺症」など肉体的な苦痛で60%となっている一方で、痛みを和らげる「とう痛ケア」を受けたことがないという回答が59%に上りました。このほか、全体の5人に1人にあたる20%が治療には「満足していない」と回答しており、日本医療政策機構は「がん患者と家族が抱えるさまざまな苦痛を和らげてがん医療を充実させていくことが今後の課題だ」と指摘しています。

2010年2月25日木曜日

「小児がん」治る時代と新たな課題

リポーター陽子のがん情報

東京新聞のWEB版に
「小児がん 治る確率高く 聖路加国際病院副院長 細谷亮太氏に聞く」
と題した記事が掲載されました。

――以下、新聞記事を要約
治療が困難だった小児がん。
しかし、いわゆる肉腫と呼ばれる種類のがん
(小児白血病、小児脳腫瘍、神経芽細胞腫など)では
抗がん剤や、抗生物質や輸血といった治療サポートの進歩により
75~80%近くが治る時代。
しかし、治療後20年、30年たってから出てくる副反応
幼い体への放射線治療による発育への支障や
二次がんの発生
また、就学や就職困難などの問題が出てくる。
このような問題解決のための
「長期フォローアップ外来」が国の研究班により進められている。
また、市民ベースでは「ハートリンク」という団体が
小児がんを克服した人のための医療保障のための共済事業を行っている。
――以上、東京新聞(2010年1月22日)より

そして、毎日新聞jpには、次のような報道が

――以下、毎日新聞要約
「ハートリンク」の小児癌を克服した人のための保険が
加入条件を一般の人にも広げた。
加入者が増え掛け金が増えることで
小児がん経験者の生活支援などを充実できることを期待。
――以上、毎日新聞(毎日jp 2010年2月21日)より

“小児がんの多くが治る時代”
という事は、少し前に聞いていましたが
治ってからも、さまざまな問題に直面することがあるとは
想像もしていませんでした。

それにしても
“がん”ってヤツは……
と、ため息が出てきます。

この社会には、本当にいろいろな困り事があります。
そして、いろいろな困り事をサポートしている人も
大勢います。
地域活動を応援する雑誌のために
いろいろな団体を取材していると
その事を、実感します。

一人ができる事は、ちっぽけでも
みんなでできる事は、いっぱいある
楽観的な私は、いつもそう思います。
そんな社会を実現するための第一歩は
社会にあるいろいろな困り事を知る事だと思います。

情報を共有することから、何かが始まることを期待して
「がんいろいろ情報」を発信したいなと思っています。

2010年2月22日月曜日

英国がん患者支援、マギーズ・センターがほしい

藤田敦子のひとりごと(がん対策、緩和ケア)

今日は、「30年後の医療の姿を考える会」主催の『がん患者が自分の力を取り戻せる支援とは? イギリスのがん患者支援、マギーセンターから学ぶ』に行ってきました。

英国というと、ホスピス発祥の地で、チャリティが活発な国として知られていますが、私は、マギーズ・センターのことは初めて知りました。

乳がん患者であったマギー・ケズウィック・ジェンクスさんが、「病人ではなく一人の人間に戻れる、死の恐怖のなかにあっても生きる喜びを感じられる、小さな家庭的な安息所がほしい」「治療法や補完療法についての適切な情報、信頼できる案内人がほしい」と思い、自分の担当だったオンコロジーナース(がん専門看護師)や医師に相談し、彼女が亡くなった後に、このプロジェクトは動き出します。
このマギーズ・センターの特徴は、マギーさんがランドスケ-ププランナーという専門と、夫が建築家であったことから、建物や庭、ランドスケープといった環境も、力になっていることです。

専門看護師、心理士、ソーシャルワーカーによる専門家の支援、そして広報や資金集めをするスタッフがいます。
打ち解けて話がしやすく、くつろげるスペースがあり、不安に対処する方法を自分ひとりでなく見つけられる場所。患者や家族だけでなく、働く医療者に対してもセンターが開かれています。

ちょうど、昨日は石川県で講演が行われて新聞記事になっています。
読売新聞 がん患者支援英国に学ぶ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20100221-OYT8T00103.htm?from=dmst3


イギリスでは、がんセンターの側(日本でいればがん診療連携拠点病院でしょうか)に作られていて、無償の土地提供かごくわずかな料金での賃貸契約があり、建築家の無料奉仕(おお、すごい)、地元メディアを巻き込み、資金調達を行っているようです。

キャピタルコストは、300万ポンド(建築費約200万ポンドと3年間の運転費100万ポンド)、それ以外に歳入費年間25万から35万ポンドかかっています。
へえー、すごいな・・。(1ポンドが今142円ぐらいだから、4億、そして年間3500万から5000万か・・、キャーすごい。一般人には想像もできない額ですね。土地を無償提供してくれる人を探すところから始めるわけですね・・・。13年かかった意味がやっとわかりました・・)
日本には、チャリティの文化はないし、さてどこから始めたらいいのかしらと思うけど、「ほしい」という気持ちがあれば、知恵や人が集まってくるかもしれませんね。

明日から、夢をいっぱい語っていこう。
「ほしい。作りたい」
まったく同じものを作るのは難しいかもしれないけど、でも、マギーズセンターがもつ機能は絶対に必要ですよね。
一度英国に行って、自分の眼で確かめてみたいです。
まずはそこから始めていきます!

チャリティのことも、せっかくそういった団体の会員になったことだし
もっと真剣に勉強していかなくちゃ。

主催者が、日本1号を作られるでしょうから、いろいろ教えてもらえますね。
わーい。なんだか楽しくなってきました。
どこが作ってもいいから、日本に誕生してほしいです。

2010年2月16日火曜日

患者サロンで心のケア 肝炎対策で公費

藤田敦子のひとりごと(がん情報)

千葉大学医学部附属病院と患者会との協働での講演会開催は、今後も続いていくことになりそうです。私たちピュアにも、患者さんや今支えておられる家族もいて、この公式サイトでは、今後、検診や治療に関することを「がん情報」としてお届けしていきます。
リポーターは、ピュア会員の陽子さんです!プロフィールはご本人からお願いしますね。

さて、最初は、私から。
肝炎対策は、患者さんが国会議員になり、大きく動き出しています。肝炎から肝臓がんを発症される方も多く、患者さんたちが勝ち取った成果は、大きなものになりますね。



患者サロンで心のケア 肝炎対策、相互支援も
2010年2月15日 提供:共同通信社


すべてのウイルス性肝炎感染者の支援を目的とした肝炎対策基本法の1月施行を受け、厚生労働省は14日までに、患者同士が治療体験を語り合う「サロン」開設や患者らをカウンセラーに育成する研修など、心理面の支援に2010年度から乗り出すことを決めた。

 厚労省の推計では、B型、C型肝炎患者は計約60万人おり、長期にわたる闘病や周囲の偏見に苦悩する人も多い。厚労省は「悩みを共有し、心を開いた話をすることが精神的負担の緩和につながる」として、治療費助成などの経済的支援に加え、基本法が定める総合対策の一環と位置付ける。

 患者の精神的負担の軽減を目的とした施策には、がん患者を対象に痛みを取り除いたり、心の不安を和らげたりする緩和ケアが知られている。

 厚労省によると、支援策の一つは肝炎治療の拠点となっている各都道府県の病院への患者サロン開設。インターフェロン治療の副作用でうつ状態となる患者も多く、治療の体験談や日常生活のアドバイスなどを気軽に話し合える場を設ける。

 また、病院などの相談員の資質向上のため、患者らを講師とする講習会を実施。患者や家族をカウンセリング能力を持つ「ピアサポーター」として育成するための研修事業なども想定している。 10年度政府予算案には新規事業として「肝炎患者等支援対策」が盛り込まれており、個別の事業は地域の実情に応じて都道府県が実施し、国は年間最大30万円を補助する形になる。

 経済的支援として国は10年度以降、インターフェロン治療に加え、B型肝炎に効果がある抗ウイルス剤治療を助成対象とし、自己負担を月額原則1万円とする方針。東京都内の男性患者(70)は「経済的支援や医療面だけでなく、心のケアにも国が乗り出すことは評価できる」と話している。



※肝炎対策基本法 

国内最大の感染症とされる肝炎の総合対策を盛り込んだ法律。2009年11月に議員立法で成立し、今年1月に施行された。血液製剤が原因の薬害C型肝炎事件と、集団予防接種での注射器の連続使用が原因のB型肝炎事件について「国の責任」を認め、それ以外の感染についても治療費助成などの支援対象とした。厚生労働相が予防や医療提供体制の確保などに関する基本指針を策定し、その際には、患者代表などから任命される対策推進協議会の意見を聴くと定めた。

2010年2月14日日曜日

2010年度診療報酬改定ーがん医療の推進

藤田敦子のひとりごと(がん医療)

2010年2月12日に、診療報酬改定(案)が発表された。

第169回中央社会保険医療協議会資料

がん医療については、下記が記載されていた。
(内容は省略してあります)

◎がん診療連携拠点病院の評価
 (がん診療連携拠点病院加算の引き上げ)500点(前400点)
1.がん診療連携拠点病院であること 
2.キャンサーボードを設置している
 (看護師、薬剤師等の医療関係職種が参加していることがのぞましい)

◎がん診療連携拠点病院を中心とした連携の充実(新設)
1.がん治療連携計画策定料(計画策定病院)750点(退院時)
2.がん治療連携指導料(連携医療機関)   300点(情報提供時)

◎がん治療及び丁寧な説明に対する評価の充実
1.外来化学療法加算の評価の充実
  (外来化学療法加算の評価を引き上げる)
  (介護老人保健施設入所者に対する抗悪性腫瘍剤注射薬の算定
2.放射線治療病室管理加算の引き上げ 2,500点(前500点)
3.がん患者に対する丁寧な説明の評価(新設500点)
 がんと診断され、継続して治療を行う予定の者に対して、緩和ケアの研修を修了した医師及び6か月以上の専門の研修を修了した看護師が同席し、周囲の環境等にも十分配慮した上で、丁寧な説明を行った場合に算定する。

◎緩和ケア・がんに対するリハビリテーションの評価
1.疼痛緩和ケアの充実
 (がん性疼痛緩和指導管理料において、緩和ケアに係る研修修了した医師)
2.入院における緩和ケア診療の評価の充実
 緩和ケア診療加算400点(前300点)
 (がん診療連携拠点病院若しくは準じる病院又は日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けた施設)
 (常勤医師が緩和ケアの研修会を終了していること)
3.がんに対するリハビリテーションの評価
 がん患者リハビリテーション料(新設200点)

がん医療としてではないが、関係しているものでは
◎急性期医療に対する後方病床機能の評価
  有床診療所一般病床初期加算(新設100点 7日以内、1日付き)
  医師配置加算の見直し
  入院基本料等加算の拡充
◎明細書発行の推進及び処方せん様式等の見直し
  明細書発行義務化の拡大
◎再診料及び外来管理加算について
  病院と診療所の再診料を統一(69点)
  5分ルールの廃止
  丁寧な問診、懇切丁寧な説明、療養上の疑問や不安を解消
◎地域医療貢献に対する評価
  休日・夜間に患者からの問い合わせや受診等に対応可能な体制を確保
◎疾病の重症化予防に対する適正な評価について
  リンパ浮腫に対して、入院中以外に、退院月または翌日に重症化等を抑制するための指導を再度実施した場合に、1回に限り算定
◎医療療養病棟の評価に係る見直し
 療養病床における後方病床機能の評価
◎在宅医療を提供する医療機関の充実
 在宅移行早期加算
 複数医療機関の在宅療養指導管理料の評価
 在宅療養支援病院の要件緩和
◎訪問診療の評価の充実
 往診料の評価の引き上げ(720点)
 在宅ターミナルケア加算の要件緩和
   死亡に至るまでの間、手厚いターミナルケア(14日以内に2回以上)が提供されていた場合は、在宅以外で死亡した場合であっても、在宅ターミルケア加算を算定可能とする(これにはびっくりしています。モチベーションが下がらないかしら。まあ過程も大事だけど、最後の最後、病院で亡くなってもというのは・・・、遺族としてはちがうよ~と言いたいです。10000点というのは10万で3割だと3万だもの。裾野を広げたい気持はわからないでもないけど、最後に救急車で病院に搬送して、在宅医にありがとうございました、と言えるかしら。詳しい事をちゃんと確認したいです。私の解釈違いでありますように。2000点だけでは、ダメなのかしら)
 乳幼児加算の新設(小児在宅医療)
◎患者のニーズに応じた訪問看護の推進
◎訪問看護におけるターミナルケアに係る評価の見直し
◎入院時の総合的な評価に基づく介護との連携

いや~、今回の改定で、医療がどうなっていくのか・・
緩和ケアが進んだのは嬉しいけど、
なんだか、不安です。