2008年8月24日日曜日

終末期ケアへの理解深めて 日本ホスピス・在宅ケア研究会


by 藤田敦子です。ひさびさの投稿ですが、千葉日報 2008年7月13日(日)の記事を記します。

日本ホスピス在宅ケア研究会 初の千葉大会でシンポ「福祉・医療連携で患者支援を」 

終末期やがんの緩和ケアの在り方を考える「第16回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会・千葉大会」(日本ホスピス・在宅ケア研究会主催、千葉日報社など後援)が12日、千葉市美浜区の幕張メッセ国際会議場で開幕した。大会では医療関係者らによるシンポジウムなどが行われ、特別講演では近藤克則・日本福祉大学教授や広井良典・千葉大学教授らが終末期ケアの現状や課題を指摘した。県内での開催は初めて。 

 冒頭あいさつで藤田敦子大会会長は「高齢社会で自宅での療養が重視される中、政府の医療施設や支援は複雑化し、一般市民が内容を把握していないのが実情」と指摘し、「この大会が理解が深まる手助けになれば」と話した。 

 同大会には医療、福祉関係者や一般市民ら約3千人が出席した。国際会議室では、広井教授と近藤教授が在宅終末期ケアの現状と課題を説明。藤田大会会長とともに座談会を行った。 

 近藤教授は「在宅ケアを望む終末期患者は多い」としたうえで、「病院での病状緩和ケアを望む人がいるのも事実。(医療、介護の)現場には在宅死か病院死かという結果でなく、ケアの過程にこだわった質の向上を目指してほしい」と呼び掛けた。 広井教授は地域社会や経済状況などの観点から緩和ケア議論を展開し、「地域に根差す高齢者は増えており、在宅ケアの充実には人が集まる地域コミュニティーの存在が必要不可欠」と分析した。 

 講演後の座談で近藤教授は、「まだ福祉と医療の連携体制はできていない。医療機関は救命事業だけでなく、在宅ケアを望む患者への支援や、福祉施設との協力体制を拡充させてほしい」と述べた。

 記者会見で藤田大会会長は「市民に在宅・緩和ケアを得心してもらい、医師に要望を出しやすい状況をつくることで、日本の医療、福祉機関がより良くなることを期待する」と展望を語った。 同大会は今日13日まで開催され、シンポジウムや特別講演が行われる。